顛末書・理由書について

不始末やトラブルの原因や経緯を説明する

<シチュエーションと目的

  • 1、業務上の不始末の原因や経緯を端的に説明する場合に書く
  • 2、トラブルが起きたとき、速やかに詳細を報告する際に書く
  • 3、事実関係を明らかにして対策を講じる
  • 4、欠陥商品、納品遅延、部下の不祥事や事故などを会社に報告する

<マナーとポイント>

  • 1、顛末書には経緯を、理由書は因果関係を中心に書く
  • 2、読み手に分かりやすいように5W1Hを明確にし、事実を理路整然と説明する。箇条書きや明記にするなど工夫する
  • 3、正確に事実を説明することが重要。また今後の対策を盛り込むと印象がよい
  • 4、早期解決のため、顛末書や理由書の提出はできるだけ早めにすること。報告が遅れるとその後の対応も問題が拡大することもあるので注意する

 


 

顛末書・理由書サンプル01<システムの不具合の顛末書>

  • ・読み手が理解しやすいように、別記で原因と対策を説明するなど工夫する
  • ・トラブルの事実を簡潔に報告する
  • ・(書き換え表現)下記の問題点が明確になりましたので
  • ・トラブル発生から現在までの状況を具体的に報告する
  • ・被害があれば必ず報告する
  • ・再発防止のため、対策を報告する

 


 

顛末書・理由書サンプル02<納期遅延の理由書>

  • ・できるだけ早く報告をあげることが重要。緊急性が高い場合には、メールやFAXでの対応も
  • ・標題だけでトラブルのあらましが把握できる
  • ・まず事実を報告、その後詳細についてまとめると分かりやすい
  • ・(書き換え表現)ご説明申し上げます
  • ・経緯は5W1Hを明確にする
  • ・トラブルへの対策を忘れない

 


 

顛末書・理由書サンプル03<機械故障の理由書>

                      理由書

管理本部長 成瀬 宏 様                             平成○年○月○日

平塚工場長 山田 康弘

このたい、平成○年3月12日(月)に、当工場で発生した機械故障について、以下のことが判明しましたのでご報告いたします。

 

1、発生日時  平成○年3月21日13時30分頃

2、故障状況  ボイラー室の内燃機が異常高温になったことによる生産ラインの停止(以後8時間)

3、理由  ボイラー辞退の老朽化と、内側に灰が溜まったことで、内燃機が異常高温状態になったため

4、損害  内燃機等は復旧しましたが、生産ライン停止によって、今月の目標生産量の達成が困難となりました。

5、備考  ボイラーの寿命は15年程度の模様

 

  • ・客観的にトラブルの状況を伝えることが重要。会社はその報告をもとに今後の対策を立てるため、間違いがないよう正確に記述する
  • ・(書き換え表現)調査の結果、下記の原因が判明いたしました
  • ・別記で5W1Hを明確にして簡潔に報告する。理由と損害状況が明確になっていれば、その後の対策も立てやすくなる
  • ・懸念事項があれば必ず報告する

 

 


 

顛末書・理由書サンプル04<納入商品破損の顛末書>

                      顛末書

管理本部長 山田 幸助 様                            平成○年3月21日

営業部 三田 和夫

このたび、平成○年3月21日(月)に、営業所から納品いsた蛍光灯が破損していた事故について、以下のことが判明しましたのでご報告いたします。

 

1、発覚日時 平成○年3月21日(月)にコジマ電算株式会社からのクレーム電話で発覚

2、破損状況 3月19日(土)に納入した蛍光灯100本のうち、17本が破損していた

3、理由  同社では納品依頼、倉庫に立ち入った者はいないとのことで、運搬中の事故と思われる

4、対応と対策  新たに当営業所から破損した数量分の検品済商品を早急にお届けした。また配送を担当しているウミガメ運送株式会社に今回の破損事故に対する抗議を行うとともに、遠因究明について報告お願いしました。

5、備考  破損商品金額は合計87.400円相当                       以上

  • ・欠陥製品の納品が複数の店舗(会社)におよぶ場合は、該当店舗をすべて記載すること。数が多い場合は別記や別紙で詳細を報告する。トラブルは記録に残すことが重要
  • ・このケースでは原因は推測するしかない
  • ・対策を明記することは重要。原因が不確定な場合は、関係者と協力して究明する努力をしている旨を報告する
  • ・損害額についても報告する

