使える言葉集
名詞編
<見込み>
- 見込み・・・予想して勘定に入れること(ひどい見込み違いだった)
- 見通し・・・将来まで見越すこと(来期の見通しが立たない)
- 目算・・・予期したもくろみ、計算(目算がすっかり外れた)
- 予感・・・事前になんとなく感じること(良いことが起きそうな予感がする)
- 予期・・・前もって期待や覚悟をすること(予期せぬ出来事に驚いた)
- 予想・・・将来の事態を推測すること(今年の夏は冷夏と予想されている)
- 予測・・・将来の事態を推測すること(予測不能の事態が発生した)
<意見>
- 意見・・・ある問題についての考え(二人の意見が分かれる)
- 思い・・・気持ち。もくろみ。(みんなの思いは一つだ)
- 管見・・・自分の知識や見解の謙称(管見によれば、これは大変なことだ)
- 感想・・・ある物事に対して心に感じたこと(ぜひ感想をきかせてほしい)
- 愚見・・・自分の意見の総称(愚見をご披露させていただきたい)
- 見解・・・物事に対する考え方や評価(政府の正式見解が発表された)
- 見識・・・鋭い判断に基づく意見(高い見識をお持ちだ)
- 雑感・・・まとまりのない、さまざまな感想(私のブログは雑感ばかりです)
- 私見・・・自分だけの個人的見解(ここで私見を申し上げるのは遠慮する)
- 所感・・・心に感じたこと(年頭の所感を申し上げます)
- 所見・・・観察や診断の結果、意見(主治医の所見はどうだった?)
- 主張・・・自分の意見を強く言うこと(彼は自己主張が強い)
- 知見・・・見て知り、身に着けたもの(あの人は広い知見の持ち主だ)
- 定見・・・はっきり定まった考え(定見がない人は、いつもふらついている)
- 見方・・・物事についての考え方(さすがに専門家の見方は鋭い)
<効果>
- 効果・・・良い効き目、望ましい結果(あの一手がうまい効果を挙げた)
- 効き目・・・作用が期待通りに効いたしるし(著しい効き目があった)
- 効・・・効き目、しるし(作戦が見事に効を奏した)
- 効能・・・薬などによるよい作用(この温泉は神経痛に効能がある)
- 効用・・・プラスの作用、効き目、用途(お酒にはさまざまな効用がある)
- 効力・・・効果を発揮できる力(この契約はもう効力を失っている)
- 実効・・・実際の効力(今求められているのは実効のある施策だ)
<やり繰り>
- やり繰り・・・不足を工夫して都合すること(返済のやり繰りで頭が痛い)
- 切り盛り・・・物事をうまく処理する事(家事の切り盛りが上手ですね)
- 工面・・・工夫をしてお金や品物をそろえること(資金の工面が大変だ)
- 算段・・・方法を工夫して都合をつけること(年越しの算段がつかない)
- 都合・・・いろいろ手を尽くして整えること(会場の都合がつかない)
- 融通・・・臨機応変にしょりすること(融通の付かないやつだ)
<様子>
- 様子・・・物事の状態や動き、情勢(子供たちの様子がおかしい)
- 有様・・・見たままの状態。よくないことにも使う(何という有様なのだ)
- 状況・・・ある事がらみで変化する物事の様子(状況が一変した)
- 状態・・・人や物事のその時点のありさま(被災地は手の付けられない状態だ)
- 模様・・・物事の成り行きや状況(一行は無事、現地に着いた模様です)
- 様相・・・外に現れた様子(駅前の再開発で街の様相が一変した)
形容詞・形容動詞編
<激しい>
- 激しい・・・敵の激しい攻撃にさらされた(勢いが強く鋭い)
- 過激・・・あえて過激な方法で訴えた(度を越して激しい)
- 強烈・・・強烈な夏の日が差してきた(強くて激しい)
- 熾烈・・・熾烈な生存競争が展開されている(勢いが盛んで激しい)
