最近のニュースで気になるものは?の対処法

最近のニュースで気になるものは?の対処法

 

1.面接官はなぜ「最近のニュースで気になるものは?」と質問するのか

面接官は、最近気になるニュースの質問から、応募者の何を探ろうとしているのでしょうか。
その目的は、応募者の情報感度、価値観を知ること。

つまり、“世の中や業界の動きに関心を持ち、情報収集をしているか”、“物事に対する考え方が自社に合うか”という点を面接官は知りたいと考えています。そのため、日々のニュースをただ知っているという状態では不十分。ニュースの背景や今後の見通しを把握し、それに対する自分の考えも持っておく必要があります。

情報収集が仕事上不可欠な職種(お客様と接する営業職、新たなものを生み出す企画や開発職など)を志望する場合に、特に質問される傾向が強いようです。

2.「最近のニュース」に関する質問の答え方

最近のニュースに関する質問には、いくつかバリエーションがあり、聞き方によって面接官が主に知りたいことが少しづつ違います。ここでは面接官の質問内容ごとに、その意図と回答例を紹介します。

Q1:最近のニュースで気になるものは?
Q2:「●●●」のニュースについてどう思う?
Q3:今日の新聞の記事で気になったニュースは?

Q1:最近のニュースで気になるものは?

回答の仕方

最近気になっているニュースは「●●●」です。(理由は)「■■■」のため、気になりました。

面接官が知りたいことと回答のポイント

この質問から面接官が知りたいことは、応募者がニュースを見ているか、どのようなニュースに関心があるかについてです。そのため、仕事への関心を示すためにも、できる限り応募企業の業界のニュースを取り上げるようにしましょう。目立ったニュースが無い場合は、間接的にでも仕事に関わる可能性がある経済の話題が無難です。

回答例(観光業界の場合)

最近気になっているニュースは、「先日の春節の時期に、中国からの訪日客が大幅に増え、東京の小売業では売上が昨期比6倍になった会社もある」というニュースです。観光業に携わる人間として、日本に訪れる中国人観光客にいかに満足してもらって、また来ていただくか、ということをこれまでも意識していたので、春節のニュースは特に気になりました。

Q2:「●●●」のニュースについてどう思う?

回答の仕方

私としては、「▲▲▲」と考えています。(理由は)「■■■」だからです。

面接官が知りたいことと回答のポイント

面接官が特定のニュースについて質問する場合、基本的には多くの人が知っているニュースを取り上げます。この質問では、主要なニュースについて知っているかのチェックと応募者の考える力・考え方を面接官は見ているためです。特定のニュースについての質問に備えるためには、日頃から新聞の目立つ記事に目を通しておくほか、応募する業界のニュースを事前に確認しておきましょう。
自分の考えを述べる際は、過激な意見になり過ぎないよう気をつけながら、結論→理由の順序で答えましょう。

質問と回答の例

質問『ギリシャ危機のニュースについて、どう思いますか』回答例私としては、まずギリシャが改めて緊縮財政に取り組む必要があると思いますが、それと同時にドイツなど周辺諸国ももっと譲歩する必要があると考えています。なぜなら、ギリシャが破綻した場合の経済リスクと、そもそもギリシャに甘い審査でお金を貸した欧州諸国の責任もあると思うからです。あくまでギリシャがまず自助努力を再開することが前提ですが、双方の譲歩が必要だと思います。

※もしわからないニュースについて聞かれたら

質問されたニュースがわからない場合は、素直に「勉強不足でわかりません。今後勉強いたします。」と答えましょう。もちろんきちんと回答できることがベストですが、質問内容がわからない中、適当な回答をしてしまうと“いい加減な人”という印象を与えてしまいます。

Q3:今日の新聞の記事で気になったニュースは?

回答の仕方

回答できる場合
「●●●」です。(理由は)「■■■」のため、気になりました。

新聞をまだ見ていない場合
今日はまだ新聞を読んでおりません。帰宅後に読む予定です。
※この後、『では昨日の新聞で気になった記事は?』など、続けて質問される可能性があります。

面接官が知りたいことと回答のポイント

今日の新聞の内容について聞かれた場合は、新聞を読んでいるかを主に面接官は見ています。目立つ記事、記憶に残っている記事で構いませんので、答えやすいニュースを選んで回答しましょう。

3.正しいニュースの選び方

ニュースをどう捉えているかがこの質問の主旨ですが、とはいえ質問の回答として相応しくない話題も存在します。選んだ話題によっては、回答の内容が良くても面接官の心証を損ねる場合もあります。ここでは、話題に取り上げるべきニュース、取り上げてはいけないニュースを解説します。

