職務経歴書について

pART1 職務経歴書の基本の書き方と受かる秘訣

■職務要約

コールセンターでの電話応対業務と受注入力業務の新規入社向けの研修担当の仕事を通してお客様やスタッフとのコミュニケーションや育成を行いました。また業務マニュアルや資料作成などを行いました。

■職務経歴

2015年3月〜2017年3月 NTTマーケティングアクト コンタクトビジネスセンター運営 派遣社員

2015年〜2017年 3月

業務内容 東海支店 コールセンター受電業務 派遣元:オープンループパートナーズ株式会社

・奨学金返還に関する返還相談 ・クレーム対応 ・

2017年8月〜現在 トランスコスモス株式会社 ITアウトソーシングサービス 契約社員 東海ユニット東桜DP事業所(70名)

・FAXによる電気使用・停止申込に関するデータ入力 ・新規入社スタッフへの研修 ・研修講義の講師、OJTフォロー ・研修資料作成 ・業務マニュアル作成 ・シフト管理 ・新人スタッフ向けのフォローアップ面談 ・クライアントへの成果報告資料作成 ・短期スタッフ管理者業務 ・研修の計画、運営、実施 ・入力スタッフの仕事量管理調整

■活かせる経験・知識・技術

自分でやる。

・研修担当間内のチームワーク ・研修を進める上でのPDCAを運営 ・周りへの気配り ・煩雑で細かい業務でも優先順位をつけ正確かつ迅速に処理する力 ・新規スタッフへ心からより添い不安を取り除くように接した

■自己PR

トランスコスモス株式会社(transcosmos inc.)は、企業へのITアウトソーシングサービス(コールセンターサービス、デジタルマーケティングサービス、EC、BPO、データ分析等)を展開する企業である。会社法に基づく登記上の商号はトランス・コスモス株式会社

東京都渋谷区の本社のほか、全国各地にオペレーション拠点など計83拠点、海外では中国、韓国、ASEAN各国、アメリカ、ヨーロッパ各国に計104拠点を持つ。

1. 職務経歴書は戦略を練るところから

■職務経歴書はあなたのスペックを載せたプレゼン資料

はじめに意識しておきたいのは、職務経歴書はあなたが企業にぴったりのスペックを兼ね備えた人材だとアピールする「プレゼン資料」だということです。そう意識して書けるだけで、書類選考通過にグッと近づきます。

職務経歴書はこれまで働いてきた経歴を端的にわかりやすくまとめるものですが、まとめ方が肝心です。多くの企業で選考の第一段階となる書類選考では、企業は職務経歴書の業務内容や実績を見て、募集しているポジションに合っているかを判断することになります。

職務経歴書にいいかげんなことを書いてしまうと、その後の選考にも悪影響を及ぼします。ですから転職でかなえたいことをしっかりと考え、戦略的に職務経歴書を書く必要があるのです。

履歴書と職務経歴書の違い

多くの会社では、最初の提出書類として職務経歴書と履歴書の両方を求められます。
あまり意識しないかもしれませんが、ふたつはそれぞれ役割が違いますので、志望動機や自己PRを両方に書く場合は意識して書き分けるとよいでしょう。

・職務経歴書……どんな仕事を経験してきたかが詳しく書かれており、書類選考の合否を決める。面接も職務経歴書を見ながら進められていく。

・履歴書……職歴の概要のほか、生年月日や住所、通勤経路、扶養家族などの個人情報が書かれている事務書類。採用後に人事が保管する。

どちらも採用担当者の手に渡るものですが、職務経歴書のほうがじっくり時間をかけて読まれます。そのため、誤字脱字に注意することはもちろん、パッと見ただけで内容が担当者の頭に入るよう、わかりやすく作ることが大切です。