- 激烈・・・両陣営は激烈な死闘を繰り広げた(きわめて激しい)
- 凄まじい・・・凄まじい勢いで火が燃え広がった(おそろしいほど激しい)
- 痛烈・・・痛烈なヤジが飛んできた。(非常に激しい)
- 熱烈・・・熱烈な歓迎を受けた(感情が高ぶって激しい)
- ものすごい・・・ものすごい形相で怒り出した(驚くほど激しい)
<穏やか>
- 穏やか・・・穏やかな一日が終ろうとしている(荒々しくない)
- 穏健・・・穏健な思想の持ち主だ(穏やかでしっかりしている)
- 穏便・・・どうか穏便な措置を(物事の角が立たず穏やかな)
- 穏和・・・穏和な表情に癒される(穏やかで角が立たないさま)
- 温和・・・ここは機構が温和だ(あたたかくて穏やか。性格や気候に使う)
- 丸い・・・年を取ってだいぶ丸くなった(性格が円満である)
<強い>
- 頑丈・・・頑丈なつくりの金庫だ(強くて丈夫)
- 強固・・・強固な意志をもっている(しっかりしていて動かない)
- 強靭・・・強靭な体力を競うゲームだ(しなやかで強い)
- 堅牢・・・玄関に堅牢なドアを入れた(つくりが堅くて丈夫)
- 丈夫・・・丈夫な体に産んでもらった(しっかりして壊れにくい)
- 強い・・・このひもはとても強い(抵抗力に富み、簡単に壊れない)
<弱い>
- か弱い・・・か弱い女の細胞でこの子たちを育てた(弱弱しく頼りない)
- ひ弱い・・・ひ弱い体質なので、すぐ風邪をひく(もろくて弱い)
- 弱い・・・弱いから負けたのだ(力が乏しい)
- 弱弱しい・・・弱弱しそうで、あれでけっこう強いのだ(いかにも弱そう)
<大事>
- 大事・・・私の大事な宝物です。(大きな位置を占め重要など)
- 得難い・・・得難い証言が得られた(手に入れにくい)
- 貴重・・・貴重なアドバイスをいただいた(きわめて大切な)
- 大切・・・大切な写真はしっかり保存する(大切な、貴重な)9
- 有意義・・・有意義な時間を過ごした(意義のある)
<無意味>
- 無意味・・・無意味な時間をすごしてしまった(意味がない)
- あほくさい・・・あほくさくて話にならない(愚かである)
- くだらない・・・くだらない中傷はやめろ(価値や程度が低い)
- つまらない・・・・それはつまらない言いがかりに過ぎない(取るに足らない)
- ばかばかしい・・・ばかばかしいから相手にしない(非常にばかけている)
- ナンセンス・・・ナンセンスなことをいうな(意味がない)
- 無駄・・・やる前から無駄ときめつけないで(役に立たない。効果がない)
動詞編
<歩く・走る>
- 歩く・・・駅までいつも歩いている(足を交互に出して進む)
- 走る・・・廊下を走らないでください(早く前へ進む)
- 駆け巡る・・・心当たりを駆け巡って調達した(駆け回る)
- 駆ける・・・家まで駆けて帰った(早く走る)
- 駆る・・・車を駆ってきた(走らせる。急がせる)
- 疾走する・・・100メートルをランナーが疾走する(非常に早く走る)
- すっ飛ばす・・・スポーツカーをすっ飛ばした(大急ぎで走らせる)
- 飛び回る・・・子供たちが元気に飛び回っている(あちこと走り回る)
- 這いずる・・・泥の中を這いずって進んだ(地に原をすりつけて動く)
- 這う・・・蛇が這う(手足・体をちにつけて進む)
- 走り回る・・・馬が牧場を走り回っている(あちこちに走る)
<会う>
- 会う・・・彼とは先日、会った。(特定の人と対面する)
- 這う・・・交通事故に遭ってしまった(好ましくないものに出くわす)
- 落ち合う・・・改札口で落ち合うことにした(決めた場所であう)
- かち合う・・・集会で政敵同士がかち合った(まずいタイミングで出会う)
