面接官に好印象を抱かせる長所の上手な答え方とコツと例文!

 面接官に好印象を抱かせる長所の上手な答え方とコツと例文!

1.「長所」を答えるときに気をつけたい4つのポイント

面接時に長所を聞かれたときに押さえておきたいポイントは、以下の4つです。

長所=仕事に関する自己PRを、人間性と絡めてアピールする
面接官が知りたいのは「仕事の適性の有無」「自己認知ができているか
話は3分以内で端的に
「結論」「根拠」「仕事における長所の活かし方」を組み合わせて話す

長所=仕事に関する自己PRを、人間性と絡めてアピールする時間

長所という言葉の持つイメージから、自分の性格の良い所をアピールすれば良いととらえる人も多いでしょう。しかしこれは、面接の意図から少し外れてしまいます。

面接官は、面接という短い時間の中で「一緒に仕事をするイメージが湧くか」「求めているスキルを充分に発揮できる人物か」ということを見極めようとしています。長所を問う質問も例外ではありません。あなたは、面接官に「自分が仕事に加わることによって生まれるメリット」を伝える必要があります。

性格面の長所を話すことにくわえて、仕事に活かすことができる長所について答えましょう。たとえば「真面目」であることが長所なら、「真面目だから、目標を未達成で終わらせたことがない」「真面目だから、納期までに確実に成果物を納品できる」など、面接官に仕事ぶりをイメージさせるところまで話すことが重要です。

面接官が知りたいことは「仕事の適性の有無」「自己認知ができているか」

面接官が長所を聞く理由は、以下の2つを見極めるためです。

・「自社の仕事の適性があるか」
・「自分を客観的に分析し、自己認知ができているか」

応募先の企業が求めている強みと、あなた自身が自覚している長所が合致しなければ「入社しても、仕事が合わずに早く辞めてしまうだろう」と思われてしまう可能性も少なくありません。

企業からのニーズと自分の長所は、以下のように繋げると良いでしょう。自分が受ける職種の仕事内容をしっかりと把握し、その仕事で活かすことができる長所を伝えることが大切です。

例:営業職の場合
・目標達成への意欲の強さ→負けず嫌い
・営業力→社交性の高さ例:事務職など、正確性を求められる仕事の場合
・仕事の正確性→真面目、几帳面

気をつけたい点は、アピールする長所がきちんと根拠を伴っているかどうかです。自分の良いところを語る長所は、主観ばかりで話すとひとりよがりに聞こえがち。「自分で思っているだけでは?」「自己認知が甘いのでは?」と思われないよう、「2.好印象を与える、長所の上手な答え方【例文付き】」を参考に、長所を根拠付けるエピソードとあわせて話しましょう。

話は3分以内で端的に

面接官が、負担を覚えず話を聞くことが出来るのは「3分以内」といわれています。文字数にすると、600~700文字程度が上限です。

自分の魅力を伝えきろうと意気込み、つい話が長くなってしまう人も多いでしょう。しかし、いくら多くの長所を伝えても、冗長だと感じられてしまってはプラスのアピールに繋がりません。

応募先の企業で一番求められているスキルと合致する自分の長所は何かを考え、ひとつに絞って端的に伝えることが大切です。

「結論」「根拠」「仕事における長所の活かし方」を組み合わせて話す

いざ話すときは、「結論(伝えたい長所)」+「根拠」+「仕事における長所の活かし方」の順番で内容を組み立てると、納得感を持って話すことができます。

たとえば、「真面目」を長所とする人が企画職の求人に応募した場合、面接では以下のように伝えると良いでしょう。

結論(伝えたい長所)>
私は、自分の真面目さが長所だと思っています。<根拠>
対人関係における約束や、自分で決めた生活習慣のルールなどは徹底して守ります。たとえば、自分は午前中の方が集中できると4年前に気づいてから、7時半までに出社するというルールを設け、毎日続けています。

<仕事における長所の活かし方>
業務においても真面目さは活かされており、今まで成果物を納品する際、締め切りを過ぎたことがありません。クライアントから提示された締め切りの2日前には社内OKがもらえるよう、逆算してスケジュールを組み、予定通りに着実に仕事を進めてきました。もちろん、イレギュラーな仕事が舞い込むことでスケジュールがずれ込むことはありましたが「決めたことは必ず守る」という信条のもと、仕事のバランスを調整し、納期を守ってきました。
着実に仕事を仕上げる姿勢をもって、御社に貢献していきたいと考えています。
(359文字)

《ポイント》

結論と根拠の組み合わせに「仕事における長所の活かし方」を加えることが重要です。単純に長所をアピールするだけではなく、一緒に仕事をするイメージを抱いてもらうためにも、「その長所が仕事にどう活かされるのか」という点を合わせて伝えましょう。上記のように、長所が仕事に活きていることがわかるエピソードを話すことで、あなたのビジネスパーソンとしての魅力をより深く伝えることができます。

