有価証券報告書について

■有価証券報告書とは

●有価証券報告書を簡潔にいうと

年に一度の会社の成績表。上場会社は年に一回だけ会社の1年間の経営状況がどんな感じだったか世の中に公表する義務を負う(3か月に一回、四半期報告書もある)。内容は難しく100~200ページもある。就活などでその会社の有価証券報告書を読めばたくさんの情報が分かる。

●有価証券報告書の調べる方法

・EDINET(エディネット)・・・有価証券報告書がまとめてあるサイト。初心者には使いづらい。

・各企業のHP・・・IR情報欄に乗っている。こっちの方が分かりやすい場合が多い。

※有価証券報告書を簡単にまとめたものとしてアニュアルレポートがある。検索すれば出てくる。

●有価証券報告書の構成

  • 第一部 【企業情報】
  • 第二部 【提出会社の保証会社等の情報】

・2部に分かれているが、基本的に見るのは企業情報でよい。

  • 企業情報の内訳
  • 第1 【企業の概況】:企業全体の概要
  • ・企業の売上、利益、歴史、売上や利益をどんな事業を行っているか、グループには子会社あるか、従業員数や平均年齢、平均年収情報など、過年度の業績概要(5~6年程度)、事業内容、関係会社の状況、従業員の状況
  • 第2 【事業の状況】:事業内容を深堀
  • ・経営の基本方針や課題をどう捉えているか、経理理念、どういう戦略なのか、事業別に区切って経営成績(売上や利益)を開示、経営方針、事業などのリスク、財政状態、経営成績及びCFの状況の分析(大きな変動があった場合の分析、ここの分析度合いにより企業の開示具合がわかる)
  • 第3 【設備の状況】:設備投資について
  • 第4 【提出会社の状況】:株価やガバナンス体制
  • ・株式等の状況(大株主情報、新株予約権情報)、配当政策、役員の状況
  • 第5 【経理の状況】:財務諸表とその補足
  • ・財務諸表など
  • 第6 【提出会社の株式事務の概要】
  • 第7 【提出会社の参考情報】
  • その他 【監査報告書】
  • ・無限定適正意見か一応確認。「強調事項」や「その他の記載事項」があれば内容について要確認。

 

●就活生などがみるべきポイント

  • ・どの企業を志望しようか迷っている段階の就活生ならば
  • ➡レベル1の企業の概要のみみればよい
  • ・実際に応募(面接)する段階ならば
  • ➡レベル2の事業の状況まで見た方がいい。経理理念、経営の基本方針、どういう戦略かなど。

 

●有価証券報告書と決算短信の違い

有価証券報告書 決算短信
年に1回開示 毎四半期開示
監査対象 監査対象外
決算日後3ヶ月以内に提出(期末日3/31から3ヶ月以内=6月まで) 決算日後45日以内に提出(期末日3/31から45日以内=5月中旬ごろまで)
情報量が豊富 情報量は限定的

・決算短信は財務諸表を速報としてみるため、有価証券報告書は遅れるが、より経営方針なども踏まえて具体的に記載される。