あなた自身に関する質問への対策集

■自宅からここまで、どれくらいかかりましたか?

  • ●人事の本音
  • 通勤時間を辛いだけの無駄な時間として浪費して欲しくない。有効活用してほしい。かかった時間と経路を正確に伝える必要はあるのですが、その後に通勤時間を無駄にすることなく、いかに有効活用しているのかについて述べる。
  • ●回答例
  • 自宅からここまで約1時間30分です。経路ですが自宅の最寄り駅から市営地下鉄の〇〇駅に着いたという流れです。実は、前職の通勤でも同じ位の時間がかかってしまいましたが、この間の貴重な学習時間としてフル活用していました。具体的にいいますと、ビジネススキルを上げるため、中小企業診断士資格の勉強に充てていました。行きの電車ではインプットを中心に、帰りの電車ではアウトプットを中心に、往復の約3時間を勉強に使っていました。電車の中は一人ですし話しかけてくる人もいないので、よく集中できます。まだ合格は果たせていませんが、ビジネス全般についての理解もかなり深めることができています。御社への通勤時間についても同様に有効活用するつもりです。
  • ●回答ポイント
  • かかった時間と経路を述べた後に、その過ごし方について仕事に関連した内容を具体的に語ることで、有効活用していることを証明できます。電車という環境を活かしきっていることにも触れているため人事の納得感はいっそう高まることでしょう。

■自己紹介してください

  • ●人事の本音は?
  • 自己紹介は社会人としてできて当たり前。この質問は当たり前のことを、当たり前にきちんとできる人なのかどうかを見ている。よく見る勘違いとして私のセールポイントはなどと、自己PRを一方的にすること。人事の当たり前のことをして欲しいという意図から離れている。中途面接なので、仕事に関係のない趣味の話等は控える。つまりここはあなたの氏名や年齢といった個人情報の後にあなたの仕事のこと、キャリアについてシンプルに述べるが正解です。その程度の紹介でよい。延々と職歴の詳細まで触れるのはこの質問の趣旨と違ってきます。職歴の詳細はあとでしっかりと聞かれます。あくまで自己紹介ですから1分前後(1分は字数にして300字程度)に留めるべきです。ですから履歴書の職歴欄レベルの内容つまり時系列でいつどの会社に入社してどういった仕事をしていたか、いつ辞めたかについて軽く述べておく程度で大丈夫と思って下さい。
  • ●回答例
  • 改めまして、山田太郎と申します。年齢は、先月にちょうど30歳になりました。私の経歴ですが、大学卒業後の●年4月に地元の住宅メーカーである●(株)に新卒入社しました。ここで戸建ての住宅販売に約4年半携わった後、前職のリフォーム業を営む山田設備工業(株)に転職しました。ここではシステムキッチンやトイレといった住宅設備を販売していました。約3年間勤めましたが、私が所属していた営業所が閉鎖となったため、先月退職いたしました。この先も前職と同じリフォーム業界で働きたいと思い、同業界での転職を希望しております。簡単ですが自己紹介は以上になります。
  • ●回答ポイント
  • これは同業界への転職のケースです。セオリーどおり氏名・年齢といった個人情報を述べた後に職歴をかいつまんで述べます。

■自己PRしてください

  • ●人事の本音は?
  • 自分の1番の強みをアピールするだけではなダメ。人事の本音はあなたが当社で活躍できる人材かどうかという点のみ。つまり応募先企業職種に合わせた強みについて話さなければならない。それとは関係内容を話しても意味ない。また求める人物像に沿った強みをアピールするというのが正解。基本的にはアピール要素を1つに絞り、1点突破で自己PRを行った方が評価される可能性高いです(コミュニケーション力あり、リーダーシップあって、忍耐あるなど複数押しNG)。応募先が同業界・同職種で経験者優遇ならば今までの経験や実績を堂々とアピールすればよい。あるいは未経験者ならば長所や仕事への取組み姿勢、やる気といった入社したらうまくやっていけることを想像させる要素をアピールしてください。
  • ●回答例
  • 私の最大の強みは根気強さがあることです。前職の営業ではノルマ達成のために1日50件のテレアポと10件の新規訪問を自らに課し雨の日も雪の日も猛暑の日も黙々とこなしました。そして半年もの間、これを愚直に続けたことで商談が徐々に増えてきたのです。もちろん、せっかく苦労してたどり着いた商談ですので、慎重かつ丁寧に提案書や見積書を作って、仕様や金額ミスなどをなくすため、時間が許す限り何度も見直すようにしました。実は過去に一度、見積書の金額の誤りで大型案件を逃した苦い経験があります。そしてその過ちを素直に反省し次につなげられるよう自分ができる最大の改善策が徹底した見直しだったのです。このように私は地道な努力を重ねることができます。この根気強さこそが私の強みです。
  • ●回答ポイント
  • これは同じ営業職への転職へのケース。PRすべき実績が乏しい場合、短期間であっても実務経験を長所に絡めて、自身の人柄をポイントにするのが効果的です。そうすれば人事も入社後の活躍に期待してくれることでしょう。