■良い職務経歴書を書くための三原則

良い職務経歴書を書くためには、気をつけるべき3つのポイントがあります。

(1)求人内容に沿った内容にする

大切なのはあなたが企業の求める人材にぴったりの人物だとアピールできること。
ウソを書くのはもちろんNGですが、自分の経歴やスキルをなんとなくそのまま書いてしまうのではなく、相手の求めるものに合わせてアレンジしましょう。
また、仕事に対してオーバースペックな場合も「うちの仕事内容では満足しないのでは」と敬遠されるので注意を。

(2)読みやすい見た目に整える

意外と大切なのが職務経歴書の見た目。どんなに素晴らしい経歴が書いてあっても、ごちゃごちゃして採用担当者が要点を見つけられないようでは意味がありません。
わかりやすく簡潔に見えるよう、罫線や改行、箇条書きなどを使って整えることが大切です。

(3)採用担当者の目に留まる“キラーワード”を盛り込む

職務経歴書に書かれていると採用担当者の目に留まる“キラーワード”があります。たとえば資格が重要な仕事であれば資格名、エンジニアであれば使っていたツールや言語など、応募先に刺さる自分の強みは必ず書いておきましょう
転職エージェントを使っている人は、どんな単語が応募先に効くのか尋ねてみるとよいでしょう。

■【職歴別】あなたが作るべき職務経歴書はこれだ!

職務経歴書の書き方にとくに決まりはありませんが、PCで作成し、A4用紙2~3枚に収まるように作るのが基本です。書き方は、自分の経歴のどのポイントを目立たせたいかによって、大きく3つのパターンに分けられます。

以下にテンプレートを用意してありますので、自分に合うものをダウンロードして使用してください。

●逆編年体

・経験を新しい順に書く
・応募職種と直近の経験のマッチ度を強調したい人向け

直近の経歴から順番に、1社目までをさかのぼっていく書き方です。前職(現職)での経験を目立たせることができるため、現在の能力を中心に、応募先の仕事とのマッチ度をアピールできます。
読む人にとっても、真っ先に目に入ってくるのが直近の経験となり、じっくり読むべき履歴書かをすぐに判断できるので合理的です。しかし、担当者によっては「時系列じゃなくて読みづらい」と感じられることもあるようです。

この書き方は、応募先の職種や業界で、直近の経験を即戦力として生かせる場合にとても有効です。
また、これまでの経験を元にステップアップしたいというケースでも、直近の経験を説得材料にできるためよいでしょう。

●編年体

・経験を年代順に書く
・初めて転職する人、経験年数の少ない人、1社目に長く勤めたが2社目は短期間の人向け

職務経歴書の多数を占める、過去から現在へと、経験を時系列で並べていく書き方です。
最初に勤めた会社から順番に並べていくため、これまで積んできた経験をストーリー的に伝えることができます。真面目に一貫したキャリアを積んできた人が好まれる日本企業では、まだまだ主流です。
一方、最後まで目を通さないと最新の経歴がわからない、職歴にブランクがあるかどうかが一目瞭然といったデメリットもあります。

この書き方は、初めて転職する人や経験年数の少ない人、転職経験はあるものの2社目の勤務期間が短く、キャリアの軸は1社目にある人などに向いています。
また、伝統を重んじる学校法人や保守的な企業などに応募する場合は、採用担当者が変わった書き方を嫌う可能性もあるので、経験豊富な応募者でもこの書き方を使うのが無難です。

●キャリア式

・経験職種やプロジェクト単位で経験をまとめる
・転職回数が多い人やキャリアチェンジした人向け

経歴を時間軸に沿って書き連ねるのではなく、職歴を飛び越えてアピールしたい仕事内容ごとにまとめる書き方です。
たとえば1社目と4社目で営業、2~3社目で一般事務を経験している人が営業職に応募する場合、1社目と4社目での経験を中心に詳しく書き、その他は簡単に触れる程度にとどめることができます。

この書き方が向いているのは、転職経験の多い人や過去に業種・職種を大幅に変えた人、職歴のブランクを目立たせたくない人です。
また、外資系やベンチャー企業などでは、この書き方をうまく使うことで採用担当者にロジカルでデキる人という印象を与えられます。一方、情報を過不足なくまとめることが難しく、使う人は少ないようです。
「不都合なキャリアを隠しているのでは?」「職歴のブランクを誤魔化そうとしているでは?」と感じられることもあるので、面接前にしっかりと対策を。

