物の流れと比率

<ポイント>

人や物の流れを数式で表す問題です。
中学や高校で勉強しない分野であること
数式に多くの記号が使われること
・・・などから難しそうな問題のように見えるのですが・・・(ノ∀`;)

しかし実は、ルートを列挙することで、誰でも簡単に解くことができます!

  • 基本の図と数式を覚えておこう!
  • スタート地点からゴール地点までのルートを全て列挙しよう!

【基本ルール】(どの問題でも最初に説明されます。)

下図は、X会場にいる人のうちpの割合がY会場に進むことを表している。

このとき、X会場にいる人を「X」、Y会場にいる人を「Y」とすると、「Y = pX」の数式が成り立つ。

下図は、X会場にいる人のうちpの割合がZ会場に進み、Y会場にいる人のうちqの割合がZ会場に進むことを表している。

このとき、「Z = pX + qY」の数式が成り立つ。

下図は、X会場にいる人のうちpの割合がY会場に進み、さらにそのうちのqの割合がZ会場に進むことを表している。

このとき、「Z = qY」の数式が成り立つ。
また、「Z = q(pX) = pqX」とも表せる。

なお、これらの数式には次のような一般の演算が成り立つ。

(p + q)X = pX + qX
r(p + q)X = prX + qrX


「物の流れと比率」が出題される場合、上記のような「基本ルール」が示されます。
この基本ルールはどの問題でも変わらないので、あらかじめ覚えておきましょう。

 

<基本問題>

次の図は、W会場とX会場からZ会場に進んだ人を表したものである。
(基本ルールは省略します。)

次のうち、正しい数式はどれか。

  1. Z = pW + qrX
  2. Z = pW + rY
  3. Z = pW + (q + r)X
A→D.アとイの両方

スタート地点(W、X)からゴール地点(Z)までのルートを全て列挙する。

ルート1:pW
ルート2:qrX
これらのルートの和が「Z」を表す正しい数式である。
それでは、選択肢の数式を確認していこう。

Z = pW + qrX → 正しい。

「pW + qrX」は、ルート1「pW」とルート2「qrX」の和となっている。

Z = pW + rY → 正しい。

「rY = r(qX) = qrX」である。
よって、「pW + rY」は、ルート1「pW」とルート2「qrX」の和となっている。

Z = pW + (q + r)X → 正しくない。

「pW + (q + r)X」は、ルート1「pW」は正しく表しているが、ルート2を表す数式が誤っている。ルート2は「qrX」である。

よって、正しい数式はアとイの両方である。

 


 

次の図は、S会場とT会場とV会場とX会場からZ会場に進んだ人を表したものである。
(基本ルールは省略します。)

次のうち、正しい数式はどれか。

  1. Z = lnpS + opV + qrX
  2. Z = p(nU + oV) + rY
  3. Z = pW + (q + r)X

A→B.イだけ

ルート1:lnpS
ルート2:mnpT
ルート3:opV
ルート4:qrX
これらのルートの和が「Z」を表す正しい数式である。
それでは、選択肢の数式を確認していこう。

Z = lnpS + opV + qrX → 正しくない。

lnpS → ルート1
opV → ルート3
qrX → ルート4
よって、ルート2を表す数式がないため、正しくない。

Z = pW + rY → 正しい。

pW = p(nU + oV)
= npU + opV
= np(lS + mT) + opV
= lnpS + mnpT + opV → ルート1 + ルート2 + ルート3
rY = r(qX) = qrX → ルート4
よって、全てのルートを正しく表している。

Z = pW + (q + r)X → 正しくない。

pW = p(nU + oV)
= npU + opV
= np(lS + mT) + opV
= lnpS + mnpT + opV → ルート1 + ルート2 + ルート3
(q + r)X → 誤り。ルート4は「qrX」
よって、ルート4を表す数式が誤っているため、正しくない。

したがって、正しい数式はイだけである。


なお、この解説では分かりやすさを重視しているため、イ、ウの数式を展開しているが、本試験ではこのような時間はない。
数式を展開しなくても、「全てのルートをもれなく表しているかどうか」を判断できるようにしておきたい。