保険証の見方について

医療保険は、会社勤めをしていると「社会保険」、自営業の場合では「国民健康保険」などとなんとなく理解していても、実際にはもの凄く種類があります。

ここでは、保険の種類を一覧で整理して、保険証とはどんなものか分かりやすく全体像把握するとともに、保険証に記載されている番号や記号、保険者番号の意味、最後に医療制度を一覧にして整理し、全体をまとめて見てみましょう!

 

 

①大きく分けて種類は3つ

保険制度の区分け 保険の対象
●職域保険(被用者保険) 俗に社会保険、社保と言われるものです。 公務員や教職員、職場に勤める方々、つまりサラリーマンなどが入る保険です。
●地域保険 国民健康保険ですね。 上記以外の方、つまり自営業をしている方が入る保険です。
●後期高齢者医療制度 上に出てきた2つの保険に入っていた方が、75歳以上になると移行する保険です。 65歳以上で寝たきりの方も対象になります。

基本はこの3つとなります。

※)社会保険という言い方について

「社会保険」は年金なども含まれた総称として用いられますので、医療保険としての職域保険とは混同しないようにしてください。

 

②保険証の種類を一覧で見てみる!

上の3種類を詳しくみると、以下のようになります。

 

※1)「日雇労働者」について

普段の生活の中で聞く「日雇い」とはイメージが異なり、期間、働く場所など厳密に定義されています。

共済では国家公務員、地方公務員、私立学校教職員と分けてますが、更にこの中で細かく分かれます。

 

 

③保険証の記号、番号、保険者番号の意味

上で見た保険証の区分けに関連して、保険証に記載されている「記号」「番号」「保険者番号」について、どういったものか見てみましょう。

 

 

保険に加入している人は「被保険者」。 その保険を責任持って運営しているのが「保険者」であり、全国健康保険協会、健康保険組合がそれにあたります。

ということから、保険証のあなたの名前のところは「被保険者」、その保険を責任持って運営している「保険者」が一番下に記載されています。

 

1)保険証の「記号」とは

保険証に示される「記号」とは「事業所整理記号」で、つまり保険者(あなたの保険を管轄するところ)を示しています。

●記号の意味

「国民健康保険」:運営する地方公共団体(市町村)を示す。

「職域保険」: 勤務先の企業などの記号になっている(同じ職場の人では、同じ番号となる)

 

ということになりますね。全国健康保険協会(協会けんぽ)の例では、漢字やひらながを変換表を用いて数字に変換しているようです。

 

2)保険証の「番号」とは

「記号」のとなりの「番号」は何か、といえば、「記号」に示される管轄の中での整理番号です。妻、子供など、扶養となる方とは同じ番号になります。

●番号の意味

「国民健康保険」:加入順に番号が振られる

「職域保険」:退職者も含め、1番から順番に番号が振られる

 

3)保険証の「保険者番号」とは

続いて「保険者番号」。上で見てきた多くの種類がある保険証ですが、この多くの種類を区別している番号が含まれるものです。

基本は8桁、 国民健康保険(退職者の場合を除く)は6桁。となっています。

その番号の付け方は適当にやっているものでは勿論なく、厚生労働省の資料でしっかり規定されています。

最初の2桁は、厚生労働省の以下の資料で規定されています。

●国民健康保険では6桁

国民健康保険では、最初の2桁(法別番号)がなく、

「都道府県番号」(2)+「保険者番号」(3)+「検証番号」(1)

の計6桁となります。

※)国民健康保険でも退職者の場合は、法別番号が付く8桁となる

 

4)法別番号について

 

5)都道府県番号について

 

 

④保険証の見分け方:調査票などへの記入

学校などに提出する、たとえば保険調査票などの資料に、保険証の種類を記入する場合があります。

保険証の種類の他にも記号、番号などを記入するものですが、保険証の種類は、上の方で見てきたものです。

→保険証番号で確認できます。

保険証に記載のある「保険者番号」を見てみてください。

  • ●6桁なら、国民健康保険
  • ●8桁なら、職域保険(社会保険)

選択肢などで「国民健康保険」「社会保険」などと大枠なくくりになっていれば、以上で見分けがつきます。具体的に保険証の種類の記載が必要な場合には、

  • ●職域保険では、保険者番号の先頭2桁(法別番号)を見て、該当する区分の保険が具体的保険証の種類になります。
  • ●国民健康保険は、国民健康保険ですね。

 

 

⑤保険証の色の種類は気にしない!

保険証は実は色々な色のものがあります。

簡単にいえば、上で見てきた保険者(全国健康保険協会、健康保険組合など)によって様々、ということです。

保険証の種類の一覧を見ても、実に様々な保険証があることが分かりますが、職域保険では多くの健康組合や共済組合の数だけ違う色がある、といっても良いと思います。

また有効期限が切れて新しくなった場合に、色が変わる場合もあります。これは、古い保険証と新しい保険証を区別しやすくするためのようですね。

ということから、私のは黄色、あの人のは緑色、別の人は水色、どうして!?といった事は、特に気にせず、カッコイイ色使いや可愛い色使いだったら「いいなー」と思っていればよいですね。

 

 

⑥医療制度の一覧を更に見てみる

保険証の種類や、記載のある記号や番号など、いろいろ見てみました。

普段は自分が加入している保険は何かだけを知っていればよいですが、これが逆に保険を利用する方を対応する医療事務の現場では、今まで見てきた様々な保険証に加え、他の保険制度もありますから、その大変さも分かりますね。

ということから、最後に医療事務などでは当たり前の知識となるのでしょうが、保険証に関連して医療制度を一覧にまとめてみます。

 

健康である普段は意識しませんが、こうした様々な制度で守られていると分かると、かならず役に立つと思います。

いざという時にあわてないよう、普段から少しづつでも知識として持っていたいですね。