この3つのパターンから職務経歴書の書き方を選ぶ際には、自分の経験してきた仕事をどのようにアピールするのかを考えることが大切です。
同じ営業の仕事に応募する場合でも、法人営業として一貫したキャリアを歩んできたとアピールするなら逆編年体、さまざまな商材を扱ってきた経験豊富さをアピールするならキャリア式がフィットするかもしれません。

自分が今回の転職でかなえたいゴールを見据えてプランを練り、戦略的に職務経歴書を書いていきましょう。

2. 今すぐ作れる!職務経歴書の書き方【記入見本つき】

ここでは職務経歴書の書き方について、フォーマットや必ず記載する事項などPRの書き方までさまざまなポイントを解説していきます。

職務経歴書はA4で2~3枚で作る

職務経歴書は、A4で2~3枚で作るのが基本です。職歴が極端に多い人は3枚になってもかまいませんが、それ以外の人は2枚でまとめるのがベターです。
採用担当者は忙しい人も多いので、長すぎる職務経歴書は読んでさえもらえない可能性があります。
職務経歴書が2枚以上になった場合はクリップで左上をとめて提出します。企業側でコピーを取る際のことを考えて、ホチキスではなくクリップを使いましょう。

職務経歴書に入れる項目

職務経歴に必要な項目は多岐にわたります。勤務先の会社名など必須項目のほかにも、仕事によって入れておいたほうが丁寧な印象につながるものや、ツールや資格名で採用担当者に刺さる“キラーワード”になるものがあります。
以下に基本的なものを挙げました。逆編年体の職務経歴書を例に解説していきますので、必ず入れるもの、あれば入れるものをカスタマイズしつつ、自分の強みを最大限に伝えられるようにしましょう。

【必ず入れる項目】

(1)日付・氏名
まず職務経歴書を作成した日付を入れます。郵送の場合は発送日、直接持参する場合は持参当日の日付にするのがよいでしょう。
日付の下に改行して、氏名をフルネームで書きます。この職務経歴書のタイトルとなるものですから、忘れずにしっかりと書いておきましょう。

(2)ページ番号
職務経歴書が2枚以上になった場合は、ページの一番下に「1/2」「1/3」などと通し番号を振ります。Wordの場合は「挿入→フッター」から設定ができます。

(3)職務要約(経歴概略)
これまでの業務経験の中心となるものを、3~5行程度で簡単にまとめます。
採用担当者が詳しく読みたくなるよう、経歴の強みを端的に表すことはもちろん、やる気と熱意が伝わるように書くことが大切です。

(4)職務経歴(在籍年月、勤務先名)
経歴の最初には、在籍年月と勤務先名を記入します。
勤務先の会社等の名前は省略せず、「株式会社」などまでしっかり書きましょう。在籍年月を日付まで細かく書く必要はありません。

(5)勤務先情報
勤務先の事業内容、従業員数、年商、本社所在地、設立年などを入れます。
とくに異業種転職の場合、よほど有名な会社でない限り、会社名だけでは事業内容や規模が伝わりませんから、しっかり書いておきましょう。

(6)職務内容
具体的な仕事内容を、箇条書きなどを使って端的にまとめます。技術職の方は、扱っている素材や製造法、担当している工程なども詳しく記載しましょう。
仕事上主要な取引先などは、社外秘でない限り具体的な会社名を入れます。たとえば自動車の部品会社で開発職をしていた場合は、どの完成車メーカーの部品を扱っていたかも入れるとベターです。
また、たとえ小さなものであっても、マネジメント経験は書いておくと評価されることが多いです。たとえば「プロジェクトリーダー(3名チーム)として、スケジュール、予算管理、客先折衝」などです。
もし書くことがわからない人は、まずは1日の行動を振り返ることから始め、1年ごと、入社時から今まで……とこれまでの業務を洗い出し、整理してみましょう。

