老齢基礎年金

老齢基礎年金は、「老齢」に関する年金です。原則として65歳から支給されます。また、40年間保険料を納付した場合に満額(最高額)が支給されます。

①支給要件

 

(1)支給要件

老齢基礎年金は、下記の要件満たす者が65歳に達したときに支給されます。

  • ●保険料納付済期間又は保険料免除期間(学生の保険料納付特例及び30歳未満の保険料納付猶予制度のかかる期間を除きます)を有していること
  • ●受給資格期間(25年以上)を満たしていること

(2)保険料納付済期間

次の期間が保険納付期間です。

  • ●第1号被保険者期間のうち保険料を納付した期間
  • ●第2号被保険者期間のうち20歳以上60歳未満の期間
  • (第2号被保険者期間中は、厚生年金保険に保険料を納付します。その厚生年金保険に収めた保険料の一部は国民年金の給付に要する費用に充てられることになっているので、第2号被保険者である間は、国民年金でも保険料納付期間にすることにしています。
  • ●第3号被保険者
  • (第3号被保険者は、サラリーマンの妻など(第2号被保険者に扶養されている配偶者)です。元々、専業主婦をイメージして規定されているので、収入がない→保険料は収めなて良い、という扱いになっています。第3号被保険者である間はすべて保険料納付期間になります。

(3)保険料免除期間

所得が少ないなどの理由により保険料が免除されている期間を、保険料免除期間といいます。全部で8種類の免除制度があります。

[特別な免除制度]

●法定免除・・・法定要件に該当したら免除される制度です。保険料の全額の納付が免除されます。

●所得等による免除制度

それぞれの制度の所得要件等に該当した場合(所得が少ない場合等)に、申請により免除されます。

  • ●保険料申請全額免除・・・保険料の全額の納付が免除されます。
  • ●保険料4分の3免除・・・保険料の4分の3の納付が免除されます。
  • ●保険料半額免除・・・保険料の半額の納付が免除されます。
  • ●保険料4分の1免除・・・保険料の4分の1の納付が免除されます。

●学生の特例

●学生の保険料納付特例

学生は所得がない、との考えに基づくものです。保険料の4分の1が免除されます。

●50歳未満の特例

  • ●30歳未満の保険料の納付猶予制度
  • ●30歳以上50歳未満の保険料納付猶予制度

(4)受給資格期間

受給資格があるかないかを判定するための期間です。具体的には、保険料納付済期間、保険料免除期間及び合算対象期間を合算して25年以上あれば受給資格期間を満たします。

(5)合算対象期間

合算対象期間とは、「期間にはするけど年金額にはしない期間」です。俗に「カラ期間」と呼ばれています。例えば、昭和61年3月までの旧法時代には、サラリーマンの妻は任意加入扱いでした。その時期に任意加入していなかった場合には、それらの期間は合算対象期間とすることにしています。旧法から新法に移る際にサラリーマンの妻の扱いが大きく変わった(任意加入→強制加入)ことを踏まえて、新法になってからの期間だけでは受給資格期間を満たせないサラリーマンの妻が受給資格期間を満たすことができるように救済するという意味合いを持ちます。このほかにも合算対象期間が存在しますが、基本的には、受給資格を与えるために、本来は加入していなかった期間や、すでに脱退していた期間等につき、受給資格期間に参入することを認める規定になっています。

 

②支給額

前記の支給要件を満たした場合に老齢基礎年金が支給されます。20歳から60歳に達するまでのすべての期間について保険料を納めた場合には、780900円×改定率が支給されます。すべてが保険料納付期間でない場合には減額されます。

40年間(480か月)すべてが保険料納付済期間である場合

780900円×改定率(満額)

保険料納付済期間が40年間(480か月)に満たない場合

特殊な算定方式により算定された金額へ

[改定率]

780900円というのは、平成16年度の年金額として決められれた額です。平成17年以降は、年金額の価値を維持するために、780900円を基にして、毎年度ごとの改定率を乗じた額とすることとしています。