表現をプラスするとうまい文章になる!

第4章 表現をプラスすると、みるみるうまい文章になる!

1、型+表現でさらに伝わる「読まれる文章」にする

  • その1、文章の書き出しを工夫して読者を引き込む
  • その2、単調にならいないように、内容を変えずに表現に変化をつける
  • その3、あいまいな表現や湾曲的な表現を使わないで、切れ味のよい文章にする

<表現その1>

前置きは書かなくていい!(書き出しのパターン①)

1つめの書き出しパターンは、前置きなしに、いきなり本題にすぐ入る。この方法は時間がないなかで素早く読んでもらう必要のある文章に最適です。

小学校で日本語以外の外国語を教えるべきだろうか。それとも、まず日本語だけを教えるのがいいのだろうか。私は、小学校から外国語を教えるべきだという意見に賛成だ。その理由をいかに3つ挙げて説明していこう。

この文章は前置きなしにいきなり本題に入っている。これはインパクトが大きい。

 

出だしの順番は決まっている!(書き出しのパターン②)

2つめのパターンは誰もが興味を持ちそうな一般的な話題から入るというものです。よくあるパターンとしては「状況→焦点化→質問」があります。このパターンでなんでも対応できるようになる。

まず、誰でも理解できる一般的な状況を書きます。次に、その中で特に話題として取り上げたいことがらに焦点を絞ります。そして最後に、質問の形で読者に問いかけをします。そのあとでこの問いかけに対する自分の回答を書いていくというものです。

(例)小学校での外国語教育

「状況」誰もが納得できる一般的な状況

2011年度から、小学校5,6年で年間35時間の「外国語活動」が必修化されました。

「焦点化」トッピックを限定

このような中で、もっと低学年から外国語教育を始めようという動きもあります。

「質問」質問の形でトッピックを提示

 

 

自分で出だしを決めておく(書き出しのパターン③)

3つめのパターンは、自分で決めた出だしで始めるということです。どんな内容でも決めた出だしを使います。たとえば次のような出だしがあります。

みなさん、こんにちは。小学校で外国語教育が必修・・・・・。

いつも大変お世話になっております。さて、昨今小学校で外語語教育が必修になっていることは・・・・

出だしのパターンはいくつか持っておいた方がよい。

 

<表現その2>

言葉の書き換えで表現のレパートリーを広げる

「単調にならないように、内容を変えずに表現に変化をつける」ことです。そのためには表現のバリエーションを持つことです。1つの意味内容をさまざまな表現で書き表すことを「表現のレパートリー」といいます。

たとえば、~だと思うはよく使われる表現ですが、文末ごとにこれを多用すると、単調な文章に見えてしまいます。そこで、左にあげたように、~だと思うと同じ意味を表す言葉で書き換えるのです。この書き換えをすることを「パラフレーズ」といいます。パラフレーズは文章をより伝わりやすくする。

・「思う」=想像する、考える、推測する、気がする、確信する、に違いない、感じるなど

・「話す」=語る、述べる、伝える、言い出す、しゃべる、告げる、言う

・「知る」=わかる、実感する、感じ取る、探し出す、気づく、思い当たる、察知する、発見する、認識する、勘づくなど

 

文を書き換えると表現に変化がでる!

・私の強みは、企画力があるということです。

企画力があるということが、私の強みです。

力点を置きたい場所を先頭に持ってくる。

・私の強みは何かと聞かれたならば、「企画力があることです。」と答えたいと思います。

企画力というのは、誰もが強みとしてあげる能力かもしれません。それでもなお、私の強みとして「企画力がある」ということを第一に挙げたいと思います。

彼の素晴らしい技術があれば、ほとんどの問題は解決できます。

  • ・ほとんどの問題は、彼の素晴らしい技術によって解決できます。
  • ・彼は、ほとんどの問題を解決することができます。それは、彼の素晴らしい技術によるものです。
  • ・あらゆる問題を解決できる彼の技術は、本当に素晴らしい。

今年の売り上げは、昨年に比べて2倍に伸びた。

  • ・今年と昨年の売り上げを比べると、昨年に比べて2倍に伸びている。
  • ・昨年の売り上げと比較すると、今年の売り上げは2倍に伸びた。
  • ・今年は、昨年意比べて2倍の売り上げを記録した。

 

<表現その3>

二重否定は読み手を混乱させる

表現をプラスして魅力的な文章にするためには「あいまいな表現や湾曲的な表現を使わないで、切れ味のよい文章にする」ことです。文をあいまいにしている表現の1つに、次のような「二重否定}の表現があります。

その考え方に賛成しないわけではない→その考え方に賛成する

A社とB社からの内定がもらえる可能性もないといえない→A社とB社から内定がもらえる可能性もある。

転職しない、とは言っていない。→転職するかもしれない。

 

主語があいまいな受け身は使わない

文をあいまいにさせるもう一つの避けたい表現は「受身形」です。~れる、~られる、で表現され友達に誘われた、宝物とされているのように主語がなくても成り立ってしまいます。

申込が受け付けられると、参加確認のメールが送られます。→私が申し込みを受け付けたら、担当者が参加確認のメールを送ります。

お気に入りの本を雑に扱われて、ボロボロになった→友人は、私のお気に入りの本を雑に扱い、ボロボロにした。

この交渉の切り札とされているのは、今回のリサーチの結果だと思われる。→私は、この交渉の切り札は、今回のリサーチの結果だと思う。

プロジェクトは早期に実現されることを望まれている。→社長は、プロジェクトが早期に実現することを望んでいる。