管理職者が会社に進退を伺う
＜シチュエーションと目的＞
- １、自分や部下の過失・不正により会社に損害を与えたときに書く
- ２、過失の内容が始末書や顛末書では済まされない場合、会社に提出し自身の進退を問う
- ３、火災、盗難、交通事故などに関して責任を取る旨を会社に伝える
＜マナーとポイント＞
- １、管理職者が退職願（辞表）を添付し、自分の進退を会社にゆだねる形で提出する
- ２、職務を辞するか、それにはおよばないかの判断を会社に仰ぐため、辞表を添える
- ３、進退伺いでは自称を「私」ではなく「小職」とする
- ４、部下の不祥事でも言い訳や責任転嫁などを一切せず、素直に謝罪して自らの管理不行届きを詫びる
進退伺いサンプル01＜部下の不正に対する進退伺い＞
- ・部下の不正を見抜けなかったことを謝罪し、自信の進退について会社の判断を仰ぐ。言い訳や責任転嫁は一切しない
- ・事実を簡潔にのべる
- ・自称は「私」より「小職」が一般的
- ・（書き換え表現）多大な損害を与える結果になりましたことを、心よりお詫び申し上げます。
- ・（書き換え表現）職を辞して責任を負う所存です
進退伺いサンプル02＜部下の不正に対する進退伺い＞
| 進退伺い
平成○１２月２日 代表取締役社長 佐川 武 様 世田谷営業所長 高林 英明 私は、１１月２８日午後３時頃、当社営業車で環状７号線○○の交差点を右折した際、直進してきた車の側面に衝突する事故を起こしました。相手方の運転手は全治３か月の重傷で、現在も入院しております。 会社に甚大は損害を与え、当社の信用を著しく失墜させてしまったことを深くお詫びします。 警察の現場検証でも私の不注意が原因であると指定されており、いかなる処分を賜りましても異議はありません。ここに辞表を同封し、しかるべきご処置をお待ち申し上げます。 以上 |
- ・事故内容については簡潔に記述する
- ・進退伺いは通常、支店長や部課長、所長などの役職者が提出するもの
- ・（書き換え表現）お詫びの言葉もございません
進退伺いサンプル03＜部下の交通事故に対する進退伺い＞
| 進退伺
平成○年１２月２５日 代表取締役社長 川上 喜一様 営業部長 小林 英雄 １２月２０日に当社営業部員、堀江博が起こした酒気帯び運転による死傷事故に関しまして、会社に甚大な損害を与え、社会的にも当社の信用を著しく失墜されてしまったことを、こころよりお詫び申し上げます。 すべては小職の管理不行届きによるものであり、いかなる処分を賜りましても異議はございません。ここに辞表を同封し、今後の進退につきましてご指示をお待ち申し上げます。 以上 |
- ・飲酒運転などは管理責任を厳しく問われる。責任を取る意思表示として辞表を同封する
- ・酒気帯による交通事故であれば管理責任を問われても仕方がない。潔く管理不行届きを詫びる
- ・（書き換え表現）ご決裁を賜りたく、お願い申し上げます。
進退伺いサンプル04＜災害事故に対する進退伺い＞
| 進退伺
平成○年１０月２２日 代表取締役社長 三宅 良一様 川越工場長 松本祐樹 １０月１４日に当工場で発生した火災事故につきましては、３人が病院に搬送され、また製造ライン１週間にわたりストップする事態となりました。すべては小職の監督不行届きによるもので、まったく申し開きができません。会社に甚大な損害を与え、社会的にも当社の信用を著しく傷つけてしまったことを、深くお詫び申し上げます。 いかなるご処分をも承る所存でございます。ここに辞表を同封のうえ、進退伺を申し上げます。 以上 |
- ・事故について潔く責任を取る姿勢が重要。言い訳はしない
- ・（書き換え表現）指導・管理の不足によるもので
- ・（書き換え表現）職を辞して責任を負う所存です
進退伺いサンプル05＜負傷事故に対する進退伺い＞
| 進退伺
平成○年４月１２日 代表取締役 加糖 光久様 浜松工場長 村松 健一 このたび当工場で製造しました欠陥車両による負傷事故は検品作業を正しく行っていなかったことが原因で、小職の監督不行届きによるものです。 会社に多大な損害を与えてしまっただけではなく、長年の努力によって築いてきたお客様の信頼を失う結果となったことは、誠に申し訳なく、お詫びのしようもございません。 すべて小職の指導管理の失態によるものですので、いかなる処分を賜りましても異議はございません。ここに辞表を同封し、しかるべきご指示をお待ち申し上げます。 以上 |
- ・進退伺いは、始末書や顛末書では済まされない場合に提出する。管理者として、事故が起きてしまった責任を受け止める
- ・（書き換え表現）管理者である小職の不徳のいたすところです
- ・（書き換え表現）慚愧に堪えません。