(7)所属部署、役職
所属部署や役職は、具体的な職務内容の見出しとして書くとよいでしょう。
その下に具体的な職務内容をまとめていきます。部下がいた場合は、「○○課 課長(課長以下8名)」などと人数も書いておきます。小さな会社で所属部署が特にない場合や、役職が付いていなかった場合は書かなくてOKです。

(8)実績
自分の強みのコアとなる実績を、できるだけ具体的な数値を入れて説明します。たとえば営業職なら「売上○%アップ」、生産技術や生産管理なら「返品率○割減」「○%のコストカット」などが考えられます。
また、上記の例の設計職のようにあまり実績を数字で出しにくい仕事の場合は、「年間で○円規模のプロジェクト」といった金額を入れて関わっていたプロジェクトの大きさを示してもよいでしょう。
この例では「実績」という項目を立ててまとめていますが、ひとつひとつの職務内容の中に組み込んでもOKです。

(9)生かせる技術(保有資格、スキル、語学力など)
Word、Excel、PowerPointといったPCスキルから、取得している資格、語学力などを入れます。
文章量に余裕がある場合は、ここでも「PowerPoint:客先でのプレゼンテーションに使用」「英語:TOEIC680点。ビジネスメール、電話応対、海外からの来客のアテンドが可能」というように具体的な例を交えて書くとベターです。

(10)志望動機
履歴書にすでに志望動機を書いている場合は、あえて職務経歴書にも書く必要はありません。
履歴書に志望動機欄がなかったり、履歴書を提出しておらず、これまでも志望動機を伝えるチャンスがなかった、というようなケースでは書くのもよいでしょう。

(11)自己PR
自己PRでは、自分の経歴の中から、とくに注目して欲しいポイントを抜き出してまとめます。
また、自分が実績を上げるまでの経緯や仕事上の工夫、考え方や熱意をアピールしましょう。職務内容や実績の欄には書けなかったことを補足していくイメージです。

【職種によっては入れる項目】

(12)使用ツール
仕事で使っているソフトやツールがある人は、必ず書いておきましょう。職務内容で各職場で使っていたツールを書いた人も、改めて、まとめておくと丁寧です。
CADなら「CATIA」、プログラミング言語なら「JAVA」「C++」といった具体的なソフトや言語名を入れます。複数ある場合は、それぞれについて自分のスキルレベルや仕事で何年使用したかを書き加えるのもよいでしょう。

(13)論文、特許、学会発表など
技術系職の人で、学生時代の論文や、自分が中心となって業務で取得した特許などが応募先の職種でアピールポイントになる場合はぜひ書いておきましょう。

内容は応募企業ごとにカスタマイズしよう

ここまで説明してきたのは、あくまでも基本的な内容です。これらの項目をどういう順番で、どこを詳しく、どこをコンパクトに書くかは自由ですから、応募企業ごとにカスタマイズしていくのが理想です。
例えば同じ金型設計という経歴でも、専門職に応募する場合は得意分野を目立たせ、マネージャー職にチャレンジする場合はリーダー経験を前に持ってくるなど工夫してみましょう。

また、自己PRや志望動機(履歴書に書いていない場合のみ)も会社ごとに見直しましょう。とくに志望動機は、その会社への理解度も問われるところなので、下手に使いまわすと信憑性が薄れてしまいます。

3. 職務経歴書を書く際によくある疑問点

いざ職務経歴書を書こうとすると、意外なところでつまずいたりするもの。PCで作るべきなのか、用紙のサイズはどうすればいいのかといった問題から、自分の経歴をどう書くべきかまで、悩みは尽きないものですよね。

ここでは職務経歴書を書くにあたって、よくある疑問点をまとめました。

職務経歴書は手書きしてもいい?

