「どう伝えるか」の基本を習得しよう

第2章

第1章の何を伝えるかに続いて「どう伝えるか?(howtosay)」を学びます。伝えるべき情報が正しくても、実際に文章を書くときの伝え方がうまくなければ、相手の心は動きません、相手の心が動かなければ、思ったような効果をえることはできません。

STEP1 人を動かす強い文章を書くために必要なただ1つの大前提とは?

究極のカクテルパーティ効果~「自分ごと」にしか人は反応しない

パーティでは周りは騒音であったも自分の興味のある話は頭に入るという効果。人を動かす「強い文章力」の基本の大前提は、受け手に「自分と関係がある」と思ってもらうこと。

ではどうすれば「自分と関係がある」と思ってもらえるような文章が書けるのでしょう?

まずは「タイトル」「見出し」などの最初のワンフレーズで相手の心をつかむこと(キャッチコピー力=受け手の心をつかむ言葉を見つけ、短く的確に文章にする能力が必要)。

 

 

 

 

STEP2 丸覚え!「心をつかむ一行」のための基本3か条~その1~

見出し・タイトルの3つの基本

①パンチのある強い言葉を使う

②相手の心にむりやりにでも「興味」を作り出す

③思わず口にしてしまうリズムや語呂を意識する

 

ここでは①について解説します。

①パンチのある強い言葉を使う

「強い言葉とは」・・・印象に残る、心に刺さる、行動したくなる

「弱い言葉とは」・・・手垢がついた、ありきたりな、心が動かない

のことです。ポイントは3つあります

(ポイント1)抽象的な常套句(厳選された、こだわりの製法、極上の)を避ける

→より具体的にする。

当店ではくつろぎの空間でおいしい料理をおもてなしの心で提供しています=×

↓修正

お屋敷に据え炬燵で完全個室。名物「イワシのつみれ」が自慢のちゃんこなべをみんなでハウハウしながら召し上がれ。

 

  • 丁寧な→すべての行程を手作業で仕上げた
  • 迅速な→当日中に必ず返事
  • 豊富な→32種類ものバリエーション
  • 納得の→アンケートで満足度97%

(ポイント2)言葉の組み合わせを考える

・異質な言葉同士が組み合わせると、お互いが科学反応を起こして強いフレーズになる。

例)

国家の品格、教室内カースト、三匹のおっさん、神様のカルテ、大人のラジオ体操

・「形容詞」+「名詞」

おいしいからだ、おいしい恋愛、おいしい学歴

やさしい生活、かわいい生活、かしこい生活

・「名詞と動詞」

関連性のまったくない別の名詞と動詞を組み合わせる。

仕事をする・仕事を考える

仕事を読む、ねじ伏せ、溺れる、惚れる(営業を遊びつくす)

(ポイント3)圧縮して言い切る

女っておしり、馬鹿とブスこそ東大へ行け!

 

 

STEP3 丸覚え! 「心をつかむ一行」のための基本3か条~その2~」

大前提その②相手の心にむりやりにでも「興味」を作り出す。

(ポイント1)そう言われてみればなぜ?という疑問を投げかける

疑問を投げかけて続きを読みたくなるようにする。

例)「さおだけ屋はなぜ潰れないのか?

夫はなぜ、私をイラつかせるのか?

御社の「売り上げ計画」はなぜ毎年達成されていないのか?

(ポイント2)重要な情報を隠す

ツァイガルニック効果(宙ぶらりんにされた状態)を利用します。

例)睡眠時間が6時間以下の人に、かなりやばい研究結果が・・・

700以上の遺伝子に悪影響を与えていた日々の習慣とは?

私、○○したら、急にもてるようになりました・・・

(ポイント3)常識とは逆のことを言う

常識とは逆のことをいうことにより相手の興味を引き出す方法は、企画書や提案書などで使えます。

例)

英語は、絶対勉強するな!

医者に殺されない方法!

食べ放題ダイエット! 長生きしたけりゃデブがいい!

 

 

STEP4 丸覚え!「心をつかむ一行」のための基本3か条~その3~

思わず口にしてしまうリズムや語呂を意識する

(ポイント1)3つたたみかける

3つのワードが並べられると、リズムや語呂がよく心に刺さるので、記憶に残りやすくなります。一般的にはメインのコピーとして使うというよりも、ショルダーコピー(商品や企業名の上などに記載されるコピーのことをいいます)的に使うほうが有効です。

例)

くうねるあそぶ。 大人も子供、おねーさんも 奇妙で、おもしろい。そして、せつない。

(ポイント2)韻をふむ

韻をふむとは言葉の文頭や文末の「音」を合わせることです。

例)

セブンーイレブンいい気分(セブンーイレブン)

インテル入ってる(インテル)

バザールでゴザール(NEC)

(ポイント3)対句

対句とは、並べられた2つのフレーズが形や意味上で対応するように作られた表現形式のことをいいます。タイトルや見出しなどの使うと有効です。

例)

話を聞かない男、地図が読めない女 金持ちも父さん、貧乏父さん うそつき男と泣き虫女

(ポイント4)有名なコピーや流行り言葉をもじる

例)

売り上げは会議室であがるんじゃない。営業現場であるがっているんだ!