三角合併・少数株主持分

三角合併とは?

三角合併とは、『国境をまたいだ買収で、株式交換を使ったM&A(企業の合併と買収)の手法のこと』を言います。まずはじめに、外国企業が日本企業を買収する時には、日本子会社を設立します(現行法では、外国企業による日本企業の直接合併は認められていないため)。その子会社を買収後の存続会社(残っていく企業)として、被買収企業(消滅してしまう日本企業)と合併させます。買収される企業の株主に支払う合併の対価は、親会社である外国企業の株となるしくみです。

…言葉で説明してもわかりにくいので、図を使って説明しますね。

<三角合併の流れ>

1.外国企業が日本企業をM&A(合併・買収)しようと考えます。

2.しかし、現行法では外国企業が直接的に合併をすることができないので、まず子会社を日本国内に設立することになります。

3.日本子会社と日本企業が合併します。

4.合併する時に、被買収企業(消滅してしまう日本企業)の株主は、親会社である外国企業の株を対価として受け取ります。

三角合併のメリットは、『買収側が現金を用意しなくても、価値がある自社株さえ持っていれば買収ができてしまう』ことにあります。つまり、これまでのように現金を用意しなくてもよいので、大規模な案件でも容易に企業買収できてしまうということです。日本と外国の企業規模を比較すると、外国企業のほうが段違いに大きいことが多いので、これは革命的な制度になりそうです。

☆三角合併の解禁で、日本にもM&Aの大きな波がくるかもしれません。

 

少数株主持分

ここでは少数株主持分とは?について紹介しますね。まず、子会社を持つ会社(親会社)があるとします。そこで少数株主持分とは、『子会社の資本のうち、親会社が子会社に投資している資本(持分)以外、すなわち“親会社の資本(持分)でない部分”の資本』をいいます。DCF法などを使って企業価値を計る時に出てくる用語ですので、ぜひ覚えておいてください。…といっても、少々わかりにくい言葉ですので、解説しますね。

例を出して考えると、わかりやすくなると思います。例えば、親会社にあたるNTT(9432)と子会社にあたるNTTドコモ(9437)の資本関係に注目してみます。会社四季報などで株主構成を見ていただくとわかると思いますが、NTTドコモの筆頭株主はNTTで、発行株式数の約60%を占めています。…ということは、残りの40%(=100%-60%)は親会社以外の株主がNTTドコモの株を保有していることになります、これが少数株主持分です。

☆少数株主持分とは、子会社の発行する株式の中の、親会社が持つ株式以外の株のことです。