 


 

顛末書・理由書サンプル05<展示物の倒壊事故の顛末書>

                       顛末書

宣伝部長 石井 雄二様                             平成○年10月14日

宣伝部 清水 宏

平成○年10月31日(水)に発生しました、「全国うまいもの物産展」における当社担当の展示ぶーす倒壊事故について、調査結果をご報告いたします。

 

1、経緯

物産展の前日、私と関係広告代理店の方々数人で展示ブースはすべて金属製の足場に固定しており、ボルトの緩みなどについても確認しましたので、これに起因する事故ではないと思われます。

2、原因

当日は我々の事前予想をはるかに上回る8千人もの来場者が開場時間前から並んで待っていました。会場となった途端多くの来場者が一気に会場に入ってきたのですが、その際に、開放されたままになっていた出入り口から突風が吹きこみ、それに耐えきれず金属製の足場に固定していたワイヤーが切れて展示ブースが倒壊しました。したがって、原因は想定外の突風によるものと考えられます。

3、被害等

展示ブースが倒壊した直後は一時混乱状態になりましたが、主催者である全日本物産連合会の職員が来場者に冷静な行動を呼びかけていただいたことと、怪我人がいなかったことで大きな混乱にはなりませんでした。実被害として、テレビモニター、電子レンジ、てーずる2台が破損しました。

4、対策

強風で展示物が倒壊するということ自体は事前の想定が困難ですが、二度と同じようなトラブルが起きないよう、出入り口付近に暴風壁を立てるなどの対策が必要だと思われます。

  • ・顛末書は通常は直属の上司や部署の長に提出する。しかし事故の被害状況などによっては提出先が変わる場合もある。また事故が起こった場合はまず口頭で報告をすることが重要
  • ・事故が起こる前の経緯をまず報告する。誰が読んでも事故の状況が分かるように記述する
  • ・顛末書の主旨は原因を特定し再発防止につなげること。原因をしっかり究明し報告する
  • ・被害状況は細かく正確に報告する
  • ・再発防止の具体策を明記する
  • ・(書き換え表現)安全面に細心の注意を払うよう周知徹底いたします

 


 

 

顛末書・理由書サンプル06<部下の交通事故の顛末書>

                      顛末書

総務部長 久保 義信 様                    城西営業部長 谷 武正

このたび、当営業所所員の川本太郎が起こしました交通事故について事実関係を報告いたします。

1、事故内容  資材運搬中の車両衝突による傷害事故

2、発生日時  平成○年2月24日(木)14時頃

3、発生場所  世田谷区北部○町目 北沢公民館付近の交差点

4、当事者  城西営業所 川本 太郎(29歳)

5、相手方  バイク運転者 山川 次郎 様(35歳)

6、事故状況

当社川本運転手が井之頭通を渋谷方向に進行していて、北沢公民館付近の交差点で左折する際、左脇を直進してきたバイクを巻き込み接触。バイクの右ボディと後輪のタイヤが破損。運転手も全治1か月の怪我を負った。

7、事故原因

川本太郎の後方不注意。

8、今後の対策

バイク運転手は骨折や打撲により、2週間程度の入院が必要。会社は現在求職中です。バイクの損害額は後日確定します。損害賠償(別途お見舞金を用意)とバイク運転手へのお見舞いについて十分な配慮を考えております。今後の所員を集めて定期的に交通安全や事故対応の講習を行うなど、閣員の安全意識の向上に努める所存です。

  • ・交通事故の顛末書では、事故の経緯とその後の対応について性格で詳細な報告が求められる
  • ・事故の状況について5W1Hを明確にして詳細に報告する
  • ・事態の推移を客観的に記述すること。部下に肩入れして事実を曖昧にしたり、報告事項を省略してはならない
  • ・今後の具体的な対応を明記するとともに、反省の気持ちや再発防止への決意などをのべる
  • ・(書き換え表現)所員の安全運転についての意識を徹底され、事故の再発防止に努めることをお約束いたします。