5勘定科目と資産・負債・純資産ルールと収益と費用について

●貸借対照表と損益計算書の中身・・・

簿記を説明する上で欠かせない書類が2つあります。貸借対照表と損益計算書です。これら2書類と「キャッシュフロー計算書」を合わせたものを一般的に決算書と呼んでいます。

貸借対照表は、ある時点における会社の財産を一覧にした書類。損益計算書は、その財産がどのように増えたのか(減ったのか)を表した書類です。

貸借対照表は、資産、負債、純資産という3項目で成り立っており、損益計算書は、収益、費用という2項目で成り立っています。そしてこの5項目は、まとめて5勘定と呼ばれています。

             貸借対照表
資産 負債
純資産

※ある時点における会社の財産一覧

             損益計算書
費用 収益
利益(損失)

※いくら使っていくら儲けたかを示す表

 

  • ①資産のグループ
  •  財貨や権利
  • ②負債のグループ
  •  借金
  • ③純資産のグループ
  •  株主の持ち分、社内で蓄積された利益
  • ④収益のグループ
  •  収入(財産の増加要因)
  • ⑤費用のグループ
  •  経費(財産の減少要因)

 

5勘定 勘定科目 内容
資産 現金・預金・受取手形・売掛金・有価証券・繰越商品・建物・車両運搬具・機械装置・備品・土地など プラスの財産
負債 支払手形・買掛金・借入金・未払い金・預り金など マイナスの財産
純資産 資本金・資本準備金・その他資本剰余金・利益準備金・任意積立金・繰越利益剰余金など 元金、蓄積した利益
収益 売上・受取利息・受取配当金・受取手数料・有価証券売却益など 収入となるもの
費用 仕入・給料・通信費・旅費交通費・交際費・水道光熱費・支払利息・有価証券売却損など 経費となるもの

(例:自動車・自転車→車両運搬具/電気代・水道代→水道光熱費/電話代・ハガキ代・切手代→通信費/株券・国際→有価証券/電車費賃・タクシー代→旅費交通費/商品の販売→売上/商品の購入→仕入)

 


 

●資産、負債、純資産のルール

貸借対照表は財産を一覧にした書類です。一口に財産といっても、その中にはプラスの財産とマイナスの財産がありますが、貸借対照表では、プラスの財産を「資産」、マイナスの財産を「負債」と表現しています。

「資産」には現金、預金だけでなく、貸与金のように資産自体は手元にないものの、保有する権利のあるものも含まれます。

「負債」はマイナスの財産ですから、いわゆる借金だと考える。借入金(金融機関や親会社などから借りたお金)や支払手形などがこれに該当します。プラスの財産である資産からマイナスの財産である負債を引いたものが「純資産」ですが、経理ではこれを「純資産」とよびます。

純資産は大きく分けると資本金と剰余金に分かれます。株式会社の場合、株主になる人たちは配当金を得るために数式を購入します。株式を通じて、会社にお金を出資するわけです。このお金が資本金です。

剰余金は利益の蓄積のこと。会社は配当金などを分配した後、残った利益を将来起こるであろうさまざまな事態に備えて蓄えていますが、これが剰余金です。

 


 

●収益と費用のルール

次に、損益計算書の2つの項目です。

損益計算書とは、その財産がどのように増えたのか(減ったのか)を明らかにした書類でした。たとえばパンやさんなら、パンを売ることで、「売り上げ」が発生します。この売り上げは、損益計算書では「収益」と表示されます。

一方、パンをつくるには小麦粉や砂糖などの材料を購入しなければいけません。製造や販売に従事する人を雇うことも必要でしょう。このようにパンをつくるための必要なさまざまあな経費のことを「費用」を差し引いたものが「利益」です。

ただし、ここで注意したいのは、「利益」は常に「利益」ではないということ。

差し引いた結果がプラスであれば「利益」ですが、マイナスなら「損失」になりますから注意してください。常に利益を出すためには、売り上げを増やすとともに、経費の節約にも着手して、両者の差し引きをプラスにしなければいけません。

・収益、費用、利益の計算式

収益-費用=プラス(利益)/収益-費用=マイナス(損失)