第1章 メールの基本ルール&マナー

 

■超基本的なメールの完成例■

  • 送信者:西山和也(あおばステイショナリー)
  • 宛名:amano@.co.jp
  • 件名:特注「社名入りペン」(見本)ご確認のお願い
  • ====================================
  • 株式会社みどりデパート
  • 仕入部 
  • 天野康介様
  •  
  • いつも大変お世話になっております。
  • 株式会社あおばステイショナリー 営業部の西山和也です。
  •  
  • 先日ご依頼をいただいた特注「社名入りペン」についてご連絡いたします。
  •  
  • 本日、見本が完成いたしました。
  • ぜひ天野様に現物をご確認いただき、
  • ご意見、ご感想を賜りたく存じます。
  •  
  • お忙しいところ恐れ入りますが、
  • 以下のいずれかの日程でお時間いただけないでしょうか。
  • =======================================================
  • ・12月10日(水)10:00~
  • ・12月11日(木)13:00~
  • ・12月12日(金)14:00~
  • =======================================================
  • 上記日っていが難しいようでしたら、お手数ですが
  • ご都合のよろしい日時をお知らせいただけると幸いです。
  •  
  • ご検討のほど、よろしくお願いいたします。
  •  
  • ======================================
  • 株式会社アイコス
  • 営業部 平野友朗(Hirano Tomorou)
  • 電話:03-1456-5654 / FAX:03-1456-5653
  • 〒456-5896 東京都中央区日本橋三丁目5-6
  • URL:http://@—-.jp
  • mail:hirano-torakosu@eee.co.jp
  • ========================================
  •  

 

 

 

STEP1 選ばれるメールを書こう

■件名を具体的に

●お願いだけでは開封されない

●パッと見ただけで用件がわかることが大切!

件名は5W1Hを意識して書くこと。開封する前に趣旨が伝わるように具体的なキーワードを入れる。

  • ①何の用件なのか
  • ②いつの用件なのか
  • ③どうしたいのか、どうしてほしいのか
  • 改善例:お願い→特注「社名入りペン」(見本)ご確認のお願い

●選ばれる件名の例

  • ・第3回 営業ミーティングのお知らせ
  • ・プレゼン資料ご確認のお願い(12/10東京本社)
  • ・【〇〇プロジェクト】進捗状況のご報告(NO2)
  • ・「〇〇セミナー」ご出席ありがとうございました
  • ・新製品販売キャンペーン【12/1~12/10】のお知らせ

 

■送信者名はわかりやすく

●件名と送信者名でメールの第一印象が決まる

送信者名が部署名、苗字だけ、アルファベット(個人名)、メールアドレスをダイレクト表示はわかりづらく避けるべき。

●送信者名はわかりやすさを最優先に!ひと目で誰からメールが届いているかわかるようにする

  • 【選ばれる送信者名の付け方】
  • ①個人ではなく会社としてのイメージが強い人は会社名+氏名
  •  例:アイ・コニュニケーション 平野友朗
  • ②会社よりも個人のイメージが強い人は氏名+会社名
  •  例:平野友朗(アイ・コニュニケーション)

 

STEP2 伝わるメールを書こう

ビジネスメールの構成には型があり、前文、本文、末文、署名。この4つのパーツをそれぞれ理解し作成する。

■<前文>書き出しから礼儀正しく

●メールの前文は「宛名+挨拶+自己紹介」で構築する

●宛名は「会社名+部署名+氏名+様」

相手が企業に属している場合はこの順序。(株)(有)のように略さない。相手の名前はフルネームの方が丁寧。〇〇社御中〇〇様みたく御中は社名・部署の後に個人名が続く場合は不要。

●どんなときも挨拶を忘れずに

メールでも挨拶をする。状況によって使い分ける。

  • ・お疲れ様です(社内での使用が一般的)
  • ・こんにちは(親しい間柄の場合)
  • ・はじめまして(初めて送る場合)
  • ・お久しぶりです/ご無沙汰しております(連絡の間が空いた場合)
  • ・ご返信ありがとうございます(初めて連絡した相手から返信が来た場合)

●自己紹介も「会社名+部署名+氏名」

例:株式会社アイコス 営業部の平野友朗です。

●<前文>の例

  • 株式会社みどりデパート
  • 仕入部 加藤清正様
  • いつもお世話になっております。
  • 株式会社アイコス 営業部の天野伴です。

●名前プラスαで相手との関係性を伝えることも重要

  • ・初めてメールをお送りいたします。株式会社アイコスの天野伴です。
  • ・先日〇〇でお目にかかった株式会社アイコスの天野伴です。
  • ・以前、〇〇で名刺交換をさせていただいた株式会社アイコスの天野伴です。

●本題に入る前に趣旨を伝える(前置き)

【前置きで趣旨を説明する例】

  • ・〇〇の件についてご連絡(ご報告・ご相談・ご提案)いたします。
  • ・本日のお打ち合わせの結果についてご報告いたします。
  • ・先日のお礼を申し上げたく、ご連絡いたしました。
  • ・〇〇についてお詫び申し上げたく、メールをお送りしました。