回答に適したニュースは、業界に関するニュース>経済・企業>国際

話題となっている事件などもNGではありませんが、採用面接の場で『最近気になるニュース』を問われた場合、やはり仕事に直結する話題の方が好印象に繋がります。

応募している企業が属する業界の話題や面白い取り組みをしている企業、国内外の経済ニュースなどを取り上げると、“業界に興味関心を持っている”、“マーケットに対してアンテナを張っている”という印象を与えることができます。

避けるべきニュースは、宗教、政治、スポーツと応募企業にとって不都合なニュース

話題として避けたいのは、宗教、政治やスポーツなど、人によって考え方や好みが異なり、面接官との意見の相違が起きやすい話題です。

例えば、気になるニュースとして「読売巨人軍のセリーグ優勝」を挙げた際に、面接官がたまたま巨人嫌いの阪神ファンだった場合、面接官にとっては愉快な出来事ではないため、あまり良い印象は与えませんよね。

好きなスポーツチームや、信仰する宗教、支持する政党など、人により考え方や好みが分かれる話題は、思わぬ悪印象を与える可能性があるので持ち出さない方が無難です。

また、応募企業にとってネガティブなニュースも、自ら進んで取り上げるべきではありません。面接官が対応に困るほか、じゃあなぜウチに応募してきたんだろう?と思わせてしまう可能性があります。

例(輸入販売を行っている企業にて)
最近気になるニュースは、円安に関するニュースです。輸入を行っている企業では、円安により仕入れ価格が上がっていることに加え、なかなか販売価格の値上げはできず、苦しんでいる企業が多くあります。今後円安がどうなるか非常に気になります。

そのほか芸能やゴシップに関する話題も、ニュースを押さえていないばかりか下世話な印象を与えてしまうため避けましょう。

4.効率的に最近のニュースをチェックする方法

では、最近のニュースを把握するためには、どのように情報収集を行えばよいのでしょうか。最新のニュースをチェックするための効果的な方法について、解説します。

STEP1:日経新聞で世の中のニュースをざっと確認する

日経新聞をひととおり眺め、目立った記事を読んだ後、気になるニュースをピックアップしましょう。

特定のニュースについて意見を聞かれるケースがあるため、まずは日経新聞で日々のニュースを押さえましょう。国内に様々な新聞がありますが、面接対策のために新聞を購読するのであれば、経済のニュースが充実していて、ビジネスパーソンに最も読まれている日経新聞がベストです。

新聞を取る手続きが面倒な場合は、コンビニなどで買うこともできますし、有料ですが電子版を購読すればスマートフォンやPCでも日経新聞を読むことができます。お金を払いたくない場合は、やや情報が不十分ではありますが、無料で読める日経新聞のWebサイトをチェックするのも手です。

STEP2:気になったニュースを、もっと詳しく調べる

日経新聞で気になった記事を、ニュースを詳しく掲載しているサイトやアプリで調べ、その出来事がなぜ起きたのか、今後どのような展開が考えられるのかを把握しましょう。

ニュースを掴み、理解するためには日経新聞さえ読んでいればOKというわけではありません。日経新聞には毎日最新の記事が多数掲載されており、それぞれの記事内容を深く理解するのは至難の業です。しかし面接では、ニュースに対する意見を求められることもあり、内容を正しく把握し、自分の考えを持つ必要があります。

その対策として、まずは日経新聞で日々のニュースを押さえた後、応募企業に関わるニュース、最近話題となっている国内外の経済ニュースをいくつか選び、より詳しくニュースを理解できるサイトで調べます。そのとき起きているニュースを点で捉えるのではなく、その“背景”や、”“今後どのような展開が考えられるか“まで、一連の流れとして把握していないと、的確な意見が言えないためです。

ニュースを詳しく掲載しているサイトや情報源

日経ビジネスONLINE、→東洋経済オンライン<Webサイト>

経済や政治の主要なニュースについて新聞よりも詳しく、その背景や識者の見解も交えて解説しています。

日経4946.com全図解ニュース解説<Webサイト>

日経新聞の記者がセレクトしたニュースを、写真や図を利用して解説しています。

BLOGOS、→HUFFINGTONPOST<Webサイト・アプリ>

編集部と識者がセレクトしたニュースを論説。過激な意見もあり、それを鵜呑みにしてはいけませんが、ニュースの内容を理解し、自分の意見を考えるためのヒントをもらえます。

 

5.まとめ

いかがでしたでしょうか。
最近のニュースに関する質問に、面接官が納得するレベルに応えるには、ただ新聞を読むだけでなく、ニュースの全貌を掴む努力が必要です。ニュースの背景や今後起こりそうなことがわかれば、面接官の質問には概ね答えることができるはず。
毎日新聞やニュースをチェックするのは大変ですが、仕事の役にも立つことなので、この機会に習慣化することをオススメします。