株式用語集<タ行・ナ行・ハ行>

<タ行>

 

タコ配

…「タコ配」とは、業績を伴っていなのに、無理をして配当を出すことです。タコがおなかがすいたとき、それを満たすため自分の足を食べることからのたとえです。

立会外分売(たちあいがいぶんばい)

…「立会外分売」とは、売買立会外(市場を通さない)で、大量の売注文を分売する売買方法です。企業の個人株主の増大を図るための方策として広く利用されています。分売実施日前営業日の売買立会終了後に条件や値段が発表されます。

分売実施日の立会前までに買い注文受け、取引所が売買を成立させます。希望者が多い場合は抽選となります。立会外分売の利点は、購入手数料が無料であること、分売実施日の前営業日終値よりも数%安く購入することができることです。

単元株(たんげんかぶ)

…「単元株」とは、株取引をするときに必要な最低購入単位数です。原則として1単元が100株の場合は100株単位でしか取引できません。(ミニ株・るいとうを除く)

調整(ちょうせい)

…「調整」とは、それまで動いていた方向とは、逆方向へ動くことをいいます。相場の一服です。

直接金融(ちょくせつきんゆう)

…「直接金融」とは、株式や債券になどを発行している企業に対して、個人などの投資家が直接投資をして、配当や利子をもらう仕組みのことを言います。リスクは投資家自身が直接追うことになります。 ⇔ 間接金融

デイトレード

…「デイトレード」とは、短期(特に1日以内、2、3分で売買することもある)で取引することです。会社のよしあしではなく、その時の相場の動きがもっとも重要視されます。

手仕舞い(てじまい)

…「手仕舞い」とは、信用取引において証券会社から借りている株券や資金を返済することをいいます。信用取引の売買関係を終わらせることです。

デスクロージャー〔ディスクロージャー〕

…「デスクロージャー」とは、会社の経営内容など、会社の内部情報を積極的におおやけに公表することです。最近、重要性が高まってきており、耳にすることが増えてきました。

特定口座(とくていこうざ)

…「特定口座」とは、証券会社に作る口座の一つです。株売買などによって利益が出た場合、通常は自分で確定申告を行わなければなりませんが、それを証券会社が行うことになります。特定口座ではなく一般口座を選択した場合は、自分で確定申告を行わなければなりません。特定口座にすることをおすすめします。

ドルコスト平均法

…株などを積み立てるときに、「一定金額」ずつ買っていく投資方法です。例えば、積立投資信託で毎月同額ずつ買った場合、株価が下がっている時は多くの株を買うことができ、株価が上がっている時は株数を抑えることができます。一定株数ずつ買っていく方法に対して、平均取得価格が安くなります。

ドレッシング買い

→ お化粧買いと同じ意味です。

 

<タ行>

 

名寄せ(なよせ)

名寄せ』とは、名義を寄せるということです。
ペイオフ関係で、具体的な例をあげてみます。

「仮に、山田太郎君(仮名)がいるとします。彼はA銀行のB支店に自分名義で400万円預金(普通預金)していました。また、A銀行のC支店にも自分名義で700万円預金(定期預金)していました。両方を合計して1,100万円の預金があります(…金持ちですねぇ)。しかし不幸なことにA銀行はつぶれてしまいました。太郎君は、資産を分けて預けていたので安心だと思っていました。しかし名寄せを知らなかったために、1,100万円(預かり資産)-1,000万円(補償額)=100万円は保証されませんでした…。」(100万円がすべてなくなるというわけではありませんが、確実な補償がないということです。)…ここで問題なのは、①山田君は、「1つの口座に1,000万円以上預けていないし、同じ銀行でも別々の支店(A・B)にあずけてあるから大丈夫」と安心していたこと、②「預け方が違う(普通預金・定期預金)から」と安心していたことです。名寄せは、同じ系列の金融機関で同一の名義であれば、すべて一緒に扱われてしまうのです。銀行同士が合併した際にも同じことがいえますので、十分注意してください。