●前置きで念押しもできる

確実に返事をもらいたい時の意思表示として利用。

【前置きで返事の依頼をする例】

  • ・お手数をおかけいたしますが、お返事をいただけると幸いです。
  • ・お忙しいところ恐れ入りますが、ご回答お待ちしております。
  • ・折り返しお返事をいただきたくお願い申し上げます。

●文章が長くなる場合も断りをいれる

例:先日ご依頼をいただいた特注社名ペンについてご連絡いたします。

 

■<本文>意識的に改行を入れる

●1行は20~30文字で折り返し、2~5行ごとに空白の行を挿入。意識的に改行して読みやすい体裁をつくる。

本文例:

先日ご依頼をいただいた特注「社名入りペン」の見本が完成いたしましたので、ぜひ天野様に現物をご確認いただき、ご意見、ご感想を賜りたく存じます。お忙しいところ恐れ入りますが、12月10日(水)10:00~、12月11日(木)13:00~、12月12日(金)14:00~のいずれかの日程でお時間をいただけないでしょうか。

  • 先日ご依頼をいただいた特注「社名入りペン」の
  • 見本が完成いたしましたので、
  • ぜひ天野様に現物をご確認いただき、
  • ご意見、ご感想を賜りたく存じます。
  •  
  • お忙しいところ恐れ入りますが、
  • 12月10日(水)10:00~、12月11日(木)13:00~、
  • 12月12日(金)14:00~のいずれかの日程で
  • お時間をいただけないでしょうか。

 

●記号を使って見出しを作る

  • 例)■第3回ミーティングの議題
  • (1)前月売上報告(売り場の反応)
  • (2)当月売上見込み
  • (3)新製品の開発について
  • ●コストは?
  • ●スケジュールは?

●記号を使って罫線をつくり範囲指定などをする

  • 例) 以下のいずれかの日程でお時間をいただけないでしょうか。
  • =======================================================
  • ・12月10日(水)10:00~
  • ・12月11日(木)13:00~
  • ・12月12日(金)14:00~
  • =======================================================

●メールはテキスト形式にする

HTML形式はいろいろ装飾できるが対応していないソフトやPCが多いため控える。形式の変更方法は(企業で導入数が多いOutlook)の場合はファイル→オプション→メールタブを選択→メッセージの作成→テキスト形式→OK(初期設定はHTML形式になっている)

●機種依存文字に要注意

半角文字(半角カタカナ、半角カギカッコ、半角中点)、囲み英数字/囲み文字、ローマ数字(全角・半角)、単位記号(㌕)、省略文字/年号((株))などは使用する際文字バケの可能性あるため注意。

●安心して使える文字

ひらがな・全角カタカナ・半角英数字/記号・全角英数字・記号(■、▼、→)は使える。

●本文文章は一文一義

本文文章はひとつの文章にはひとつの事柄だけを盛り込むようにする。

例)

  • 先日ご依頼をいただいた特注「社名入りペン」の
  • 見本が完成いたしましたので、
  • ぜひ天野様に現物をご確認いただき、
  • ご意見、ご感想を賜りたく存じます。
  • 本日、見本が完成いたしました。
  • ぜひ天野様に現物をご確認いただき、
  • ご意見、ご感想を賜りたく存じます。

■<末文>締めくくりにも挨拶を

●挨拶に始まり挨拶に終わるのがメールの基本

●代表的なフレーズ

  • 【締めくくりの挨拶文例①】
  • ・以上、よろしくお願いいたします。
  • ・ご検討のほど、よろしくお願いいたします。
  • ・ご協力のほど、よろしくお願いいたします。
  • ・今後ともよろしくお願いいたします。
  • ・引き続きよろしくお願いいたします。
  • ・最後までお読みいただき、ありがとうございました。
  • 【締めくくりの挨拶文例②(本文が短いとき)】
  • ・取り急ぎ、ご報告まで。
  • ・取り急ぎ、お知らせいたします。
  • ・取り急ぎ、ご案内申し上げます。
  • 【締めくくりの挨拶文例②(末文で念押しするとき)】
  • ・では、ご検討のうえお返事いただけますよう、お願いいたします。
  • ・以上、ご手数ですがご返答いただけますよう、お願いいたします。

●<末文>署名で情報発信(末文を名刺や情報提供として利用)

  • 例1;初めて送る相手には、自己紹介を兼ねて詳しいプロフィールを
  • ======================================
  • 株式会社アイコス
  • 営業部 平野友朗(Hirano Tomorou)
  • 電話:03-1456-5654 / FAX:03-1456-5653
  • 〒456-5896 東京都中央区日本橋三丁目5-6
  • URL:http://@—-.jp
  • mail:hirano-torakosu@eee.co.jp
  • ========================================

 

  • 例2:お付き合いの長い得意先には新しい情報提供を
  • =================================
  • ◆12月10日より、いよいよ新サービス〇〇〇を開始します!
  • 詳細はこちら→http://@—-.jp
  • =================================
  • 株式会社アイコス
  • 営業部 平野友朗(Hirano Tomorou)
  • 電話:03-1456-5654 / FAX:03-1456-5653
  • 〒456-5896 東京都中央区日本橋三丁目5-6
  • URL:http://@—-.jp
  • mail:hirano-torakosu@eee.co.jp
  • ================================