 

■今までの経歴について説明してください

  • ●人事の本音
  • この質問は、経歴を全て話して欲しいや応募用件をクリアしているかチェックするためではなく、自社にとってどれくらい使える人材なのかともう1つ経歴書には書かれていないことも含めて、それなりに長くなるであろう経歴についていかにポイントを押さえて回答できるかという点です。つまりあなたのプレゼン能力を見極めたいとうのが人事の本音です。回答目安時間は3分です。内容はすべての経歴を淡々と述べるのではなく、学卒から現在までの職務経歴を時系列で話しつつも、応募先で売りになる経歴や実勢には想像の時間をかけるというメリハリをつけて話すやり方です。
  • ●回答例
  • 私は大学卒業後、システム開発会社2年勤務した後、●年〇月に先物取引業の●(株)へ転職しました。ここで5年半の間勤務し、金や先物取引商品などの金融商品の営業に携わり、関東支社内で大宮営業所に3年半、新宿営業所に4年おりました。営業対象は個人客が100%で法人客は一切扱っておりません。前職勤務において私が与えられた業務の大半が新規開拓営業でした。入社依頼ほぼ毎日約200本ものテレアポを行い、いわゆるガチャ切りやクレームなどにも全くめげない強い精神力を養えたこと、そして入社3年目の上期には金の販売実績において関東支社2位の実績を残すことができたことが大きな成果だと思っています。前職で培ったこれらの経験、そしてスキルをぜひ御社でも活かしていきたいです。
  • ●回答ポイント
  • 売りにつながらない前々職のシステム開発会社の経歴は端折り、前職の金融業界の話や勤務した企業情報についてもサラッと触れる程度にとどめております。その代わりに同じ営業でも業種に左右されない新規開拓という営業スタイルやテレアポの内容、営業実績についての説明にボリュームを確保しています。

 

■あなたの長所と短所を教えてください

●人事の本音

知りたいのは当社に役立つ強みを持っているかどうかです。そして短所についてはその短所を克服しようとする前向きさを感じさせてほしいことです。長所については応募先で活かせると想定される強みを選択し、発揮したシーンや周りからの評価などを述べて、ちゃんと備わっていることを明示します。短所についての注意点は、短所はないような言い方や短所は長所ですみたく言い換えることです。業務上悪影響が出るような内容は避け、言いっぱなしで終わるのではなくその短所を克服する努力を語って前向きにアピールする。

●回答例

私の長所は、少々のことでは動じない胆力があることです。一例を挙げますと、前職でのプロジェクトリーダー時にあるバグから損害賠償の話が持ち上がりました。上司は慌てふためいておりましたが、私は冷静に粛々と現状を把握し、現実的なあ解決策を考えた後、クライアントや関係者と調整・交渉するなどして無事難局を乗り越えた経験があります。シビアなプロジェクトを任され、幾度となくこのような修羅場をくぐり抜けてきたため、この強みを体得できたと思っています。一方短所は楽観的すぎる点です。良い面もあるのですが、これが災いしてつい見通しが甘くなり期限間近になってバタバタするときがあります。そのため、今は計画性を持って早め早めの行動をすることを常に意識するように心掛けています。

●回答ポイント

これは前職と同じSEへの転職ケース。応募先にマッチするであろう強みを選択し具体的なエピソードを添えることで、この強みが備わっていることを証明できています。一方短所は、短所克服のフォローを入れて前向きさをアピールしつつもボリュームを控え目にしています。