A.手書きは避け、PCで作成しましょう

職務経歴書は情報量が多くなるため、それをわかりやすくまとめられるようPCで作成します。
履歴書は手書きのほうが良いという考えも日本ではまだまだ根強いですが、職務経歴書はPCの基本操作ができるというアピールも兼ねてPCで作るのが一般的です。

ただし一般の病院やクリニックの看護師、自営業のお店などに応募する場合は、慣例的に職務経歴書があまり重視されないため、手書きでもOKな場合があります。職務経歴書を手書きする場合は、履歴書の用紙とセットになっているフォーマットを使用するとよいでしょう。

職務経歴書と履歴書の用紙サイズが違っても大丈夫?

A.問題なし。A4サイズで作成を

市販されているB5の履歴書のフォーマットを使う場合も、職務経歴書はA4サイズで作りましょう。
職務経歴書をB5サイズにしてしまうと、フォントを小さくしたり文字数を少なくするなどで調整する必要が出てしまい、受かる職務経歴書から遠ざかってしまいます。
可能であれば履歴書のフォーマットもA4で用意し、サイズを揃えたほうが提出時にすっきりしますが、きちんと書けてさえいれば大きさの違いは問題にならないでしょう。

アルバイト経験しかない場合も職務経歴書を書くべき?

A.職務経歴書は書かなくてOK(例外あり)

学校を卒業、あるいは中退してから一度も働いたことがなく、アルバイト経験しかないという場合は、職務経歴書を書く必要はありません。
応募先の職種に関連するアルバイト経験をアピールしたい場合は、履歴書の経歴欄、あるいは自己PR欄などを活用しましょう。
ただし、応募する仕事に関連したアルバイトで、例えば週5で半年みっちり働いていたり、責任ある仕事を任されていた場合は、職務経歴書を作ってみてもよいかもしれません。その際は少なくともA4の3分の2以上埋めるように意識して、経験をアピールしましょう。

派遣会社で働いた期間はどう書けばいい?

A.勤務先として派遣会社、職務内容に派遣先を追加して書く

派遣会社で働いた期間については、登録していた派遣会社(派遣元)、派遣先(実際に働いていた会社)、働いた期間と仕事内容を書いていきます。
仕事内容が共通であれば、派遣先の会社と働いた期間を先に書いてしまい、具体的な業務内容はひとつにまとめてしまってもよいでしょう。この場合、各派遣先の企業について詳しい企業情報などは書かなくてかまいません。

多すぎる転職回数、職務経歴書に少なく書いてもいい?

A.必ずすべて書きましょう

転職回数があまりにも多い人は、転職に不利になることを心配して職務経歴をごまかしたくなるかもしれませんが、正直に書きましょう。
とくに短期間で退職してしまった勤め先は省いてしまいたくなるものですが、応募先の会社に見つかると経歴詐称に問われるリスクもあります。1日でも在籍した会社は省かずに書きましょう。履歴書の職務経歴欄には限度がありますが、職務経歴書は職務経歴欄を伸ばせばいいだけです。
また、職務内容を詳しく書くのは、直近の経歴や応募先に関係のある仕事だけでかまいません。短い勤務先や応募先の仕事に関係ない職歴は、「その他の経験」などとして短くまとめ、ほかにアピールすべきことを強調して書きましょう。

転職サイトの職務経歴書自動作成サービスは使ってもいい?

A.使ってもいいですが、必ず自分でカスタマイズを

インターネット上には転職サイトなどが提供する、さまざまな職務経歴書の自動作成サービスがあります。これらは、所定のフォームに情報を入力していくだけで、自動で職務経歴書のフォーマットに落とし込んでくれる便利なサービスです。
フォーマットに自分で1から入力していくのが面倒という人は、ぜひ使ってみたいサービスです。
しかし、出来上がる職務経歴書はフォントの大きさや太さ、余白などの調整がされていないごくシンプルなもの。PCを持っていない人はやむをえませんが、PCがある人はデータをWordなどの形式でダウンロードし、大文字や太字、表組み、箇条書きなどを活用して読みやすくカスタマイズしましょう
とくに転職サイト・転職エージェントへ自分の情報を登録するのと同時に職務経歴書を作ってくれるサービスは、何度も情報を入力する手間が省けて便利なもの。これで作ったデータをベースにすれば、短時間でも効率よく職務経歴書を作れるでしょう。

ネットの作例を参考にしてもいい?