- 出会う・・・知人のパーティーで旧友と出会った(人やもの、事件に行き合う)
- 出くわす・・・来る途中、知人と出くわした。(偶然に出会う。行き会う)
- 鉢合わせする・・・会いたくない人と鉢合わせした(ばったり会う)
<思う・考える>
- 思う・・・故郷を思う(心に浮かべる。心を働かせる。情的・意思的な面が強い)
- 考える・・・プランを考える(あれこれ思いをめぐらす、知的な面が強い)
- 慮る・・・先方の事情を慮る(よくよく考える。細かく気をつかう)
- 勘案する・・・特別な事情もきちんと勘案した(考え合わせる9
- 思案する・・・論理的に思考する力をつけたい(知的に考える)
- 思慮する・・・もっとよく思慮して行動しなさい(深く慎重に考える9
- 存じる・・・近々、お邪魔したいと存じています(思う・考えるの謙譲語)
- 念じる・・・ご成功をと念じております(強く思う)
<注意する>
- 注意する・・・横断時には、車が来ないか注意する(気をつける)
- 気を配る・・・失礼のないように気を配る(ぬかりのないように注意する)
- 気をつける・・・敬語には気をつけよう(注意する)
- 気を回す・・・彼女は余計な所にまで気を回しすぎる(気持ちを働かす)
- 警戒する・・・台風の襲来を警戒する(好ましくないことが起きないよう注意する。注意→用心→警戒の順に強まる)
- 心がける・・・安全第一を心がけている(つねにこころを向ける)
- 念を入れる・・・念を入れて点検してほしい(十分に注意する)
- 配慮する・・・体の不自由な人に配慮して設計した(心を配る9
- 留意する・・・健康にはくれぐれも留意してほしい(心にと留める)
- 用心する・・・ウイルスに感染しないよう用心する(万一に備え注意する)
副詞編
<つまり>
- つまり・・・つまり、私の負けですね(最後に行き着くところ)
- 挙句の果て・・・酔った挙句の果て、けんかになった(挙句の連歌の最後の句であることから、最後の最後しまいには)
- 言い換えれば・・・わかりやすいように言い換えれば~(ほかの言葉で言えば。換言すれば)
- いわば・・・彼はいわば裸の王様だ(たとえて言えば)
- 結局・・・結局、会談決裂に帰した(最後に落ち着く先は。結局のもとの意は囲碁を一局、打ち終えること)
- すなわち・・・フランスの首都、すなわちパリ。(言い換えれば)
- とどのつまり・・・とどのつまり、協力していくことなった(魚のボラが成長につれて名が変わり、最後にトドになることから、結局、ついにの意)
- 取りも直さず・・・平凡な日常こそが、取りも直さず、本当の幸せなのだ(それがただちに。ほかでもなく)
- 要するに・・・要するに、賛成できないわけだ(かいつまんで言えば)
<もっぱら>
- もっぱら・・・暇なときはもっぱら美術館巡りをした(そのことだけに)
- 一途に・・・彼女のことを一途に思いつめている(純粋にひとつのことだけを追い求めるさま)
- ひたすら・・・ひたすらお詫びに徹した(純粋にひとつのことだけをするさま)
- ひたむきに・・・ひたむきに努力した(ひとつのことに心を向けるさま)
- ひとえに・・・日ごろのご厚情にひとえに感謝に申し上げます(ただただ、一重に)
- 一筋に・・・父は職人一筋に生きた(ひとつのことに一貫して心を注ぐさま)
<さしあたり>
- さしあたり・・・さしあたり必要なものは買い揃えた(今のところ)
- さしずめ・・・さしずめ、これで足りる(さしあたりの改まった表現9
- 当座・・・当座の間に合わせにはなる(しばらくの間)
- 当分・・・余震が当分、続きそうだ(この先、ある程度の期間)
- 当面・・・当面、生活に困らない(今後しばらく。名詞だが副詞的にも使う)