 

■あなたのキャリアビジョンについて教えてください

●人事の本音

将来どうなっていたいか?仕事における先の見通しについて問われる質問です。よろしくないのはいずれは管理職になりたいといったポジションの話に終始するパターン。人事はもっと短期的視点の話で当社に入社してから数年の間にどのような仕事をこなすことができ、どのような貢献を見せてくれるのかという範囲でのキャリアビジョンです。そのうえで将来的なポジションについて話すのはよい。具体的な回答方法として2段階に分けて話すとよい。まず1段階目として入社して3年目位までの自身の仕事における展望をできるだけ具体的に語り、2段階目として多少甘目でもよいので管理職に就きたいといった将来的なポジションについての話をして終わります。

●回答例

前職では月次、四半期、半期の締め、そして通常の決算を経験しましたが、御社も前職と同じ締めのタイミングとのことですからきっと最初の1年をうまく乗り切れば次年度以降はスムーズに対応できると思っています。よく決算を最低3回は経験しないとその会社の経理はわからないと言いますから、入社後の3年間は目の前の業務に真摯に向き合い、決算を含めた御社の経理スキルをしっかりと身に着け、できるだけ早く御社の経理の詳細まで理解できるようになりたいと思っています。そして経理全体が見えるようになりましたら、できるだけ早く管理的ポジションに着きたいと思います。その先は、御社の財務戦略を企画・立案したり、金融機関との融資交渉ができるような経理・財務部門における高度人材になる所存です。

●回答例

前職と同じ経理職への転職ケース。同職種への転職ということもあり、入社後3年間における取組みについて、具体的に語ることができています。そしてその後についてはより高い順位と高度人材を目指すとありますが、1段目の話があるため多少曖昧さがあっても許されるでしょう。

 

■今、あなたが1番感心を持っていることは何ですか?

●人事の本音

テーマはなんでもよいが、避けるべきは御社の商品についてなどです。これは1夜付けの知識で対抗しても意味ない。またニッチな趣味もダメ。正解は時事問題に対する問題意識の高さを感じさせるようなテーマです。時事問題の選択は志望動機や転職理由に関連づけやすい応募業界に関連したニュースを選択しておきましょう。回答方法は最初にテーマを述べそれについての知識うんちくを披露します。その後に自分の意見や考えを述べますが、評論家のような第三者目線での話に終始はダメ。自分の状況と照らして決して他人事ではないと説得力をもたせる。

●回答例

私が今感心を持っていることは、非正規雇用の増加問題についてです。特に私と同じ世代の中高年フリーターが増加していることを憂慮しています。某シンクタンクの調査によると2000年から増加の一途をたどり、今や35歳から54歳までの非正規の数は、273万人にもおよぶそうです。人材不足が叫ばれている昨今でもこういった中高年は会社側の採用したい人物像とのミスマッチがあるため、今からでは正社員になるのが難しいのが実情です。微力ながらもこういった問題を解決するために早い段階からしっかりと考える力をもらいたいと思い、教育業界への転職を考えた次第です。

●回答ポイント

未経験の教育業界への転職ケース。その企業ではなく業界に関連したニュースを選択していきます。前半では自分と同じ世代特有の問題を選択し、数字や引用を使って知識を公開することで、問題意識の高さを示しています。そして後半においてこのテーマと自身の転職理由をリンクさせることで説得力が向上し問題意識の高さを補完できていると言えるでしょう。

 

■あなたにとって仕事とは何ですか?

●人事の本音

仕事とプライベート、どちらを重視するかという意図だけではありません。将来どのような姿勢で仕事をしてどのような人材になっていたいのか。それに向けての今後の仕事への取組みは?という趣旨の回答をした方が間違いなく効果的です。回答方法は、最初に今までの仕事をしてきた経験に基づく、あなたの仕事観を述べます。仕事命のような行き過ぎた話はNG.そして仕事観を補足する背景やエピソードを語った上で、最後にあなたが描く仕事での自身の将来像を話して締める。

