第5章 100%の「説得力」をもつ資料に磨き上げる

レッスン26 プレゼンの成否はアペンディックスで決まる

◆本編から落とした要素はアペンディックスへ

本編スライドは提案内容の骨太なロジックをシンプルに表現したものです。枝葉の部分はあえてそぎ落とすことによって決裁者にわかりやすく伝えるのが社内プレゼンの鉄則であるがそぎ落としたそうよはアペンディックスとして保持します。社内プレゼンの成否はアペンディックスにかかっていると言っても過言ではありません。本編スライドにてわかりやすく決裁者へ説明し、アペンディックスによりより精度を高める形です。アペンディックスは決裁者の疑問に答えることが役割でありスライドは何枚あっても問題ありません。

◆アペンディックスは最低限の加工でOK

アペンディックスのスライドは、本編スライドのようにつくりこむ必要はありません(少し見づらいデータや表のままでよい)。重要アペンディックススライドのみ簡易加工する程度でよい。必要に応じて過去5年間分の資料を突然見たいと言い出すかもしれないのでそのいった内容も準備しておく。

レッスン27 想定FAQでアペンディックスを完璧に整える

◆決裁者の目線でスライドを懐疑的に見つめる

アペンディックスを編集する際は、決裁者の目線に立ち徹底的に疑いながら、常になぜという疑問をもちながらスライドを制作しましょう。

◆グラフの異常値を見逃さない

例:なぜこの時期C社からB社にユーザーが移動したのか?なぜこの時期に急増しているのか?などグラフを通じて読み取れる内容を細かくアペンディックスにまとめておく。

レッスン28 プレゼン資料はトリプルチェックを受ける

◆完成した資料は、最低1日は寝かせる

完璧にチェック・確認したプレゼン資料でも日をおいて改めて見直せばみつかる改善点があるためです。

◆チェックシート

  • キーメッセージ
  • □13文字
  • □フォント・フォントサイズ
  • □シグナル効果(ポジティブ青・ネガティブ赤)
  • □同じ単語が重複していないか
  • □誤値はないか
  • グラフ
  • □10秒でできるか
  • □数字の誤りはないか
  • □左グラフ右メッセージ
  • □一番理解して頂きたい数字のサイズ
  • □強調したい箇所の棒グラフの色
  • □強調したい折れ線の大きさ
  • □ビジュアルは適切か
  • 流れ
  • □課題→原因→解決策→効果
  • □1分バーション
  • □グラフとメッセージに整合性はあるか
  • □判断材料はスライド内に盛り込まれているか
  • □2案を提示できないか
  • アペンディックス
  • □判断材料
  •  □本編スライドの詳細データ
  •  □その他の各種データ
  •  □過去の類似データ
  •  □海外事例
  •  □他社データ
  •  □予算の妥当性
  •  □予測の妥当性
  •  □ニーズデータ
  •  □アンケートデータ
  •  □最新動向
  • □FAQ

◆トリプルチェックで味方を増やす

レッスン29 決裁者の特徴に合わせてスライドをアレンジする

◆ハーマンモデルで決裁者を見極める

ハーマンモデルとは人間の思考行動特性のモデルのことです。

①論理型の決裁者

経営企画、管理会計、マーケテイング、技術、システムなどの部門でキャリアを積んできた決裁者に多いです。彼らにはツメに甘さはあるが、面白そうな提案だなどとGOサインを出すことはありません。ロジックを完璧に納得できなければ認めてくれません。ロジックは首尾一貫しているかなどです。アペンディックスに入れた詳細グラフを本編に戻したほうがいいこともあります。複雑なグラフなども理解可能ですしデータなどの客観的な事実を重視します。また数字チェックも怠りませんので数字は正確にしましょう。

②堅実型の決裁者

カスタマーサービスやコールセンターなどの顧客対応部門、技術・システム部門の経験者に多いタイプです。彼らは計画性や実現可能性、プロセスを重視する傾向があります。そのため提案自体はロジカルで説得力があっても、現場のオペレーションやスケジュールに現実性があることに納得できなればなかなかGOサインを出しません。そこで現場で実施したシミュレーション結果を本編スライドに入れることで実現可能性は検証済みであることをアピールすることも考えたほうがいいでしょう。あるいは他部署の事業との兼ね合いも考慮したうえで実現性の高いスケジュールを組んでいることが一目でわかるように、スライドにアレンジを加えたほうがいいかもしれません。特に前例のない斬新な提案は慎重に行いましょう。堅実型はプロセスを重視しますからプレゼンを重視しますから、プレゼンそのものも今何の話をしているのかをわかりやすくしておく方がいいでしょう。そのためスライドとスライドの間に次のトピックはこれですということを明示するブリッジスライドを丁寧に入れることをおすすめします。

③独創型の決裁者

広告、デザイン、営業などのキャリアをもつ決裁者。彼らはイノベーティブな新しい提案を好む傾向があるので、それに該当する艇アインであれば業界初社内初など、初を強調すると効果的です。そのため初を示すアペンディックスを用紙する必要あります。またロジックを軽視することはありませんが、それ以上にビジョンやストーリーを重視する傾向があります。そのためデータは必要最小限にとどめて提案する事業に込めた思い、その提案を実施した結果として生み出される価値などをビジュアルを使って表現するスライドを用意すると効果的なケースもあります。思考として細部を積み重ねて全体を理解するのではなく、まず最初にに要するにどういうことか?と全体をおおづかみしたいと欲求が強いです。ブリッジスライドに注力し全体感を決裁者と共有したうえで詳細の説明に入ります。

④感覚型の決裁者

営業経験者に多いです。彼らは人間関係や他部署との関係を重んじる傾向があります。提案内容の是非はもちろん重要ですがそれとともに、きちんと関係部署の了解が得られているか根回しができているか反対者がいないかを重要視します。企画の段階、プレゼン資料作成の段階など、関係部署のキーマンや上層部とコミュニケーションをとっておくことが重要です。

レッスン30 1分バーションも用意しておく

◆1分バーションは解決策→効果→原因

表紙(問題提起)→解決策→概要→原因→スケジュールなどのパターンで行う。