- とりあえず・・・とりあえず知らせておく。(すぐに。取るべきものも取らずに)
- ひとまず・・・ひとまず落ち着いた(何はともあれ。まずは)
<はたして・期せずして>
- はたして・・・はたして大会は大成功は終った(見込みのとおりに)
- 期せずして・・・期せずしてみんなの意見が一致した(思いがけず。偶然)
- 案の定・・・案の定、やつらはグルだった(思ったとおりに。悪い例が多い)
- 意外に・・・実物は意外に大きかった(思いもしなかったことに)
- 存外・・・馬鹿と思ったら、存外、利口だった(予期した以上に)
- 殊の外・・・殊の外、手間取った(思ったのとかなり違って)
- 図らずも・・・図らずも代表選手に選ばれた(思いがけず)
- はたせるかな・・・はたせるかな、彼は合格した(思ったとおりに。やや古風)
- 端無くも・・・端無くも目撃されてしまった(ふと。思いがけず)
- やっぱし・・・やっぱし悪いことはできないね(やっぱり崩れた形)
- やっぱり・・・やっぱりお前さんだったか(やはりの強めの表現)
- やはり・・・やはり本命が強かった(思ったとおり)
助詞・その他
<ずつ>
- ~ずつ・・・・一人に二つずつ配った(等しい分量を割り振る、繰り返す)
- ~あて・・・一人あて2000円の分担です。(~に対しての割合、平均)
- 各々・・・今こそ、各々の自覚が問われている(一人ひとり)
- 各・・・各団体に通知を出しておいた(一つ一つ。やや古風)
- 各自・・・昼食は各自で用意するように(一人ひとり。やや改まった感じ)
- ~ごと・・・10センチごとに印をつける(~のたびに)
- めいめい・・・めいめいにお土産がついている(一人ひとり。やや古風)
- それぞれ・・・それぞれの流儀でやろう(それの反復語、各々)
<例示>
- ~だの・・・青だの赤だの、彩り豊かだ(全体の中からいくつかを列挙する)
- ~とか・・・山田とか鈴木とか懐かしい面子だ(例示し列挙する)
- ~など・・・シーオーツーなどの温室効果ガス。(事物を例示して同類の代表とする)
- ~等々・・・わかめ、昆布等々の海藻類(などを強めた表現。などなど)
- ~やら・・・泣くやらわめくやらで、大変だ。(事物をあれこれ並べる)
<限定>
- ~限定・・・お子様限定のサービスです。(物事の範囲を限る)
- ~限り・・・応募は今月限りとさせていただいております。(時や数、場を限定する)
- ~きり・・・あれっきり姿を見せない(物事の最後の区切り9
- ~しか・・・参加者は5人しかいない(後ろに打ち消しを伴い、それと限るの意)
- ~だけ・・あなただけにお知らせします(程度・範囲の限界を示す)
- ~ばかり・・・5つばかりください(物事の程度、範囲を限る)
- ~ぽっち・・・1000円ぽっちも貸してくれない(わずかに~だけ)
<逆説の接続詞>
- けれども・・・人は弱いものだ。けれども、逆境にあうと強くなる(前の事柄とふつうは矛盾することを続けて言うときに使う)
- しかし・・・総論は賛成だ。しかし、各論は別だ(先の話と反対または一部違うことを言う)
- だが・・・言葉遣いは丁寧。だが、態度は横柄だ(しかしより弱い)
- でも・・・品はいい。でも、値段が張る(だがよりやわらかく、会話向き)
- ところが・・・呼ばれたから行った。ところが、何しにきたという態度だ(そうであるのに)
<の折>
- ~の折・・・帰省の折、恩師にあった(物事の変わり目となるとき)
- ~の際・・・非常の際には、ここから脱出してほしい(とき。折)
- ~の節・・・出張の節はお世話になりました(ある事柄のあった折)