●回答例

私にとって仕事は、自分を成長させてくれるものだと考えています。今年で社会人になって5年目になりましたが、1人で完遂できない仕事や自信を持って臨むことのできない仕事もまだまだ多く、もっと成長しないとと思っています。今までを振り返ると叱られてばかりの新人時代は本当につらく何度も辞めようと思いましたが、歯を食いしばって頑張りました。当時は憎たらしく思った先輩、上司ですが、あの時厳しく始動されたからこそ今の自分があると思っています。だからいずれは当時の先輩や上司のような部下や後輩を厳しく育成指導できるような人材になりたい。そのためには実務経験やスキルを積み上げるだけでなく、自身の人間力も磨かねばと自分を奮い立たせています。

●回答ポイント

こっれば若手社員の転職ケース。理想論的な仕事観であっても過去の経歴でしっかりと裏付けることができています。そして、過去の経験がそのまま将来目指す姿にもつながっているため、人事も納得の回答でしょう。

 

■仕事上での成功体験を何か1つ教えて下さい。

●人事の本音

成功の規模ではなく、成功に至るまでの課程と努力。そしてその成功で得たことを話すことで、人事に当社でも活躍できそうな人だと、感じてもらえるかどうか。そこが勝負所になります。単なる実績自慢退会になってしまうことだけは絶対に避けるようにしてください。たまたまの成果よりコツコツと継続してえた結果をテーマして選ぶ。具体的な回答方法ですが自らが主体的にかかわった成功体験を選びます。自分なりのマニュアルを作ったが周りにも好評で皆が使うようになった的な小さな話でも構いません。成功には必ず、何らかの要因があるでしょう。だから、どのような努力を積み重ねてきたのかという過程の話、そしてその成功から得たものは何かという話。この2つの要素を盛り込む。

●回答例

私の成功体験は現職での営業実績になります。MVPとか社長賞とかそういった誇るべき輝かしい実績はありませんが、この5年間のすべての年度において目標数字を100%達成していることが、私の貴重な成功体験デす。目標数字は前年度の実績をベースにしていますので、達成すると毎年ハードルがドンドン高くなっていくのですが、何とか無事クリアしていきました。1番の成功要因は先輩や上司の教えてもらったことを実直に継続したことにあります。やみくもに見込み客をさがすのではなく、お客様に次を紹介してもらえるようにすることとの指導内容を最優先に考え、いろいろと創意工夫して地道に営業していたら、今やお客様がお客様を生む好循環になっています。このような実績が残せるようになったのも、周りからの指導やフォローのおかげだと感謝しています。御社でもこの経験を活かし、頑張っていく所存です。

●回答ポイント

選んだテーマは地味のようですが、地道に努力を継続した点がこの成功体験につながっていることをうまく説明できています。そして最後に回りへの感謝を添えることで転職後もうまくやっていける人柄であることを感じさせています。

 

■仕事上での失敗体験を教えて下さい

●人事の本音

失敗内容自体よりもあなたが失敗から一体何を学んだのかという点です。加えて学んだことをベースに何を実践しているのかについても聞かせて欲しい点です。回答方法として誤解のないよう失敗事例の背景や要因についての詳細をしっかりと述べておきましょう。続いて、その失敗から何を学んだのか、そしてその後、失敗経験から得たものを実務でどのように活かし何を実践しているのかについて語る。

●回答例

前職での話なのですが、ある大手企業から商談をいただきまして。そこで今後の取引も期待して通常よりも割り引いて見積もったのですが、見積もり提出後に上司が承認した割引率よりもさらに大きな割引率であったことに気づいたのです。結局、見積もりどおりの金額で納品することになり、この時私は会社にも上司にも詫びて回りました。この件で、上司は私の管理責任を問われ、社長に厳しく怒られたそうです。この苦い経験を通じて自身の業務上の失敗は私だけの範囲に収まらずに、関係する方々にも多大なご迷惑がかかることを痛感しました。その後、見積もり提出前には必ず自身で2度のチェックを行い上司にも再確認して頂くようにするなだして以後このような失敗がないよう気を引き締めて仕事に取り組んでいます。

●回答ポイント

同じ営業職への転職ケース。失敗要因を他人に転嫁せず真摯に反省している点、さらには失敗から学んだこと、そして以後んお具体的な再発防止策も伝えることができているので、人事も納得の回答なっています。

 

■これまでに何か壁にぶつかったことはありますか?