ナンピン買い

…「ナンピン買い」とは、保有している株価が下がったときに、さらに買い増しをして取得平均価格を下げることです。

具体的な例を挙げますと、まず株価1,000円の株を100株持っていたとします。その株が800円まで下がりました。ここで100株購入するのです。そうすると買った株は合計で200株となり、平均取得価格が900円(1,000円+800円=1,800円 1,800円÷2)となります。株数は200株と増えますが、平均取得価格を下げることができます。

日銀短観(にちぎんたんかん)

…「日銀短観」とは、行が発表する企業期経済測調査の略です。1年に4回発表があります。内容は、日本銀行が直接企業に対して、景気についての調査をするものです。企業が今後の業績見通しなどについて答えた結果なので、株価に与える影響は大きいです。

日本版ISA〔NISA〕

…「NISA(ニーサ)」とは、株式投資や投資信託などにおいて、値上がり益や配当金を非課税にする制度」です。これを使うことによって、税金面で大きなメリットが受けられます。≒少額非課税制度

ネット銀行

…「ネット銀行」とは、インターネット専業銀行のことです。店舗を持たないため、一般的な銀行と比べると人件費の削減ができるため、金利が高く手数料が安いのが特徴です。

 

 

<ハ行>

配当性向(はいとうせいこう)

…「配当性向」とは、当期利益(その期の利益)からどれだけ配当金に回されたかをパーセンテージ(%)で示したものです。配当性向100%であれば、利益のすべてを株主に還元していることになります。公式としては (総配当金/当期利益)×100で表されます。

販売管理費(はんばいかんりひ)

…「販売管理費」とは、営業マンの給料や広告宣伝費など営業活動に深い関係を持つ経費(販売費)と、役員や事務職員の人件費や家賃など、販売には直接関係がない経費(一般管理費)を合わせたモノを指します。単に、「販管費(はんかんひ)」と省略されることもあります。

ブックビルディング方式

…「ブックビルディング方式」とは、株式の新規公開(IPO)の際に、決められた方法に基づいて、株式の公開価格を決定することです。

浮動株(ふどうかぶ)

…「浮動株」とは、安定した株主が保有しているのではなく、株式市場で流通している株のことです。浮動株が少ない銘柄は、株価の乱高下が起こりやすくなり、浮動株が多い銘柄は、買収の対象になりやすい。四季報などに載っている『浮動株比率』というのは、浮動株÷発行済み株式数で算出できます。

ペイオフ解禁

最近「ペイオフ」という言葉をよく耳にされると思います。簡単に説明をしますと、ペイオフというのは、銀行がつぶれたときの処理方法のことです(注:ここではわかりやすくするため金融機関の総称を銀行とします)。特に預金者への影響はかなり大きいです。2005年4月より、ペイオフ解禁となり、自分が預けている銀行がつぶれた場合は、1,000万円とその利息までしか原則戻ってきません。

なぜ、こういうことがおこなわれたのでしょうか?

…実はこれまでは、銀行がつぶれたとしても、国の大きなバックアップがありました(銀行の借金を税金でまかなう)。そのおかげもあって、その銀行の預金(主に普通預金)は国に守られてきました。

しかし、これまで国がつぶれた銀行をカバーし続け、その結果国の赤字がドンドン大きくふくらんでしまったのです。『さすがにこのままではいけないぞ!』という理由でペイオフ解禁へとなったわけです。簡単にいえば、子(銀行)が親(国)のスネをかじり続けて、親の方も苦しくなり、なんともならなくなったわけです。

このように、ペイオフを解禁したことによって、銀行側も甘えを捨て、本腰を入れて経営の立て直しをせざるを得なくなりました。もちろん、国の全額補償が無くなるのですから、銀行選びは国民の責任となります。…かといって、突然、国民の責任といわれても困りますよね…。いったい、どうすれば安全な預金ができるでしょうか?次に対処法を考えてみます。