A.書き方の参考にするのはOKだが、内容の信憑性には注意を

職務経歴書の作例は、インターネットで検索するとたくさん出てきます。そのままコピペして使うのは論外ですが、書き方の参考にする分にはかまいません。
ただしなかにはその業界や職種についての理解が浅いまま書かれているものもありますから、あくまでも求人内容に合わせ、自分の言葉で作っていくことが大切です。
とはいえ、自分の作った職務経歴書が「まさにこの人を探していた!」と思わせるようなプレゼン資料になっているかどうか、わからなくて不安な人も少なくないでしょう。その場合は、自分の身の回りにいる転職経験者、とくに転職でステップアップすることに成功している人に見せて相談したり、転職エージェントの職務経歴書添削サービスでプロに意見を求めてみると、新しい発見があるかもしれません。

職務経歴書はどうやって送ればいい?

A.A4のクリアファイルに入れて白色無地の封筒で送る

職務経歴書を郵送で提出する場合、送付状、履歴書、職務経歴書、その他必要書類の順にクリアファイルに入れ、A4が入る白色の封筒(角2サイズまたは角A4サイズ)で送ります。
履歴書は提出済みなので職務経歴書のみを送るといった場合でも、送付状は必ずつけましょう。

pART1 人事が思わず会いたくなる!職務経歴書の自己PRの書き方

1.職務経歴書の自己PRの書き方

職務経歴書の自己PRは、職歴では表現できない転職希望者の強みやパーソナリティをアピールし、採用担当者に“うちでも活躍してくれそう”と思わせるための項目です。
ここでは採用担当者に良い印象を与えるために、最低限押さえておくべき自己PRの基本を解説します。

職務経歴書の自己PRのキホン

職務経歴書の自己PRを書く際には、絶対に欠かせない3つの掟が存在します。

掟1.読みやすそうな見た目-文字サイズ・ボリューム
掟2.応募先の仕事に生かせそうな過去の実績や経験が具体的に盛り込まれている
掟3.ヤル気・意欲が感じられる

掟1:読みやすそうな文字サイズ・ボリューム

文字サイズは10~11ポイント前後、行数は10行以内に!
採用担当者は、忙しいなかたくさんの履歴書・職務経歴書に目を通しています。そのため、パッと見て読みづらいと思われたら、書類選考の通過率は大幅に下がります。なぜなら、読みづらい文章は内容がまとまっていないことが多く、読みづらい≒内容もイマイチという先入観から、そもそも内容を読んですらもらえないケースが多々あるからです。「想いを詰め込んだため、A4用紙2枚分の自己PRができた!」といった行き過ぎた熱意は、ほとんどの場合、悪い結果を招きます。

掟2:応募先で生かせそうな過去の実績や経験

採用担当者は職務経歴書の過去の経験や実績を通じ、自社で活躍できるかの判断をします。そのため、「私はフットワークを生かした新規開拓営業に自信があります!」と長所をアピールしても、それを裏付ける証拠がないと、採用担当者には信じてもらえません。”フットワークがあって新規開拓ができる営業”と採用担当者に思ってもらいたいのであれば、それを裏付ける具体的な数字・具体的なエピソードが必要です。

先ほどの事例に具体的なエピソードと事例を付け加えます。

私は新規開拓担当営業として、1ヶ月に200社の新規企業に訪問。月10社の開拓目標に対し、私は平均20社の新規取引先を開拓。新規開拓なら●●!と上司に言われていました

まず具体的な内容・数字が盛込まれていることで、内容の信憑性が増すほか、 “200社訪問=一日10社程度も訪問するのか、それはフットワークがありそうだ”、 ”目標の2倍の企業を開拓=営業としての能力もありそうだ”、 ”新規開拓なら●●!と言われるくらい周りに評価されていた” と、勝手に推測し、いい印象を持ってくれます。