- ~とき・・・一刻を争うときは、この限りではない(選考する条件を示す)
- ~場合・・・困った場合は、すぐに連絡しなさい(とき。折)
<逆境を克服>
- ~に抗い・・・不遇な境遇に抗い、生き抜いた(従わずに争って)
- ~に耐え・・・弾圧に耐え、主張を貫く(もちこたえ。屈せず)
- ~に歯をくいしばり・・・重なる不幸にも歯を食いしばって耐えた(苦痛や無念さをこらえて)
- ~に負けず・・・誘惑に負けずに勉学に励んだ(敗れることなく)
- ~を跳ね返し・・・ハンディを跳ね返して活躍する(少しも受け付けず)
- ~をものともせず・・・あらぬ中傷をものともせず、自らの志を貫いた(困難や障害を問題にせず)
身体の一部を使った慣用句
<頭・髪・顔>
- 頭打ち(物事の限界)・・・営業成績の伸びももう頭打ちだね
- 頭が痛い(悩んでいる)・・・資金繰りで頭が痛くてね
- 頭が固い(考え方が古い、柔軟でない)・・・どうしても年を取ると頭が固くなる
- 頭が切れる(頭脳の働きが鋭い)・・・見るからに頭に切れそうな人ですね。
- 頭が下がる(人柄や態度や立派で尊敬する)・・・彼のリーダーシップには頭がさがる
- 頭を切り換える(考え方を変える9・・・時代が変わったのだから、頭を切り換えないと
- 頭を出す(力を発揮して認められる)・・・やっぱり彼が頭を出してきた
- 頭をもたげる(悪い考えや事柄が浮かんでくる)・・・つい手軽に済まそうと考えが頭をもたげる
- 後ろ髪を引かれる(未練が残る)・・・後ろ髪をひかれる思いで引退した
- 顔役(仲間の中の代表者、主役)・・・彼は地元ではなかなかの顔役だった
- 顔が売れる(有名になる)・・・この評論家は最近になって顔が売れてきた
- 顔に泥を塗る(恥をかかせる)・・・私の顔に泥を塗る気か
- 顔を曇らせる(心配で表情が暗くなる)・・・案件の見通しがよくないので、課員たちが課を曇らせている
- 顔を立てる(面子をたてる)・・・私の顔を立て、どうかひきさがってくれないか
- 顔から火が出る(とてもはずかしい)・・・顔から火が出る思いをしてようやく一人前だ
- 顔向けできない(恥ずかしくて会うこともできない)・・・こんな失敗するなんて、協力してくれた仲間に顔向けできない
<目>
- 目のつけ所(着眼点、狙いどころ)・・・目のつけ所を変えるだけで問題が解決することもある
- 目が利く(見抜く力がある)・・・あの人は不正経理の発見には目が利く
- 目が肥える(いいものを見分ける力がつく)・・・展覧会巡りをしているうちに目が肥えた
- 目が届く(注意が行きわたる)・・・上司の目の届かないところで何をしているかわからない
- 目が回る(とても忙しい)・・・年末は繁忙期で目がまわるほど忙しい
- 目に余る(見過ごせない)・・彼のわがままは目に余る
- 目を疑う(意外さに驚く)・・・夢ではないかと目を疑う
- 目を奪う(見とれさせる)・・・山の紅葉に目を奪われる
- 目を覆う(まともに見られない)・・・この成績には目を覆いたくなる
- 目を輝かす(張り切る)・・・新しい案件に同僚は目を輝かせた
- 目を凝らす(じっと見る9・・・どこかに突破口があるはずだと目を凝らして企画書を読む
- 目をつぶる(見逃す)・・・これだけ損害があるのに目をつぶるわけにはいかない
- 目を見張る(優れたものに感心する)・・・目を見張る活躍ぶりですね。
- 目をむく(怒りで目を大きく見開く)・・・うそをついた部下に課長は目をむいた
- 目から鱗が落ちる(悩み、迷いが解消し、急に物事の展望が開ける)・・・彼の忠告に目から鱗が落ちる
- 目先を変える(工夫して外見に変化をつける)・・・営業活動でもときには目先を変えることも重要だ