まず、ペイオフの対処法としては、これが挙げられます。預けかえをして、1つの銀行に1,000万円以上の普通預金・定期預金をしないことです。これで元本とその利息は保証されます。(同じ名前で複数の口座を作ってもダメです。名寄せといわれる手段で名義が寄せられてしまいます。【→名寄せ】)。

しかし、これだけでは安心できません。特に注意をしなければならないのは、『私は1ヶ所に1,000万円も預けてないから関係ないよ、それに1,000万円もお金もってないから大丈夫。』と安心している方です。

勘違いしやすいのは、もし銀行がつぶれてしまった場合に、預金を下ろそうと思っても、「いきなり預金を全額をおろせるわけではありません。」ということです。銀行がつぶれた場合には、次のような規制がかかります。

①預金口座が凍結され、自由にお金の出し入れができなくなります。

②最高60万円までしか仮払金として引き出せません。

③入金もできないので、ガスや電気の引き落とし、カード払いの決済ができなくなります。

これを避ける為に一番大事になってくるのは、やはりつぶれない信頼のおける預け先を選びなおすことです。なんと2004年だけでも、全国で地方銀行が1、信用金庫が12、信用組合が39もつぶれたそうです。これが現状です。身の回りでも、こうしたことが起こっています。決して他人事ではないので気をつけてください。

次のペイオフ対処法は、決済性(決済用)預金を利用することです。決済性預金とは、銀行に“もしも”があったときのために預金の全額保護を目的としています。この預金に入れておけばまず安心ですね。決済性預金を取り入れている銀行も多いですから、興味のある方は銀行に確認されるとよいと思います。

ただ、決済性預金にも弱点があります。それは利息が付かないことです。安全・安心と引きかえに預金がまったく増えません!安全第一の方にはおすすめですが、物価の上昇、日本円の価値の低下などのインフレリスクには対応できません。

その問題を解決できるのが、今急速に伸びてきているネット銀行です。みなさんのお近くに店舗が存在しないので不安に思われる方も多いかもしれませんが、「安全である・金利が高い・便利である」とメリットが非常に多いので一番理にかなっている銀行かもしれません。例えば、1年ものの定期預金で金利が普通の銀行の約8倍であったり、郵便局で取り扱いができたりもします。(次のページでは、“ネット銀行の魅力”として、メリットが多い理由を考えてみます。)

…ペイオフ解禁についておわかりいただけましたでしょうか?

心配になった方は、これを機にお手持ちの預け先を確認して、『ペイオフ対策がきちんとできているのか?』をチェックしてみてください。預金することも自己責任の時代になってきましたので、慎重で正しい判断が迫られてきています。

ヘッジ〔リスクヘッジ〕

…「ヘッジ」とは、リスクを回避、管理することを指します。例えば、トヨタ自動車などの個別株を買って株価上昇を期待しながら、日経平均を空売り(信用売り)して株価の下落に備えるといった方法です。

【使用例】 → ヘッジファンド、リスクヘッジヘッジするなど

ベンチャーキャピタル(VC)

…「ベンチャーキャピタル」とは、ベンチャー企業に資金提供する機関のことです。株式上場までこぎつけて、値上がり益を得ることを目的としています。よく、IPOの上場後に「ベンチャーキャピタルの売り」という言葉が出てくるのは、まさにこれです。

ポートフォリオ

…「ポートフォリオ」とは、資産(銘柄)の組み合わせを指す場合と,資産の分散を指す場合があります。例えば、持っている資産を分けて、A株で10%、B株で20%、C株で40%、現金で30%などといいます。

ボラティリティ

…「ボラティリティ」とは、上下のブレ幅(変動率)のことを指します。“ボラティリティが高い”という時は、“価格の変動幅が大きい”という意味になります。ボラティリティは、単に「ボラ」と略されることもあります。