数字を盛り込まない方が良いことも
しかし、とにかく具体的な数字を盛り込めばいい!というわけではありません。営業であれば、目標売上に到達していない場合や、訪問件数のノルマをクリアしてない場合など、“未達成”の数字しか書けない場合は、書かない方が無難です。数字が盛り込まれていないことで、採用担当者に与える印象はやや弱くなりますが、悪い印象を与えるよりはまだ良いはずです。数字が盛り込めない場合は、自身の長所とそれを裏付けるエピソードでアピールしましょう。

掟3:ヤル気・意欲が感じられる

未経験の職種や、経験が浅い仕事に応募する際には、ヤル気・意欲を感じさせる内容を盛込みましょう。経験が十分でなくても採用をする場合、採用担当は必ずポテンシャルや意欲を評価しています。頑張ってくれそうな人と感じてもらうためには、単に意欲を示すだけでなく、過去に人並み以上に頑張った(工夫した)経験を自己PRに盛り込むことも重要です。

理想的な職務経歴書の自己PRサンプル

キホンの3つの掟を踏まえて作成した、理想的な職務経歴書の自己PRサンプルをご紹介します。

<自動車販売→法人営業への転職のケース>

前職のカーディーラーでは、お客様への定期的な訪問・お電話を心がけました。何気ない会話からお客様の状況を読み取り、顧客簿に詳しく記録することで、車の買い替え時期には適切な提案を差し上げることができました。その結果、販売店での営業成績は3年連続で1位、昨年は愛知県の営業35人中トップの成績を修め、表彰をいただきました。
お客様が個人か企業かにより営業の仕方は異なると思いますが、これまでの経験を生かし、貴社においても、顧客企業様ごとに適した提案をし、納得してお取引いただける存在に早期に成長できるよう努めてまいります。

◎掟1=読みやすい長さ
10行以内かつ短すぎない長さでちょうどいい分量です。応募先に一番好印象を与えそうな内容(=営業の工夫と実績)に要点も絞られており、非常に読みやすくできています。

◎掟2=具体的なエピソードと具体的な成果
「前職のカーディーラーでは ~ 表彰をいただきました。」
→自ら工夫・努力し、結果を出したことが具体的に盛り込まれています。これにより、転職しても自ら考え、行動し、結果をだしてくれそうな人材という印象を採用担当者に与えることができます。

◎掟3=意欲
「貴社においても ~ 早期に成長できるよう努めます」
→応募先の企業でも努力する意欲を見せることで、好印象につながっています。

採用担当者に嫌われる!ダメな自己PRを知ろう

×やたら長い

長すぎて読みづらい、と思われるとそもそも読んでもらえない場合があります。A4用紙横書きで、10行程度までに収めましょう。

×やたら自分を売り込む言葉をつかいすぎている/根拠が無い

私はコミュニケーション力、リーダーシップに自信があります。持ち前のコミュニケーション力、リーダーシップを活かし、貴社においても活躍していきたと考えています。

→リーダーシップ・コミュニケーション力に自信があると言っているが、その根拠がないので、相手にはつたわりません。最悪の場合、自画自賛している口だけの人と思われます。
“コミュニケーション力がある”、“リーダーシップがある”と感じてもらいたいのであれば、そのキーワードをそのまま使うのではなく、具体的なエピソードを盛込みましょう。

×やたら自信に溢れている

これまでの経験を生かし、自分が貴社を引っ張っていきたいと思います。

→ある程度のキャリアがあり、相応の上位ポジションでの採用の場合は問題ありません。しかし、十分なキャリアを積んでいない20代の場合は、やや自信過剰で偉そうな印象を与えます。新しい会社に入るのですから、いきなり会社を引っ張る存在にはなれません。「これまでの経験を踏まえ、早期に貴社を引っ張る存在になれるよう努めます」など、多少謙虚さも見られる表現にするとベターです。

