保険証のコピーが悪用される?病院などでの効力や裏表、用紙サイズなどコピーのやり方は?

身分証明にも使われる保険証。身分証明書の代表は「顔写真付きである運転免許証」ですが

(今では住基カードが最強ですね)、運転免許証のない人にとっては、一番よく利用されるのが保険証かもしれません。

その保険証について大事であるからこそ「コピーで使えるか」「どのくらい効力があるのか」が気になるところです。免許証でも同じことが言えますが、この保険証のコピー、悪用されるってことはないんでしょうか?

保険証のコピーなんてそうそう使わないよ、と思っても、実際には確認のためにコピーをとられる、アルバイトや児童手当の申請などで保険証のコピーが必要、といった場合もでてきます。

ここでは保険証のコピーにどれほど効力があるものか、病院での対応、年齢確認が必要な場合や児童手当の申請の場合など、保険証のコピーの仕方を含めて見てみましょう。

 

①保険証のコピーが悪用される?その効力は?

保険証のコピーは悪用される場合があります。一番考えられるのは消費者金融など、保険証のコピーを利用されて見ず知らずの第三者に悪用される、というケースです。

それでも、警察に届けることで対応できたり、実際に(仮に)裁判などにもなっても、

●本人がそもそも借りてないものに支払う義務はありません

ということから

●本人のものかどうかもわからないコピーは受け付けられない

というのが基本です。

医療機関でも「本人になりすまし保険証のコピーが利用される」といった場合も考えられます。この場合は医療費はその人が払うこともあり、実害というとあまりないとは言えそうですが、こういった事が行われるのを防ぐことから、

●病院でも例外的な状況を除いてコピーは利用できません

病院にしても、金融機関にしても、コピーで保険証の原本代わりとして利用してくれるところは基本ない、ということから、つまり

●保険証のコピーには効力はない

ということです。

免許証とはまた異なりますが、免許証を考えてみてもらえれば、より実感として分かると思います。

  • 車を運転していて、
  • 警察官に免許証の提示を求められた。
  • 免許証はありませんが、コピーならあります

などといって通用するかどうか、考えてみてもらえれば分かります。

仮に悪用されて支払いを請求されたなどでは放置せず、警察、国民生活センターなどに届けるのが問題解決にはとても重要です。

 

 

 

②病院で保険証のコピーは使えるのか?

1)保険証のコピーは使えない

病院では基本は保険証のコピーは使えません。 病院側からすると保険証の原本の確認が基本です。

そのため、

  • 保険証のコピーは使用できずに全額自己負担
  • 後日、その時の領収書とともに保険証の本物を持って行き払い戻しを受ける

という形になります。 よく行く病院であり、病院の先生やスタッフとも顔見知りの病院なら、それなりの対応をしてくれる場合も考えられます。それでも、そもそもそういった病院に対して原本ではなくコピーを持っていく、ということ自体が普通ではなく、また、病院側からしてみれば、本人以外に使われる危険を回避しているということから「コピーは使用できない」ということになります。

2)コピーが使えるのは特殊な場合に限られる

保険証のコピーが医療機関で有効と扱われるのは特殊な場合に限られます。この特殊な場合の1つが、学校における遠足や修学旅行、といった学生の場合です。

■特殊なケースその1(学生の場合)

  • 子供に大事な保険証をもたせるのが不安
  • それでも万一に備えてそのコピーを持たせる

ということですね。

こういった場合には、学校、学校の先生、自宅に連絡が取れる、ということから信頼度もあり、保険証原本ではなくコピーでも対応してもらえる場合もあります。

あくまで”対応してもらえる場合がある”ということから、コピーではなく、実物を持って行くように指導している学校も多いと思います。

■特殊なケースその2(緊急を要する現場)

また学校以外では、工事現場などにも同様のことが言える場合もあります。緊急治療が必要となる場合、会社に提出済の保険証のコピーで代用する、というケースですね。

この場合にも、基本はコピーは利用できない、その病院が勤め先に対して信用を置いている場合に限り、病院側で「対応してもらえる場合もある」ということになります。

いずれにしても、基本は保険証原本が必要であり、基本はその場では全額自己負担。後日領収証と保険証原本を持参して払い戻しを受ける、という形です。

 

 

③年齢確認で、保険証のコピーが使えるか?

年齢確認が必要な場合、身分証明証の提示を求められますが、ここで保険証のコピーが使えるか?

この年齢確認で保険証のコピーは使えません。

年齢確認では、顔写真の付いているもの(運転免許証等)が基本であり、年齢確認のためにコピーを見せる、という時点で不審に思われます。コピーは誰でも持てますし、内容を修正して作られたものである可能性もあり、信用されません。つまり、

●年齢確認で保険証のコピーでは全く効力がない

ということです。

年齢確認が必要ということは、その確認は法律等に抵触するからこその確認です。その確認に「不確かなコピーなどで通るわけがない」ということです。

仮にコピーが修正等を入れた「作られたもの」であった場合、本人とともにそれでOKとしたお店も罰せられることから、保険証のコピーで年齢確認を許容する店はないと思ったほうが良いでしょう。

 

 

④コピーの用紙サイズ。カラーにすべき?表面と裏面は?

病院などではコピーした保険証は使えませんが、逆にアルバイトなど、勤め先に保険証のコピーを持ってきてください、といわれる場合もあります。

そういった時のコピーはどうすれば良いか、といえば、

1)保険証のコピーはこうする!

注意点としては、文字がしっかり見えるように、色が濃過ぎたら薄くする、はっきり見えないなら濃くするなど、文字の濃さは調整してくみてください。

A4の中での保険証の位置は、中央辺りが良いです。 (あまり深く考える必要なし) (受け取る側はファイリング等で整理して保管するため、そのほうが見やすい)

用紙に対して向きは気にする必要なし。 どうしても気になる場合には、用紙を立ててみた時に、正しく見える方向で良いです。

2)A4サイズとは何のサイズ?

A4サイズでコピーして提出、と言われる場合がありますが、この「A4サイズ」は

  • あくまで用紙サイズであって、
  • 保険証をA4サイズに拡大する、ということではありません

A4サイズの用紙に、普通にコピーしてください、ということですね。

 

 

⑤児童手当の申請で保険証のコピーが必要なわけ

保険証のコピーが必要になる場合に、児童手当の申請があります。

児童手当は、中学卒業までの子供を養育している場合に支給される費用ですね。その時に、申請書とともに、保険証のコピーが必要になります。

※)対象となる子供の保険証ではなく、請求する人本人のものです

※)最近ではマイナンバーが必要になります

なぜ保険証のコピーが必要になるかといえば、保険の種類(国民健康保険かそれ以外か)によって国や県、市の児童手当の費用負担が変わるため、その確認が必要になるんですね。

国民健康保険の場合、市区町村役場でその確認が取れるため、保険証のコピーの提出は不要、としていることが多いようです。