■返事・相づち
原型 | 適切な相づち |
ありがとう | ありがとうございます |
わかりました | かりこまりました。承知いたしました |
そうです | さようでございます。※さようです、はNG |
そうですか | さようでございますか。※さようですか、はNG |
いいです | 結構です。※よろしいです、は目上→目下なのでお客様にはNG |
いえいえ | とんでもないです。※とんでもございません、は誤りとの考え方もある |
もしもし、ええ・・・はいはい、ええと・・、ああ、はい→間延びをした印象を与えるため使用しない |
■呼称
原型 | ビジネスシーン |
ぼく・わたし・自分 | わたくし |
ぼくたち・わたしたち | わたくしども |
自分の会社 | わたくしどもの会社・当社※弊社、は書き言葉 |
相手の会社 | 御社 ※貴社、は書き言葉 |
家族 | ご家族・皆様・ご一同様 |
両親 | ご両親・お父様・お母様 |
夫 | ご主人※お客様が主人と使わない場合は〇〇様と名前で呼ぶ |
妻 | 奥様 |
男児 | ご子息、ご令息・お坊ちゃま |
女児 | お嬢様・ご息女 |
■クッション言葉
お客様の希望に添うことができない時や依頼する時、クッション言葉を用いて謙虚な気持ちを表現します。お客様との会話をより円滑にする効果があります。
言葉 | 効果・使用例 |
恐れ入りますが | 様々な場面で使用できる万能なクッション言葉。例)恐れ入りますが、お名前を教えていただけますでしょうか |
お手数ですが | お客様にお手間を取らせる場合に使用する。例)お手数ですが申込書をお送りいただけますでしょうか。 |
お足労ですが | どこかに足を運んでいただく、来ていただく場合に使用。例)ご足労ですが、店舗までお越しいただけますでしょうか。 |
よろしければ | こちらから提案をする時に使用。例)よろしければ〇〇をお試しいただけますでしょうか |
大変失礼ですが | よりかしこまって質問をする場合に使用。例)大変失礼ですがご本人でいらっしゃいますでしょうか |
お差し支えなければ | 立ち入った内容などを質問する場合に使用(年齢/家族構成など)例)お差し支えなければ生年月日をお伺いしてもよろしいでしょうか。 |
あいにくですが |
お客様の要望にお応えできない場合に使用。例)あいにくですが、〇〇は席を外しております。 |
■電話応対基本用語
基本用語 | ポイント | |
電話を受ける・かける | お電話ありがとうございます。 | ・最初の第1声が肝心、明るく感じのよい印象を与える |
お待たせいたしました | 3コール以上でお待たせした場合には忘れずに | |
いつもありがとうございます |
自社の製品やサービスに興味を持っていただいたことに対する、感謝の気持ちを伝える |
|
どのようなご用件でしょうか | どんな、どういったは丁寧に欠ける | |
突然のお電話で申し訳ございません | 名乗る前に一言断りを入れる | |
ただいま、お時間のご都合はよろしいでしょうか | 必ずお客様のご都合を伺い、承認を得る | |
お休みのところ恐れ入ります | 週末にかける場合には一言断りを入れる | |
対応中 | 復唱/確認させていただきます | |
メモのご用意はよろしいでしょうか | ||
少々お待ちくださいませ | ただいまお調べいたしますのでなど理由を伝える | |
大変お待たせ致しました | 保留後はいきなり用件から始めない | |
お電話が遠いようです | お客様の声が聞きとりにくい時の表現 | |
他にご不明な点はございますでしょうか | 他にもご不明な点があるかもしれないため電話を終える前に確認する | |
電話を終える | お電話ありがとうございます | 製品やサービスに興味をもってくださったことへの感謝 |
わたくし、〇〇が承りました |
最後も必ず名乗り、責任の所在を明確にする | |
今後ともよろしくお願いいたします | 次の機会にも自社の製品やサービスを利用していただけるような印象を残す | |
お忙しいところありがとうございました | お時間をとってくださったことへの感謝を伝える |
■お詫び・お礼
お断りや謝罪をする時に豊富な言葉でお詫びの気持ちを伝えましょう。
- ・申し訳ございません
- ・大変、失礼いたしました
- ・ご迷惑をおかけいたしました
- ・お手数をおかけいたしました
- ・ご不快な思いをさせてしまい申し訳ございません
- ・大変お待たせして申し訳ございません。
申し訳ございませんを繰り返すのではなく何に対してお詫びをしているのかを明確にしましょう。
■否定や不安を感じさせる言葉
お客様の否定や批判につながる言葉、不信、不安を感じさせる言葉に注意しましょう。
言葉 | お客様にはこのような印象が残ります |
カタログをご覧にならなかったのですか | カタログを見れば書いてあると冷たく案内された |
先ほども申し上げましたように | さっきも言ったじゃないですかと言い返された |
ご存知のように | 知っていてあたりまえ知らない私がいけないの? |
一応、とりあえず、~と思います | 曖昧な案内や意見ではなく確実な情報が欲しいのに、本当に大丈夫か |
■専門用語・社内用語・略語
不適切な用語 | 適切な用語 |
自分の社名を直接言う | わたくしどもの会社、当社 |
クライアント | お客様 |
エンドユーザー | お客様 |
取説 | 取扱説明書 |
コールバック・折電 | 折り返しお電話いたします |
離席 | 席を外す |
携帯 | 携帯電話 |
PC | パソコン |
デジカメ | デジタルカメラ |
■共感を表す言葉
言葉 | 効果 |
おっしゃるとおりでございます | お客様のご要望を受け止める姿勢を表す一言。企業として答えられない場合でもまずは受け止める姿勢が大切 |
