圧迫、答えづらい質問への対策集

■あなたよりもかなり年上の社員が多いのでやりづらいと思いますよ

●人事の本音

不景気から毎年一定の新卒を取らず中途のみの場合平均年齢は高くなる。問題ない旨を話す。精神論や感情論に走らず理路整然と切り替えるかが重要。経験や仕事観で問題ないこと裏付ける。かなり年上の人とも問題なく付き合えるという話を人事に納得させる。例えば前職では父親と同じ年代の社員と常に一緒だったやちょうど今、定年まじかの社員とペアを組んで営業しているなどの経験談をいう。

●回答例

確かに、周りに人達が皆、かなり年上というのはやりづらい部分はあるのかもしれません。ただ一方で、私は仕事をしていく上では年齢の差なんてあまり関係がないと考えています。実際、前職での私の部署は私が最年少であり周りの皆さんは最も近くても8歳上の方でしたが、まったく問題ありませんでした。それどころかとにかく学ぶことが多く充実した環境だったと思っています。もちろん年上の社員の方々を敬う精神を忘れるつもりはありません。人生経験豊かな先輩社員や上司からは、仕事以外に学ぶべきことがたくさんあると思いますので、仕事を通じてどんどん吸収させていただければと思っています。またこれから先、会社外でも積極的に年配も含めた幅広い年齢層の方々と接する機会を持っていくことで自身の成長につなげていきたいという想いです。

●回答ポイント

指摘を受けつつも、自分の仕事観を用いてうまく切り返しています。前職での経験と年上は敬うという姿勢。さらにはむしろ年上の方とは積極的に接していきたいという想いを伝えることで、理想的な回答となっています。

 

■若い職場で年下の上司の下ではたらくことになりますが大丈夫ですか?

●人事の本音

問題なしの旨を伝える。こちらも経験や仕事観で問題ないことを裏付ける。前職でも年下の課長の下で働いていた。現職ではとしたの上司ばかりの職場で働いている。仕事に年齢は関係ないといった仕事観を用いて、大丈夫であることを説明する。最後は年齢差があっても一緒に仕事をすることで得られる刺激や成長といった仕事への意欲的なアピールで絞めておけばよい

●回答例

はい、大丈夫です。実は前職では社長が私より5つ年下、直属の上司である部長は私より一回りもしたという状況でしたが、なんの支障もなく、ごく普通に仕事をしていました。年下の上司に仕えるなんてケースは今まではそう珍しくないですし、実際先月ひ久々にお会いした私の前々職の同期も、前職の私と同じような状況で働いていると聞いていました。そもそも仕事に年齢なんて関係がないですよね。若くても仕事ができる人はどんどん上に行って、その能力を事業発揮のために発揮すればよいと考えています。そして老若男女を問わず仕事ができる人と一緒に仕事ができるのは社会人として嬉しいことだと思います。いい刺激がもらえ、自身の成長につながるからです。私はこのような考えたですから、御社でもまったく問題なくやっていけると確信しています。

●回答ポイント

前職での実務経験、同期の話、さらには仕事観を用いて大丈夫であることを証明できています。最後に仕事のできる人とかかわるメリットについても語ることで、仕事への強い意気込みも感じられます。

 

■転職回数が多いようですが、当社もすぐに辞めるのでは?

●人事の本音

それなら辞めないだろうとう納得感のある理由を話す。なぜ転職回数が多いのかに対する理由づけとこれに対する反省の弁を前半で延べ、御社は辞めないと言い切れる根拠で締めましょう。もうすぐこどもが生まれるから、もうすぐ結婚するからといった生活に密着した物理的な理由、もう迂闊なことはできないんだという追い詰められた状況をベースにした理由づけのほうが人事になっとくしていただけます。

●回答例

29歳で5社目の転職ですからそう思われてしまうのも仕方がないと思います。過去の転職の多さは事実ですし、どんなに言い訳しても説得力がないでしょう。今までは分かったせいもあり、少しでも自分に合わないことと思ったから、次を探せばいいと気軽に辞めて次を探していました。ですが、30歳を目前に控えた今、もうこれ以上転職回数を増やすわけにはいきません。また、実は今年の夏には結婚することになっておりまして。だから、もはやこれまでのような心構えは通用しないと決意しております。転職回数の多い私ですが、もし今回、御社でチャンスをいただけるのであれば、働くことができるありがたさに感謝しつつ全力で仕事に励む覚悟でおります。

●回答ポイント

転職の多さを率直にみとめ、その要因を赤裸々に語りつつも、過去をきちんと反省できています。そして結婚を控えていることを述べ、だからこその必至さを伝えることで、今回は違うと期待させることに成功しています。

 

■今回の選考で不採用になったらどうしますか?