●人事の本音

その壁をどう乗り越えてその経験が何に活かされているのかという話であり当社でも活躍してくれるだろうという期待感を持ってもれえればよい。目安は3年以内の仕事の話にする。プライベートの内容は避ける。具体的な回答内容ですが、上司に辞めさせられそうになったことや先輩と激しく衝突したなどの対人関係のもつれから発生した壁を選ぶことをお勧めされる。

●回答例

あえて1つ挙げるなら、2年前にクビにされそうになったこと、これが最も大きな壁だったと思います。入社3年目からようやく独り立ちすることになったのですが、周りが着実に数字を伸ばす中で私だけが業績が振るわず大いに悩みました。当時の上司からもお前はこの仕事に向いてない。違う道を探したらどうだ?と退職を迫られたくらいです。そこで私は、とにかく地道に積み重ねて行くしかないと訪問件数やテレアポを倍、毎日100件を目標に種まきをしました。この時期は訪問先で水をまかれたり、テレアポではガチャ切りの連続で、非常につらい時期だったと記憶しています。しかし、開始後2か月を経過した時点から徐々に商談が増えてきました。更にはアプローチの物量に基づき何度も見直したプレゼン資料を駆使することで今では伸長率部門で2年連続表彰を受けるなど誇れる実績を残せるまでに至っています。

●回答ポイント

同じ営業職への転職ケース。仕事上での壁にぶつかり、それをどう乗り越えたが具体的にわかりやすい内容になっています。加えて当社でも活躍してくれそうだという期待感を抱かせる締めにもなっています。

 

■リーダーシップが発揮できた、と実感した経験はありますか?

●人事の本音

人事はあなたが組織の中でどのような役割を担うタイプなのかという点です。それを見極めるためにあえてこの質問をしている。実際にリーダーをしていたなら周りのサポートあって頑張れたなどとする。実際になかった場合はその他の役割・縁の下の力持ち的な役割を果たしていた、参謀役など何かしら組織に貢献していた旨を述べる。

●回答例

残念ながら、そのような経験はありません。その代わり、組織陣営がうまく回るように潤滑油的な存在として活躍したことがあります。昨年、前職で生涯性向上プロジェクトが発足し、私は所属する課の若手代表として参画しました。ところが年齢層も担当業務もバラバラということもあり定例の会議ではそれぞれが言いたいことを口にするだけで、意見がまとまりません。そこで私は毎回これではやっている意味がないと思いそれぞれの意見を自分なりにまとめ共通点と対立点を明確にした資料を配ったのです。これがカギとなりその後は私が議事録兼課題提案書を作成することになりました。そしてこの資料のおかげで議論がぶれることも少なくなり、最終的には会社への提言書がうまく仕上がり、当該プロジェクトは無事解散となります。私にはこのような役割が合っているのだと自覚しています。そして御社でも組織の潤滑油的な立場から少しでもお役に立てればと思っています。

●回答ポイント

無いだけで終わらずに自身の本来持つ役割の話にうまく転換しています。自分の担った役割と堂々と語るのは非常に効果的です。

 

■あなたは周りからどのような人だと言われますか?

●人事の本音

自己PRの内容と矛盾しないよう一貫性をもってこの話をしましょう。いい加減さが露見しないよう注意しましょう。回答方法は自己紹介・PRで語った内容を補足する内容がベスト。第三者からこう評価されているだけでは終わらせずに回答例のようにその評価を客観的にどう受け止めどう分析しているかまできちんと説明した上で事前に語った内容と絡めて語っておくことが大切です。

●回答例

周りの人からはよく石橋を叩いて渡るような慎重な人だと言われています。私は何事においても無鉄砲で無計画に取り組むことができません。まず自分なりにしっかりとアクションプランを考えた上でどうやったら効率的に早くゴールにたどり着くことができるか考えてから動きます。周りの友人・知人は若いせいか勢いやノリでとりあえずやってみるとタイプが多いのですが、私はそういった雰囲気に流されずにどちらかというと我が道をいくタイプです。この気質のせいで付き合いが悪いと言われることもありますが、一方で先ほどおはなしした、少々のことでは動じない冷静沈着さもあります。だから周りから意見を求められたり相談に乗ってくれと依頼されることが多くあり頼りにされているという側面もあります。

●回答ポイント

他人評価を言い切って終わりではなく、そのプラス・マイナス両面を説明しつつも、最後に先に伝えた冷静沈着さという自己紹介内容としっかり連動しています。主義主張に一貫性があることをPRできていると言えるでしょう。

 

■苦手な人、合わない人とはどのように接していますか?

