法人成りによる個人事業の廃業届出について

はじめに

税務署への個人事業の廃業届出

個人事業で行っていた事業を法人成りした場合、個人事業を廃止する手続きが必要です。

個人事業を始める際に税務署へ開業届を提出しているはずですので、その廃止(廃業)の届出、そして青色申告を行っていた場合は、個人としての青色申告を取りやめる届出を行います。

その他、消費税の納税義務者であった場合や従業員に給与を支払っていた場合も別途手続きが必要です。

提出先は納税地を所轄する税務署(個人で確定申告書を提出していた税務署)です。

各手続きには期限がありますので、提出期限に注意してください。

届出書は国税庁のホームページからダウンロードできますので、わざわざ窓口へ出向く必要はありません。

郵送でも受付していますので、忘れずに行うようにしましょう。

それでは、それぞれどのような書類が必要か見ていきましょう。

(1)個人事業の開業・廃業等届出書

個人事業を廃止する際に提出する書類です。

[提出時期]事業廃止から1ヶ月以内

[手続名]個人事業の開業届出・廃業届出等手続

[参考URL]https://www.nta.go.jp/tetsuzuki/shinsei/annai/shinkoku/annai/04.htm

(2)青色申告の取りやめ届出書

個人事業で青色申告を行っていた場合提出する書類です(白色申告であった場合は不要です)。

[提出時期]事業廃止した翌年の3月15日まで

[手続名]所得税の青色申告の取りやめ手続

[参考URL]https://www.nta.go.jp/tetsuzuki/shinsei/annai/shinkoku/annai/23200008.htm

(3)事業廃止届出書

消費税の納税義務者であった場合に提出する書類です。

[提出時期]事業廃止後速やかに

[手続名]事業廃止届出手続

[参考URL]https://www.nta.go.jp/tetsuzuki/shinsei/annai/shohi/annai/1461_06.htm

(4)給与支払事務所等の廃止届出書

従業員に給与を払っていた場合に提出する書類です。

[提出時期]事業廃止から1ヶ月以内

[手続名]給与支払事務所等の開設・移転・廃止の届出

[参考URL]https://www.nta.go.jp/tetsuzuki/shinsei/annai/gensen/annai/1648_11.htm

(5)所得税の予定納税の減額申請書

今年の所得税が前年の所得税に満たないことが見込まれる場合に減額してもらうために提出する書類です。

[提出時期]7月15日もしくは11月15日

[手続名]所得税及び復興特別所得税の予定納税額の減額申請手続

[参考URL]https://www.nta.go.jp/tetsuzuki/shinsei/annai/shinkoku/annai/02.htm

確定申告も必要?

廃業しても廃業した年の個人事業主として確定申告を行う必要がありますので、注意してください。

事業廃業後であっても事業に係る経費であれば、所得税法の特例として廃業後も経費に算入することが認められますが、すべての経費が算入できるわけではありませんので、税務署や税理士さんなどの専門家に相談されることをお勧めします。

廃業届出の書類は簡単に作成できますが、個人から法人へ資産を引き継いだり、個人事業廃止後の経費の計上方法などは、専門家の知識があったほうが節税に繋がることもあります。

会社設立後に顧問税理士をお考えの方は、法人成りされる前から、相談される方が良いでしょう。

なお、顧問税理士をお探しの方はこちらからご紹介が可能です(全国税理士紹介センター)。