●人事の本音

再度、志望動機を伝えるチャンスととらえる。改めて、御社の○○職で働きたい理由をしっかりと語ってその上で志望度が高い分だけそうなったら非常に残念だが今は先のことまで考えれないという感じでおさめる。

●回答例

先ほど申し上げたとおり、私は御社を第一志望としており、ぜひ御社で働いてみたいという想いが強いため、今、ご縁がなかった時のことを想定するのは正直つらいです。今やるべきことはせっかくいただいたこの面接のチャンスを1秒たりとも無駄にせず、精一杯自分をアピールしてまた御社で働きたいという強い想い伝えることだと思います。そして、この面接でベストを尽くしたのにも書かわず、不採用となったのならば、その通知を受けっとったときに改めて対応方法を考えたいと思います。大変申し訳ありませんが、今はそのような最悪な事態は想定したくないし、想定すべきではないというのが私の正直な気持ちです。

●回答ポイント

動揺せず、冷静に自分の考えを語ることに成功しております。また改めて応募先への高い志望度をしっかりとアピールできていますので、人事もその熱い思いをくみ取ってくれるでしょう。

 

■当社で働くには少し経験が足りないような気がいかがですか?

●人事の本音

人事はこの質問で事実を率直に受け止め、経験不足を補うための今後の具体的な取り組みとそれでもという当社への熱い思いを感じさせてほしいと思っています。回答方法として具体的なキャリアアップを述べる。例えば講座への参加、資格取得、参考書購読など。

●回答例

確かにご指摘のとおりで少し経験が不足していると認識しています。御社の求人ページに搭載されていた歓迎すべき条件のところに実務経験5年以上という条件が付されていたのを私もちゃんと確認しています。私の実務経験はこの4月でちょうど4年目ですからまだ1年足りないことになります。この1年の経験不足は今更変えることはできません。それなので、足りない部分は少しでも補うためにちょうど今営業社員向けのプレゼン講座に通ってみたり営業関連のビジネス書を読み漁っています。もちろん、これでもまだ努力が足りないという手ごたえを感じたときには、すぐにプライベートの時間もフル活用して最短で戦力になれるよう全力で頑張りたいと思います。

●回答ポイント

これは営業職への転職のケース。まず率直に指摘を受け入れた上で、自分の考えをしっかりと展開できています。また営業スキルを向上させる、具体的な取り組みを伝えているため、人事も志望度の高さを感じてくれることでしょう。

 

■あなたの売りである忍耐強さが、微塵も感じられないのですが?

●人事の本音

もちろん、そんなことはないを主張することになるわけですが、確かにと受け止めてしかし~と主張を展開する回答方法にしましょう。新しい情報を用いて自己PRを補完する。

●回答例

そのようにみられてしまった、という事実は真摯に受け止めたいと思っています。先ほどの自己PRで申し上げた、私のセールスポイントである忍耐強さを未だにうまく伝えきれていないのは私の説明不足です。申し訳ございません。改めて、説明させてください。私生活のことなので敢えて先ほど話しませんでしたが、私は小学校から社会人になった今でも野球をやっていて、特に高校では1000本ノックアウトといった理不尽な練習にも耐えながら、辞めることなく引退までやり切った経験があります。また大学時代にやっていた交通誘導のアルバイトでは夏場は40度を超える炎天下の下、8時間の立ちっぱなしという大変な勤務も30日、連続で続けました。御社の業務とは直接関係がないかもしれませんが、このような経験からも自分は忍耐強いと自負しております。

●回答ポイント

うまく伝えきれていないのは、私の説明不足だというのも、うまいかわし方です。売り要素が実はないという点は絶対に認めず、でも真向から反論しないという流れが基本となります。

 

■同じようなアピールを何度も繰り返していますが、ほかに売りはないのですか?

●人事の本音

すでに伝えた売りとその他の売りを連動させる。具体的な回答方法ですが、例えば先にアピールした内容が行動力だとしましょう。そして、新たにアピールする売り要素を粘り強さとします。この場合、新規開拓=行動力から契約交渉・締結=粘り強さまでの営業における一連の流れに関連づけて話すのです。

●回答例

確かに、私の一番の長所である実行力を繰り返しアピールしすぎてしまいました。大変、失礼いたしました。私のもう一つの売りは周りへの気配りに長けているという点です。前職の営業では先ほどの実行力を発揮して目標数字を確実にクリアしてきましたが、一方で目先の数字を追いすぎるがあまりに、強引に契約を追ってしまうことがありクレームになることもありました。このやり方では瞬間的な数字は上がるのですが、リピートにはつながらず、かえって信用を落とすことなります。そこで私はお客様の本当のニーズをくみ取るために、ちょっとしたお客様の所作でも見逃さないように励みました。この取り組みにより、徐々にですが、お客様の真の気持ちをくみ取れるようになり、以前よりも良好な関係が築けるようになりました。そしてその結果、お客様からのご紹介案件が、前年度比で2倍に増えたのです。

●回答ポイント

一番の売りと新たな売り要素を連動させてアピールすることで、応募者の能力の高さが伝わってきます。まったく別個の新しい売り要素をアピールすることによりも訴求力の高い回答になります。

 

■自己都合で退職されたとのことですが、要はあなたのわがままということですよね?