●人事の本音

正直に接しない・ストレスたまるなどの内容はNG。この質問で人事は仕事において好き嫌いは関係ない。働く上で支障となるような感情の浮き沈みに影響されないプロ意識の高さを感じさせて欲しいと思っているのです。具体的な回答方法はそういった人とどうように向き合っているのかという前向きな対処方法と苦手意識をどう克服しようとしているかという克服努力の2つについて具体的なエピソードや実体験を用いて説明する。

●回答例

私は苦手な方、合わない方であっても、自分から積極的に挨拶したり話しかけたりして相手の懐に飛び込むようにしています。他人は自分を映す鏡と言いますし、自分が相手にしっかりと向き合わずに相手を斜めに見ていると私も相手からそのように見られてしまいます。だからまず自らが襟袖を開いて相手と真摯に接することが大切だと思うのです。プライベートでしたら好き嫌いで判断しても良いかもしれませんが、お金をいただいて仕事をしなければならない厳しいビジネスの世界において、好き嫌いを言ってそれに左右されるのは全く意味のないことです。そんなことを言っていてはいつまでたっても真のプロフェッショナルにはなれないと私は思います。

●回答ポイント

自らの行動内容を格言を用いて自分の姿勢を語ることで、逃げない覚悟を感じさせることに成功しています。また最後にはプロ意識の高さが垣間見れて、面接官も評価できるでしょう。

 

■上司と意見がぶつかったらあなたどうしますか?

●人事の本音

自分の意見を主張するか、上司の意見に従うか、どちらかという面接では後者が正解。新たな人材を入れることは上司の意見を素直に受け止められる姿勢が欲しい。また自ら考え行動する力もPRする。具体的な回答方法はまずは上司の意見にきちんと従うという姿勢をアピールしてその上で意見をさせていただくとしたら、こうするという話をいかに角を立てずにやんわりと諭しつつ自己主張するのかという点を強調しながら展開してください。素直さ従順さはもちろんあるがそれだけではなく必要に応して自ら考え行動することも示してください。

●回答例

上司と意見が相反した場合、まずは上司の意見をしっかりと聞き入れるようにしその趣旨を理解することに専念したいと思います。そうすれば、実は根底は同じだったり、違いは仔細だっだりといった部分が明らかになることもあるからです。それでも見えてこない場合は、私との違いをきちんと伝えていく必要があると考えます。仕事ですので、上司は現場全然わかっていないといった不信感、違和感を裏で愚痴るのでしたら、同じチームの一員として正々堂々と伝えることの方が大切だと私は考えます。前職でも、あるプロジェクトの進め方について、上司と大きな食い違いがあったため、私は提案ベースで自分なりの意見を申し上げ詳細なレポートを作成するなどして地道に交渉しました。その結果、分かった。お前がそこまで考えているのならばそうしようと私の意見を取り入れていただけた経験があります。

●回答ポイント

まずは上司の意見を受け入れる姿勢があることを伝えた上で、自分の意見をきちんと伝えることの大切さに触れています。上司と交渉した経験も具体的にあり、自ら考え行動する力がある点もPRできています。

 

■オフタイムの過ごし方について教えて下さい

●人事の本音

この質問に関して人事は深い意味はない。スポーツや自己啓発は他の面接者も言う可能性があるため普通の趣味でもよい。オフタイムにその趣味を楽しむことが普段の仕事に対してどのような好影響を与えているのかまで、必ず補足するようにして下さい。それによりあなたの仕事に対する真摯な姿勢を必ず感じ取ってもらえます。

●回答例

オフタイムは読書をして過ごすことが多いです。私はミステリー小説が大好きで古くは江戸川乱歩から今なら東野敬語に至るまで、日本の作家を中心に片っ端から読み漁ってます。今までに読んだミステリー小説は600冊を超えているくらいです。事件解決のヒントをつかむため、それこそ何度も同じ個所を読み返すなどして推理を楽しんでいます。平日は仕事がありますから、あまり読書はできません。そのかわりに休日には仕事を忘れて、しっかりと読書に向きあうことにしています。それが私にとってのストレス解消法であり仕事に集中するための原動力になっています。

●回答ポイント

読書という平凡な趣味であってお構いません。胸を張って、語ってください。その上で最後に仕事にも好影響をあたえている。という点を伝えられるかどうか。そこが勝負所となります。

 

■仕事とプライベートあなたはどちらを優先しますか?