 

  • 例3:親しい人にはちょっとしたお知らせを近況報告を
  • ================================
  • 株式会社アイコス
  • 営業部 平野友朗(Hirano Tomorou)
  • ~【お知らせ】〇月〇日~〇月〇日まで出張のため不在です~
  • ================================

■<総仕上げ>送信ボタンを押す前に

送信前に総点検!見直しチェックリスト

  • ①ひと目で内容がわかる具体的な件名をつけているか?(何の、いつの、どうしたいのか、が入っているか)
  • ②送信者名はわかりやすいか(社名と氏名を明記しているか)
  • ③宛名を正しく書いているか(社名+部署名+氏名+様)
  • ④書き出しの挨拶をしているか(お世話になっておりますなど)
  • ⑤名乗っているか(社名+部署名+氏名)
  • ⑥本題に入る前にメールの趣旨を伝えているか
  • ⑦1行を20~30文字で折り返しているか
  • ⑧漢字がおおすぎないか
  • ⑨2~5行ごとに空白の行を挿入しているか
  • ⑩用言が複数ある場合記号をつけて箇条書きにしているか
  • ⑪罫線を効果的に活用してるか
  • ⑫文章は一文一義になっているか
  • ⑬締めくくりの挨拶をしているか(よろしくお願いいたしますなど)
  • ⑭適切な情報量の署名をつけているか
  • ⑮第三者になったつもりで前文を読み直したか

 

STEP3 メールの機能を使いこなそう

■TO、CC、BCCの使い分け

●宛先(TO)

宛先にはメールの送り先を指定します。複数の送り先を指定することもできますがその場合送信したメールに全員分の宛先が表示されます。つまりメールを受け取った人は自分以外の誰に届いているのかがわかるということです。

●CC(=Carbon Copy)

CCとはメールの複写を意味します。CCには宛先の人に宛てた用件を参考までに伝えておきたい相手を指定します。「〇〇さん(宛先に指定した人)にこんなメールを送りました」という報告の意味相で使われることもあります。メールの前文にも〇〇様(CC:○○様)と宛名を入れ、コピーを誰に送っているのかを明記しましょう。

●BCC(=Blid Carbon Copy)

CCが見えるコピーに対してBCCは見えないコピーです。宛先(TO)やCCに指定された人に対して、誰にコピーを送ったかわからないようにする場合に使用します。

■転送を意図を添えて

●転送で用件を効率的に伝達する

メールソフトの転送ボタンを押して宛先を指定し送信するだけ転送できます。転送された文章には>>>などの引用符が付きます、

●転送する際は転送の意図を冒頭に入れていく

例1:〇〇さんから会議の資料が届きましたので、転送いたします。プレゼンの参考になると思いますので、お目通しをお願い致します。

例2:〇〇さんから問い合わせのメールが届きましたので、転送いたします。お手数ですが、ご返答お願いいたします。

例3:我がチームでは、〇〇社への提案活動を行っています。先日〇〇社に提出した提案書を転送いたしますので、ご意見やアドバイスをいただけると幸いです。

  • 例4:
  • 石川部長
  • お疲れ様です。西山です。
  • みどりデパートの天野さんから、見積書について
  • 問い合わせがありましたので、転送いたします。
  • 部長のご意見をお聞きしてから、天野さんに回答したいと思っております。
  • 西山和也

■「引用符(>)」で効率的に返信

●引用で素早く、正確な返信を

メールにおける引用とはメールの差出人が書いた文章を返信メールの文中にそのまま残すこと。引用文の行頭には>という引用符をつけるこのが一般的です。メールソフトが自動的につける場合もあります。

引用符例)

  • >ぜひ天野様に現物をご確認いただき、
  • >ご意見、ご感想を賜りたく存じます。
  •  
  • そうですね。ぜひ拝見したいです。
  •  
  • >・12月11日(木)13:00~
  •  
  • この日でしたら大丈夫です。
  • 店舗におりますので、声をかけてください。

 

■添付ファイルを送る時は

●添付ファイルを送る時のマナー

・事前に許可を取る(〇〇のご案内資料をお送りしたいのですが、よろしいでしょうか)

・相手のメールサーバーの容量を確認する(〇MBのデータをお送りしたのですが。そちらでお受け取りいただけますでしょうか

・アプリケーションを確認する(アドビフォトショップで作成したデータをお送りしたいのですが、そちらで内容をご確認いただくことは可能でしょうか)

●大容量ファイルを送る場合は転送サービスを活用

【ファイル転送サービスのしくみ(代表的なものは「宅ふぁいる便」)】

  • ①サイトにアクセスして相手のアドレスとファイルを登録
  • ②相手にダウンロード用のURLを記したメールが届く
  • ③そのURLにアクセスし、ファイルをダウンロードしてもらう

■重要度・開封確認は設定しない

自分にとって重要な用件が相手にも重要とは限らない。重要度、開封確認は設定しないほうが無難。