●人事の本音

冷静に切り返せるかどうかについて見られているだけと考え、YES~BUT法をベースにした回答です。正面から否定することなく、あらためて自己都合退職の理由について説明する。回答方法ですが、確かに~とまずは指摘を受け入れます。その後、自分から辞めざるを得なかった事情について詳細に説明します。前職のことを中傷することなく、それならば、仕方がないと人事が納得できる内容を語れるかどうかが勝負です。そして最後に回答例のように過去と決別して新天地の御社で頑張りたい的な未来志向で締めておくとよいでしょう。

●回答例

確かに、わがままと言われても仕方がない部分もあるかと思います。しかし私なりの事情がありましたので、あらためて前職の退職についてご説明させていただきます。前職での直属の上司は徹底的な合理主義でそれ自体は非常に素晴らしく、営業実績も社内トップクラスでした。ただ私は、顧客と時間をかけて信頼関係を築いた上で売上が創っていくというやり方を得意としておりまして。正直、合理的とは少し違う方針なのですが、それでも一定の数字はあげ続けていました。方針は違えど数字を出していれば問題ない、と私は考えていたのですが、上司からするとそうではないらしく。ついには、昨年末より急に、突き上げが厳しくなっていったのです。御社の営業は、顧客との信頼関係構築を最優先にした方針だと聞いております。そして私も、どうせ営業を重視してきたい。そのような想いで、自ら退職をさせていただいた次第です。

●回答ポイント

要因となった前の上司を責めるようなことはせず、あくまで顧客重視の営業スタイルで仕事をしたいからという想いのみを前面に出しています。この回答なら、わがままからの自己都合第職だとは思われないでしょう。

 

■前職を退職してから半年以上っも経過していますが、何していたのですか?

●人事の本音

回答方法としては面接落ちが続いたとしても隠さずにその事実を伝えましょう。ただし、落選要因の分析と反省にきちんと触れておくことが大切です。その上で、御社で頑張る機会をくださいという旨を伝える。また資格の勉強をしていたなど前向きに進んでいる旨を伝える。

●回答例

確かに、そう思われても仕方がないことだと思います。事実、前職を退社してから半年以上経っても次がなかなか決まらず、苦戦していますので。転職活動を始めた当初はエージェントの反応も良く、オフォーも複数あったのですが、えり好みをしているうちにだんだんとオフォーをもらえなくなりまして。今考えると、早いタイミングで決めるべきだったと反省しています。いずれにせよ、これ以上失業期間が長くなることを望んでいませんので、御社で働くチャンスをいただければ、それこそ全身全霊で仕事に励むことをお約束いたします。それと最後に一つ補足させていただきますと、この半年間は転職活動の傍ら、次の職場では少しでも早く即戦力として働けるよう、〇〇についての勉強はかかさずに続けておりました。

●回答ポイント

指摘を受け止めた後に要因分析と反省を述べていますので、人事もブランクが空いたのはやむを得ないと納得してくれるはずです。そして御社で頑張りたいというアピールに加え、ブランク期間中の自己啓発活動についてもきちんと触れていることで非常に完成度の高い回答になっています。

 

■なぜこれまで、正社員にならなかったのですか?

●回答例

大学4年時、人並みに就活をしたつもりだったのですがことごとく落ちてしまいました。そこでなんとか、契約社員としてなら採用していただける会社を見つけ、そこへ入社いたしました。元々、私はクリエイティブとして採用してくださいました。ですので、入社から丸7年間、本当に楽しく仕事に打ち込むことができ、それなりに実績もあげてきたと自負しているのですが、残念ながら正社員登用への道は開けず。上司に聞いたところ、ここ10年以上契約社員から正社員登用に切り替えたことはないとのことでしたので、この度転職を決意した次第です。正社員で働くことは今までとは責任の重さが全く違うのでしょう。ただその分、新たなやりがいが感じられるのではないかとも思っています。御社への入社が叶いましたら、一刻も早く戦力として認められるよう仕事に励む所存です。

●回答ポイント

契約社員としてやってきた事実について、ごまかすことなく正直に語っています。その上で、仕事には余力で取り組んできたこと、また正社員として働くことに対する想いも述べることで、人事も納得してくれるでしょう。