- 目に見えて(はっきりと、顕著に)・・・キャンペーンの効果は目に見えて明らかだ
- 目端が利く(その場の状況に機敏に反応できる)主任はどんなときも目端が利く人だから信頼できる
- 目星をつける(見当をつける)・・・だれがキーマンなのかは目星がついている
- 目もくれない(関心がない)・・・彼は仕事中は何があっても目もくれずに集中している
<鼻・耳>
- 鼻が利く(勘が鋭い)・・・この分野に鼻が利く人が必要だ
- 鼻にかける(自慢する)・・・彼はいつもゴルフのスコアに鼻をかける
- 鼻につく(飽きる、いやになる)・・・人を見下した態度が鼻につく
- 鼻息が荒い(意気込みが激しい)・・・彼は難問に直面するほど鼻息が荒くなる
- 鼻であしらう(ろくな対応をしない)・・・鼻であしらわれたからといって、すごすご引き上げて来るな
- 耳学問(他人の話を聞いて知識を得ること)・・・耳学問ばかりで実践に生かせるとは限らない
- 耳が痛い(欠点や弱点を指摘されて聞くのがつらい)・・・若いときは耳が痛い話にもきちんと向き合うのが大切だ
- 耳は早い(うわさや情報やいち早く入手する)・・・優秀な人は新鮮な情報に耳がはやいものだ
- 耳を疑う(聞いたことが信じられない)・・・彼が退職すると聞いて耳を凝った。
- 耳を貸す(人の話を聞く)・・・中高年は若者の訴えに耳を貸そうとしない
- 耳をくすぐる(おだてることを言う)・・・耳をくすぐる話にばかりに真剣になっていては、いけないよ
- 耳をそろえる(金額や数量をぜんぶきちんとそろえる)・・・約束の商品は期日までに耳をそろえてお持ちします。
<口・唇・歯・舌>
- 口が重い(言葉数が少ない)・・・部長はいつも口が重い
- 口がすぎる(言い過ぎて相手をきずつける)・・・説教も必要だが口がすぎてはいけない
- 口を漏らす(言ってはいけないことをうっかりいってします)・・・私が口を滑らせたせいで、険悪なった。
- 口を添える(物事がうまくいくように後押しする)・・・部長が口を添えてくださったので、案件が取れた
- 口をそろえる(多数の人が同じことをいう)・・・各国代表が口をそろえて環境保護を訴えた
- 口を濁す(都合の悪いことをあいまいに言う)・・・あの事実について関係者は口を濁している
- 口車に乗る(うまい話にすっかりだまされる)・・・かんたんに口車に乗ってしまい、大きな損害が出た
- 唇をかむ(悔しさや怒りを我慢する)・・・わずかに目標には届かず、彼は唇をかんだ
- 歯が浮く(誠実さがなくいやらしい)・・・歯が浮くようなせりふ
- 舌先三寸(誠意や中身のないもの言い)・・・そんな舌先三寸の言葉では誠意が伝わらない
- 舌が回る(なめらかによくしゃべる)・・・とにかくよく舌の回る人
- 舌を出す(従順なふりをしていても本当はそうでない)・・・とりあえずは謝罪しているけど、きっと腹の中で笑っている
- 舌を巻く(言葉が出ないほど感心する)・・・彼のゴルフの腕前にみな舌を巻いた
- 舌の根の乾かぬうち(話し終わってすぐ)・・・気をつけると言った舌の根の乾かぬうちに同じミスを繰り返ししている
<首・肩・胸>
- 首をすくめる(驚いたり、緊張したりして首をしめる)・・・教師が大声で叱ると、子供たちは一斉に首をすくめた
- 首を長くする(待ち望む)・・・再開できる日を首を長くして待っています
- 肩が軽くなる(責任を果たし、負担が軽くなる)・・・約束を果たして肩がかるくなりました
- 肩にかかる(責任や任務がたくされている)・・・命運が肩にかかっている
- 肩を怒らす(いばっている)・・・あの人はいつも肩を怒らせた態度をとる。
- 肩を入れる(ひいきにする・援助する)・・・あの候補には有力者が肩を入れているそうだ