また、エピソードには、他人からの評価や数字などの実績といった、客観的な根拠を可能な限り盛り込みましょう。

2.好印象を与える、長所の上手な答え方【例文付き】

1.「長所」を答えるときに気をつけたい4つのポイント』でも述べたように、どんな長所を伝えるかは、応募先の職場で仕事上活かせるかどうかという基準で選びましょう。まわりと協力しながら進めていく仕事なのか、それとも一人で専門性を極めていく姿勢が求められているのか…など、仕事内容によってアピールすべき長所は変わってきます。

ここでは、比較的どの職種であっても求められる長所をアピールできる話し方をいくつか紹介します。話の構成の組み立て方など、参考にしてみてください。

協調性や明るさをアピールする場合
負けず嫌いをアピールする場合
素直さ、真面目さをアピールする場合
慎重さをアピールする場合

例:協調性や明るさをアピールする場合

<結論>
私の長所は、誰とでも円滑な関係を築くことができる点です。<根拠>
集団のなかでは、常に潤滑油のような役回りを担ってきました。初対面の場であっても積極的に話しかけ、明るい態度を心がけています。

<仕事における長所の活かし方>
また、良好な人間関係を構築するためには信頼していただくことが第一だと考えています。前職では、頼まれた仕事へのレスポンスは迅速に行い、社内外問わず相手を不安にさせないことを重要視して仕事を行っていました。
結果的に、営業先の企業からは「一緒に仕事がしたい」と主要取引先に選んでいただく機会を多く得ることができました。また社内でも、部署内の全員と分け隔てなく話すことができたため「あなたがいると意見交換がスムーズにできる」と評価されていました。
御社に入社した際も、いち早く部署のみなさんと馴染み、メンバーの一員として働けるよう努力したいと思っております。
(364文字)

例:負けず嫌いをアピールする場合

<結論>
私は、負けず嫌いなところが自分の長所だと思っています。<根拠+仕事における長所の活かし方>
前職の営業チームに配属された最初の四半期に、私は経営目標を達成することが出来ませんでした。まわりからは「配属されたばかりだから気にしなくて良い」と励ましてもらいましたが、私は非常に悔しく思い、次の期ではなんとしても目標を達成しようと決心しました。知識も経験も少ない中で着実に数字を作るため、先輩の営業訪問に週1回は必ず同行させていただき、少しでも多くの知識を吸収できる機会を作っていきました。また、取引先との商談では競合よりも充実した情報を提供できるように訪問前の準備に重点をおくなど、思いつく限りの施策に取り組みました。
結果、次の四半期では無事に目標を達成することができ、それ以降4年連続で目標を達成しました。
この「絶対に目標を達成したい」という負けず嫌いな想いこそが、わたしのビジネスパーソンとしての力を伸ばしてくれたのだと感じています。
(406文字)

例:素直さ、真面目さをアピールする場合

<結論>
私の長所は、まわりからの意見を素直に受け止め、課題の改善にすぐに活かすことができるフットワークの軽さです。<根拠+仕事における長所の活かし方>
前職で、ある商品開発プロジェクトのメンバーとして企画案を出した時「概要は良いが、押しが弱い」と指摘を受けたことがありました。私は、その指摘を受けた直後に企画を練り直し、当日の夜にもう一度企画案を提出しました。他のメンバーから出たアイディアを盛り込み、結果として押しが弱いと指摘された部分を大きく変更したその企画案はメンバー内で高評価を受け、私の案が採用されることに。プロジェクトの進行中も、メンバーから出る意見はすぐに精査し、取り入れられそうなものは次のMTGまでに実行へと移せるよう努めていました。
プロジェクトが無事に終了した後、上司から「君のブラッシュアップの精度が高いおかげで、プロジェクトが非常に速く進んだ」と声をかけていただけました。周りからの意見を受け止める素直さとフットワークの軽さを活かし、今後も成長し続けていきたいと思っています。
(426文字)

例:慎重さをアピールする場合

<結論>
私の長所は慎重さだと思っています。常に、いかにミスを回避できるかを考え、注意深く業務に従事しています。<根拠+仕事における長所の活かし方
現在の営業事務の仕事では、営業ごとに業務の優先順位を整理した進捗表を作成し、毎日相互の確認を欠かさず行っています。進捗表のおかげで大きなミスを未然に防ぐこともあり、多くの営業から仕事が確実に進められるといった評価をもらっています。
また、どの業務に関しても見直しを徹底しているため、取引先に対して不備書類を送ったことは一度もありません。その点も「信頼できる」と高い評価をいただいています。
この慎重さを活かし、着実な仕事ぶりで組織への一日も早い貢献を目指します。
(280文字)

いずれも、性格面での長所と、その長所を仕事にどう活かすのかがわかるエピソードや根拠をあわせて伝えています。自分が持っているスキルと人間性を伝えることで、面接官に一緒に仕事をするイメージをしてもらい、好印象へと繋げましょう。

3.さいごに

長所を問われる質問は、あなたの持っている仕事のスキルと人間的な魅力をどちらも伝えられるチャンスです。上で述べた4つのポイントをおさえ、ぜひ面接官からの高評価を引き出してください。