16_純資産について(資本金、利益準備金、繰越利益剰余金、株式会社設立時、増資時、利益準備金へ振替)

■資本金について

会社を設立の際、定款作成→設立登記→株式発行の流れであるが、株式発行後、株主から会社の口座へ資本金が入金される。

例1)

①A株式会社設立にあたり、株式10,000株を1株あたり1,000で発行し、投資家から全株式の払込を受けた(当座預金に入金された)。

(借)当座預金10,000,000(貸)資本金10,000,000

当座預金という資産の増加/資本金という純資産の増加

②設立から5年後、A株式会社はさらに5,000株を1株あたり3,000円で発行し、投資家から全株式の払込を受けた(当座預金に入金)。=株総数を増やして(増資)資金調達した。資本金は①と合わせて合計2500万円となる。

(借)当座預金15,000,000(貸)資本金15,000,000

当座預金という資産の増加/資本金という純資産の増加

※資本金は2500万円が手元にあるわけではなく、株式発行に調達した資金が合計で2500万円だったという意味(資本金=今まで出資された金額の累積値=企業規模を図る参考値)。1株あたりの値段は自身で決めれる。

●株式会社と個人事業等の違い

・株式会社設立は身内や友人、自己貯金で設立し、株式を発行する場合がほとんど。

・個人事業が儲かってきたら、株式会社にする(法人化)ケースが多い。法人化した瞬間から様々な会社法の制約を受ける。

・今までの簿記3級は個人事業的な側面が多かったが、大改訂後は株式会社の側面が強くなった。そのため株式会社のルールを決める会社法を念頭において勉強するべき!

 

■繰越利益剰余金

繰越利益剰余金とは、今までの得た利益の累積値(各年の当期純利益を足した総額)。支払義務がない純粋な利益の蓄え。当期純利益が1年目が1千万+2年目が2千万だったら合計の繰越利益剰余金は3千万と計上される。

仕訳)

  • 収益合計60,000,000
  • 費用合計40,000,000
  • 当期純利益20,000,000
  • (借)諸収益60,000,000(貸)損益60,000,000
  • (借)損益40,000,000(貸)諸費用40,000,000
  • (借)損益20,000,000(貸)繰越利益剰余金20,000,000
  • ※わかりづらいが諸収益と諸費用をそれぞれ損益に置き換えて、損益を最終的に繰越利益剰余金に置き換え仕訳する。

 

■利益準備金とは

利益準備金とは繰越利益剰余金の一部を利益準備金に変更しなさいという内容である。

例)3000万円ある繰越利益剰余金のうち500万円を利益準備金にしなさい。

(借)繰越利益剰余金5,000,000(貸)利益準備金5,000,000

繰越利益剰余金という純資産の減少/利益準備金という純資産の増加(ただ単に名称変更しているだけ。会社法で仕訳上こうしろと言ってる)

●資金調達の違い