- 肩をおとす(がっかりする)・・・そう肩を落とす必要はない
- 肩を貸す(援助する)・・・彼の仕事に肩を貸す
- 肩を持つ(味方になる、ひいきする)・・・彼の肩を持つとは愚かだ
- 肩透かしを食う(勢いをうまくそらされてしまう)・・・文句を言いに言ったら本人が不在で、肩透かしを食ってしまった
- 胸が躍る(期待や興奮でうきうきする)・・・この本の山場には胸躍らせました
- 胸がすく(何かいいことがあって気分がさっぱりする)・・・いつも負けている相手にようやく勝てて胸がすく思いだ
- 胸が塞がる(不安や悲しみで暗い気持ちになる)・・・いたるところで環境が破壊されている事実に、胸が塞がる
- 胸に納める(その人だけの心の中にしまっておく)・・・秘密を胸に収めたまま、かれは死んでいった
- 胸に聞く(自問自答する)・・・本当にこれいいのか胸に聞く
- 胸に刻む(しっかりと記憶する)・・・今日の感激を胸に刻む
- 胸を借りる(実力が上の相手に積極的にぶつかっていって自分を向上させる)・・・囲碁の有段者に胸を借りて勉強になった
<胸・手・指>
- 腕利き(技術・能力が優れている人)・・大会には全国の腕利きが集まった
- 腕が立つ(技術・能力が優れている)・・・・あの人達は胸が立つ人達がそろっている
- 腕が鳴る(実力を発しする機会に向けて気持ちが高ぶる)・・・全国大会への出場が決まり、胸が鳴る
- 腕に覚えがある(実力に自信がある)・・・計算能力については腕に覚えがある
- 腕を買う(実力を認める)・・・彼は胸を買われて引き抜かれた
- 腕を振るう(実力を十分に発揮する)・・・親展地で腕を振るう
- 手が空く(ひと段落して暇になる)・・・手が空いたらちょっと手伝ってね
- 手がかかる(手間がかかる)・・・いくつになっても手がかかる人だね
- 手に余る(自分の実力では対処できない)・・・法律問題は私には手に余る
- 手を入れる(修正や補足する)・・・よくできた企画書のため手を入れる必要はないです
- 手を染める(やり始める。関係する)・・・最近、俳句に手を染め出したんです。
- 手を尽くす(可能な限りの手段や手法を取る)・・・そこに座っているだけで、どんな手を尽くしたというのですが)
- 手を回す(うまくいくようにいろいろな手段で準備する)・・・関係部所に手を回したおかげだ
- 手を焼く(扱いに困る)・・・この子は本当にわがままなので、手を焼いています。
- 手を煩わす(ほかの人の世話になる)・・・そちらのお手を煩わすことになる
- 指をくわえる(ほしいものを手に入れられずにながめているしかない)・・・ただ指をくわえてもだめだよ。
- 指折りの(数ある中で特にすぐれている)・・・あの会社は世界でも指折りの大企業だ
<腹・腰・尻>
- 腹が据わる(物事に動じない)・・・堂々としていてずいぶんと腹が据わったひとだ
- 腹にすえかねる(怒りを我慢できない)・・・あの一言はどうにも腹に据えかねる
- 腹を割る(本心を表す)・・・誤解を解くには、腹を割って話し合うことが必要
- 腹が砕ける(何かをやる気持ちが途中でだめになる)・・・今回こそ腰砕けにならないよう、最後までがんばろう
- 腰が強い(頑張りが利き、人に屈しない)・・・彼は腰が強いから、できるはず
- 腰が低い(他人に対して謙虚である)・・・偉い人ほど腰が低いものだ
- 腰を入れる(気持ちを入れて取り組む)・・・市長はこの施策に腰を入れるようだ
- 腰を折る(途中で邪魔をする)・・・話の腰を折られると困るから、口出すな
- 尻に火がつく(物事が差し迫っている状態)・・・彼はいつも尻に火がつかないと動き出さない
<ひざ・足>
