退職理由の書き方(職務経歴書に書く退職理由も)

 

1.退職願・退職届・辞表―退職理由の書き方・例

退職願・退職届・辞表の退職理由はどう書くべき?

「退職願」「退職届」「辞表」で書く退職理由は、どんな理由であれ『一身上の都合により』とだけ記載すれば十分です。法律上、詳細な退職理由を会社側に明示する義務はありません。

~退職願・退職届・辞表の違い~

書類-1.退職願
「退職願」とは、漢字のとおり「退職を願い出る書類」です。自分の意志で会社を退職するときに、会社に提出します。
会社側が退職を承諾するまでは、撤回することができます。書類-2.退職届
「退職届」とは、「退職を届け出る書類」です。「退職願」が会社側に承認され、退職日も決まった際に最終的な退職の意志を会社側に伝えるものです。

退職願とは異なり、原則撤回することはできません。

書類-3.辞表
「辞表」は、経営者や役員(場合によって課長以上の役職についている人も)等、一定の役職にある人が「退職を願い出る書類」です。内容は基本的に「退職願」と同じです。

 

退職願・退職届・辞表のサンプル事例
【退職願・辞表のサンプル事例】

※辞表の場合は、封書表に『辞表』と記入。

※基本的にのりで封筒を止める必要はありません。

※基本的にのりで封筒を止める必要はありません。

2.履歴書―退職理由の書き方・例

履歴書の退職理由はどう書くべき?

「履歴書」に退職理由を書く箇所は、下記サンプル事例でいうと『学歴・職歴など』の部分です。
前職を退職した月の横に退職理由を一行で書きましょう。

自分の意志で退職した場合は、『一身上の都合により』で十分です。もし、倒産や部署の閉鎖、リストラなどで退職せざるをえなくなった場合は、
『会社都合により』と書きましょう。

ただし、面接時には細かな退職理由まで聞かれることもありますので、退職理由をどう話すかは考えておきましょう。

履歴書の退職理由のサンプル事例

3.職務経歴書―退職理由の書き方・例

職務経歴書の退職理由はどう書くべき?

基本的には「職務経歴書」に退職理由を書く必要はありません。
ただし、転職回数が多い方や、やむをえない理由で退職した方は、退職理由を書くことで
「自社においてもすぐに退職してしまうのでは」と採用担当者に心配される懸念を払拭できる可能性があります。

転職回数が多い場合の退職理由の書き方・例文

ポイントは3点あります。

退職理由はシンプルに

退職理由の詳細は面接で聞かれるケースが多いため、職務経歴書では1~2文ほどで退職理由をまとめましょう。
書くべき箇所は、下記『3-3.職務経歴書の退職理由サンプル事例』でご確認ください。

ネガティブな理由をポジティブに

「現職では身につくスキルが限られている」「担当分野が自分のやりたいことではない」などの
ネガティブな理由で退職する場合もあるかと思います。ただ、その内容をそのまま書いてしまうと
採用担当者に良い印象を持ってもらえない可能性があります。
下記のようにネガティブな退職理由をポジティブに表現しましょう。
例1)
「現職では身につくスキルが限られているため退職」
⇒「○○の技術・スキルを身につけたいと思い退職」
例2)
「担当分野が自分のやりたいことではないため退職」
⇒「○○分野に挑戦したいと思い退職」

類似した転職理由は書かない

同じような理由で転職を繰り返すこともあるかと思います。ただし、前職の退職理由でも、前々職の退職理由でも
同様の転職理由が書かれていると、採用担当者は「また同様の理由で退職してしまうのではないか」と不安に思う可能性が高いです。
そのため、同様の理由で退職をしていたとしても、異なる表現で退職理由を書きましょう。

職務経歴書の退職理由のサンプル事例

会社によってはこんなことも・・・

これらの書類以外にも、一部の会社では、退職時にアンケートや会社独自の書類に退職理由を記入する必要があるケースがあります。
多くの場合、退職理由が『一身上の都合』としか書かれないため、本当の理由を会社側が把握することが目的です。
いきなり提出を求められると戸惑いますが、次の2点を押さえて書けば大丈夫ですので、あまり難しく考えずに臨みましょう。

会社への不満を書かない

退職理由として、給与や人間関係、残業など会社への不満を書くと、「それを改善するからこの会社に残ってくれ」と引き止められる原因になることがあります。
また、円満に退職するためにも不満を書くことは避けた方がよいでしょう。
「○○分野に挑戦したいと思い退職」「夫の転勤に伴い、引っ越すため」など、今の職場ではできない仕事や
会社以外のやむをえぬ事情を書きましょう。

曖昧な書き方をしない

会社に遠慮をして、退職理由を曖昧にすると、会社は交渉すれば退職を止められるかもしれないと考えることも。会社のためにも、ご自身のためにも、はっきりとした表現で退職理由を書きましょう。

4.まとめ

「退職理由を書く」と一口にいっても、書類ごとに書き方や書くタイミングも異なりますし、退職理由の読み手も違います。
円満な退職・あなたに損のない転職活動ができるよう、書類ごとに適切な退職理由の書き方をしましょう。