ありがとうございます | 製品・サービスに興味を持ってくださったことへの感謝の一言 |
お気持ちお察しいたします それはお困りでいらっしゃいますね |
お客様の困っている気持ちに配慮する一言。ただしこちら側に原因がある場合には不適切 |
今後十分注意いたします | お客様から注意・ご指摘があった場合に有効な一言 |
今後の参考にさせていただきます 貴重なご意見として承ります |
お客様からご意見・ご要望があった場合に有効な一言。クレーム対応の時にも効果を発揮 |
■依頼形・肯定形
依頼形 | |
お客様に依頼をする時は、依頼形を用いて抵抗感を軽減する | |
~してください(命令形) ↓ ~していただけますでしょうか(依頼形) |
・お名前を教えていただけましょうか ・少々お待ちいただけますでしょうか ・カタログの39ページをご覧いただけますでしょうか |
肯定形 | |
お客様に案内をする時は肯定形を用いてお客様の立場を尊重する | |
~ません(否定形) ↓ ~ます(肯定形) |
・すぐにはご案内いたしかねます ・わたくしではわかりかねます ・ご希望の色はご用意いたしかねます |
■口癖
口癖の多用は幼い印象を与えるだけでなく、お客様に不快感を与える場合があります。常に自分の口癖を意識しかいぜんしましょう。
口癖 | |
よろしかったでしょうか | 現在お客様と接しているので過去形はNG ×1点でよろしかったでしょうか→よろしいでしょうか |
~のほう | 二者択一をする時や方角を示す場合以外はNG ×お名前のほうを→〇お名前を |
~になります | 物が状態を変える場合に使用 ×新商品になります→〇新商品でございます |
~で | 復唱・確認する場合は述語で終わる ×お名前は〇〇様で→〇〇様でいらっしゃいますね |
全然+肯定形 | 全然は打ち消しの意味なので肯定形には不適切との考え方があり、お客様応対には使用しない |
他にも・・・ ~的に ~のかたち 自分の言ったことに対してのはい |
■敬語(電話応対編)
【丁寧語】
です・ます調で表現し、物や同等の相手に対して使う言葉。丁寧になり過ぎない程度に敬意を払いたい場合に使用。
【尊敬語】
相手の言動や状況を言い換え、直接的に敬う言葉。※主語は常に相手側(お客様が~)
【謙譲語】
こちら側の言動や状況をへりくだって表現し、間接的に相手を敬う言葉。※主語は常にこちら側(わたくしが~/わたくしどもが)
原型 | 尊敬語 | 謙譲語 |
いる | お客様は3階にいらっしゃいます | わたくしは駅前におります |
する | 何をご注文なさいますか※なさる、される | わたくしがご説明いたします |
行く | どちらへいらっしゃるのですか※行かれる、おいでになる | 11時にそちらに伺います。※伺う、参る |
来る | お客様がいらっしゃいました※いらっしゃる、お見えになる、お越しになる | 会社までは自転車で参ります |
見る | 新商品をご覧ください | お客様からのお手紙を拝見しました |
聞く | 説明をお聞きください | わたくしがお話しを伺います※拝聴するは書き言葉 |
言う | お名前をおっしゃっていただけますでしょうか | もう一度申し上げます※申す、申し上げる |
知る | 会員番号はご存知でしょうか |
A社の場所は存じています※存じております、存じ上げております、は二重敬語だが許容。「存知上げる」は、対象の人の場合に使用するが物、用件、場所でも許容 |
【尊敬語と謙譲語の混合】
- ×お客様はどちらにおられますか→おるは謙譲語。
- 〇お客様はどちらにいらっしゃいますか
- ×ご持参ください→持って参るは謙譲語
- 〇お持ちください
【二重敬語と過剰敬語】
- ×お客様がおっしゃられました→おっしゃる+られる=二重敬語
- 〇お客様がおっしゃいました
- ×ご確認していただく→確認する+していただく=二重敬語
- 〇ご確認いただく
- ×お聞きになっていらっしゃいますでしょうか
- →お聞きになる+いらっしゃる+でしょうか
- →過剰敬語(文法的な誤りはないがわかりづらい)
- 〇お聞きになっていますか
【敬語:エクササイズ①】
下記の語をそれぞれ尊敬語、謙譲語に変えましょう。
尊敬語 | 謙譲語 | |
①いる | お客様は3階にいます→いらっしゃいます | わたくしは駅前にいます→おります |
②する | 何をご注文するのですか→なさいますか | わたくしが説明します→いたします |
③行く | どちらへ行くのですか→いらっしゃる※行かれる、おいでになる | 11時にそちらに行きます→伺います※参ります |
④来る | お客様が来ました→いらっしゃいました※お見えになりました、お越しになりました、来られました | 渋谷までは自転車で来ます→参ります |
⑤見る | 新商品を見てください→ご覧 | お客様からのお手紙を見ました→拝見しました |
⑥聞く | 説明を聞いてください→お聞き | わたくしがお話を聞きます→伺います |
⑦言う | お名前を言ってください→おっしゃって | もう一度言います→申し上げます※申します |
⑧知る | 会員番号を知っていますか→ご存知ですか | A社の場所は知っています→存じております※存じております、存じ上げておりますは二重敬語だが許容、上げるは対象が人の場合に使用するが物、用件、場所でも許容 |
【敬語:エクササイズ②】
下記の語、表現を正しいビジネス表現にかえましょう。
- ①わかりました→かしこまりました
- ②そうです→さようでございます
- ③ごめんなさい→申し訳ございません
- ④わかりません→わかりかねます
- ⑤できません→できかねます
- ⑥どうですか→いかがでしょうか
- ⑦今、席にいません→ただいま席を外しております
- ⑧さっき→さきほど
- ⑨ちょっと待って下さい→少々お待ちくださいませ