- ひざを打つ(急に思いついたり、感心したりするときの動作)・・・彼はひざを打って部屋を飛び出していった
- ひざを屈する(負けを認めて相手に従う)・・・理不尽な要求にひざを屈するわけにはいかん
- ひざを詰める(ひざがくっつくほど近づいて座る、気迫をもって迫る)
- ひざを乗り出す(興味をしめす)・・・相手が途中からひざを乗り出してきた
- ひざを交える(同席して親しく話す)・・・首脳陣がひざを交えて円高対策を検討した
- 足が出る(赤字になる)・・・忘年会の会費がなく、尾和魂になる
- 足が速い(商品がよく売れる)・・・今度の商品は足が速い
- 足をすくう(相手の隙をついて不利な立場に追い込む)・・・ライバルたちの足をすくうことで彼は出世した
- 揚げ足を取る(人の言葉尻やいい間違いを攻め立てる)・・・揚げ足を取るより、真意を理解してほしい
- 足元に火がつく(身に危険が迫る)・・・内部告発者の証言で足元に火がついた
- 足元の明るいうち(自分にとって状況が悪くならなうちに)・・・足元の明るいうちに手を打っておくほうが、損害は少なくてすむ
- 足元を見る(人の弱点に付け込む)・・・業者がこちらの足元を見て安く買い叩こうとする
- 勇み足(勢いがよすぎてやりすぎ、失敗すること)・・・この操作は警察の勇み足である
- 浮き足立つ(落ち着かず、今にも逃げ出しそうである)・・・過去のことに話が及ぶと、彼は急に浮き足立った
- 二の足を踏む(ためらう)・・・あの地区は交通便がわるいので、進出には二の足を踏んでいるのが実情だ
<身>
- 身を入れる(熱心にやる)・・・今年は仕事に身を入れるつもりです
- 身に余る(自分の価値・能力・身分以上の扱いである)・・・身に余るおもてましで恐縮しています
- 身につまされる(人のつらさや悲しみが自分のことのように感じられる)・・・創業者の苦労話を身につまされる思いで聞いた
- 身を粉にする(苦労を嫌がらず、一所懸命に励む)・・・身を粉にして働く
- 身を立てる(ある職業で生活を成り立たせる)・・・私は保育しとして身を立てたい
- 身もふたもない(あまりに露骨で情緒や味わいがない)・・・この世はすべて金だなんて、身も蓋もないことを言うなよ
<その他>
- 肌が合わない(相性が悪い)・・・嫌いではないが、彼とは肌が合わない
- 骨を埋める(一生をあることにささげる)・・・移民たちはその地に骨を埋める
- 骨を折る(苦労する)・・・両者の合併には骨を折る
- 骨を惜しむ(努力や苦労を嫌がる)・・・骨を惜しむつもりはないけど、協力はできない
- 骨抜きをする(大事な部分を抜き取って意味のないものにする)
- 骨身を削る(やせるほど一所懸命に努力する)・・・骨身を削る思いで精進したから、ここまで凝られた。
- 爪に火をともす(生活をひどく切り詰める)・・・戦争中は国民が爪に火をともす生活を強いられた
- 曲を吐く思い(とてもつらい、悲しい)・・・彼は差別に血を吐く思いで耐えた
- 血の巡りが悪い(ものの分かりが悪い)・・窓口の男が血の巡りの悪い奴だ
- 血眼になる(夢中になって何かをする)・・・血眼になってお買い得商品をさがしている
- 血道をあげる(正常な判断ができなくなるほど熱中する)・・・ギャンブルに血道をあげる
- 息がかかる(影響・支配を受ける)・・・社長が失脚したのは専務の息がかかった連中が裏で工作したからだ
- 息を継ぐ(途中で一休みする)・・・今日は朝から電話が鳴りっぱなしで、息を継ぐ暇もなかった
- 息を呑む(驚いて息を止める)・・・ケーブルカーからの眺望にみんなは息を呑んだ
- 息を吹き返す(生き返る。弱っていた勢いがまた盛んになる)・・・新製品が当たって、息を吹き返した