●人事の本音

採用面接である以上正解は仕事>プライベート路線です。仕事に対する熱い思いと姿勢を人事に感じ取ってほしい。理想論に走らず熱い思いと姿勢をアピールするには実体験から得た教訓を話すのが効果的。例えばこんな失敗した→その失敗があったからこそ得た教訓があり、今の仕事観があるのような流れ。最後に〇〇でガス抜きしていると締めるのもよい。

●回答例

仕事を優先します。というのも、仕事は生活の基礎でありそもそも仕事を失ってしまったら、私の生活が成り立たなくなるからです。仕事は自分を成長させてくれるものだと考えています。新人時代は仕事に慣れないせいでミスを連発してしまい先輩に怒られてばかりでしたがその後に後輩が入社し自身が上の立場になって初めて先輩の指導やその仕事のありがたさを実感できるようになりました。もちろんプライベートを優先したい時もありますが、たいていのことは事前に調整できたり、後からフォローできると思っています。なお週末は仲間と趣味のフットサルを楽しみいい汗をかいています。このおかげで心身ともにリフレッシュできており週明けの仕事に集中できています。

●回答ポイント

実体験に基づきながら自身の仕事観を展開することで納得感を高めています。プライベートを優先したい時の対処法にも触れ、さらには趣味の話を出すことで、仕事一遍の人間でないことをうまくフォローできています。

 

■今回の転職に関してご家族や周りの人は何か言っていますか?

●人事の本音

この質問は家族の反対により最悪の展開にならないよね?という念押しであり、仕事を円滑進めていく上で絶対に必要な根回し方の有無を確認する意図がある。回答方法はここはとにかく両親はお前のやりたいようにやれと背中を押しているなど周りからの理解承認をきちんと得ている旨を語る。

●回答例

私は結婚して3年目になるのですが、前々から妻には転職の件をきちんと伝えてあります。当初妻は、自分の想いはいいけれども生活のことを考えると今の仕事のままの方がよいのではないかと言っていました。でも以前から私には職人になりたいという夢があることを知っていましたので、しぶしぶかもしれませんが、承諾してくれています。この転職により、まったく未経験からのスタートになります。だから給料が下がるのは覚悟していますし、妻も子供やマイホームを持つのは先にしましょうと言ってくれています。このような家族の応援を無下にしないように御社に入社できましたら、全力で仕事に打ち込む覚悟でおります。

●回答ポイント

未経験の建築業界への転職ケース。きちんとキーパーソンに根回しをしてあることが分かります。また最後の決意表明から入社後の頑張りも期待できますので、面接官も安心して内定をだすことができます。

 

■在職中とのことですが、本日の面接の時間はどのように確保しましたか?

●人事の本音

人事が見たいのは周りには一切迷惑をかけないという気配り力(根回し力)の有無です。面接も全力だが可能な限り周りに迷惑をかけたくない。という意思も見せる。また面接終了後の、現職への取組みにまで言及する。

●回答例

はい、本日の面接は午後2時スタートでしたので、午前中はきちんと仕事をして午後は半休を取得しここに参りました。面接スケジュール案をいただいたのですが、ちょうど1週間前でしたので、すぐさま上司や同僚に所用で休みたい旨を伝えて了承をいただき今日の午後は半日休むことを前提にして仕事を進めてきています。納品や見積もり提出も今日をはずして明日以降で大丈夫なように調整済みです。このように業務上支障が出ないように万全を期してこの面接の臨んだ次第です。なおこの面接終了後には、会社に私宛の電話等がないかを確認してもし緊急の業務があれば帰社して業務に戻るつもりです。

●回答ポイント

周りには一切迷惑をかけないという徹底した姿勢が感じられる回答になっています。また面接終了後の業務予定まで話す人は滅多にいませんが、プラスアルファの好印象を与えるかもしれません。