自己PRが書けないときは

職務経歴書の自己PR欄は、相応のインパクトのある経験・実績を書かなければと思っていませんか?まずはこれまでどんな仕事をしてきたか振り返り、印象に残っていることを書き出してみてください。ここではAさん、Bさんの振り返りをもとに、自己PRを作ってみます。

【Aさんの振り返り】

資材の営業。営業成績は普通。クレームを受けたくなかったため、正確な仕事を心がけた。配送ミスが起こった際は、すぐに自分の車で代替品を持って走り、怒られたけど褒められた。

(振り返りをもとに作成したAさんの自己PR)

顧客企業の満足を常に意識して、営業を行ってまいりました。顧客の業務が滞ることが無いよう、発注や相談事項については、正確かつ最短の納期でお応えしています。以前、配送のトラブルで、納期までに製品が届かないことがありましたが、情報を得てからすぐに自分の車に製品を積み、自ら製品をお届けしました。なんとか当日夜に納品ができ、トラブルについてはお咎めを受けましたが、担当の方からは、あなたが担当でよかったとお褒めの言葉をいただきました。

【Bさんの振り返り】

百貨店勤務。年配の方に好かれる。話好きな方につかまり、長々と話を聞かされることがあり、上司によく怒られる。でもそのお陰で常連のお客さんができて、買ってもくれている。一番下っ端なので、暇なときは他フロアの応援に行かされることも。全然商品が違うので覚えるのが大変。

(振り返りをもとに作成したBさんの自己PR)

お客様に“また来たい”と思っていただける接客を心掛け、業務に取り組んでまいりました。特に年配のお客様は相談しながら買い物したいというご希望をお持ちの方が多く、丁寧な接客に努めた結果、今では●名を超えるお客様が買い物時には私を指名してくださるようになりました。また他フロアが忙しい際には応援を依頼されることがあったため、自フロアだけでなく、応援先のフロアの業務も一通り理解し対応できるよう、合間を見て商品やオペレーションの勉強に努めました。

このように、目だってアピールする材料がないと思っていても、過去のエピソードや経験の見方を変えてみると、意外と良い内容に生まれ変わるものです。書き出した過去の経験を眺め、良い捉え方ができないか考えてみましょう。物は言いよう、書きようです。

2.人事も納得!自己PRの事例と書き方のヒント

では、実際に人事から良い評価をもらえた職務経歴書の自己PRを見てみましょう。

未経験・アルバイトの自己PR例と書き方のヒント

<書き方のヒント>

  • 応募先の企業での仕事に繋がる経験・エピソード
  • 努力し、早く一人前になってくれそうと思わせるエピソードやスタンス
  • 意欲
(未経験の営業職への応募)

前職の個別指導塾では、高校生の数学の指導を担当しました。難関大学に合格するためには、理論を理解し応用する力が必要と考え、”微積分を使って何ができるのか”など通常の授業を逸脱した講義も行いました。そうした取組みを通じて数学に興味を持つ生徒が増え、全国模試の数学の平均点が、私の生徒は他の生徒より2~3割高いという成果を残してまいりました。
営業は未経験ですが、相手に理解・納得してもらうために試行錯誤してきた経験を生かし、まずは自身が貴社の製品についてしっかりと理解を深め、お客様に納得して取引をいただけるよう試行錯誤してまいりたいと思います。

◎よかったポイント!
営業はお客様に納得して買っていただくことがミッションのため、塾の教師で培った“相手に伝える・理解させるスキル”は営業の仕事でも生かすことができます。加えて、自ら考え試行錯誤できる力があることを示すことで、経験のない営業職でも早期に成長してくれそうな期待がもてます。

<アルバイト→正社員への応募>

大学卒業後、在学中から勤務していた百貨店のアパレルショップにて販売のアルバイトを3年続けており、現在は10名のアルバイトを束ねるリーダーとしての業務を任されています。店舗の販売実績を上げるため、来店するお客様の属性・年齢層に合わせ曜日・時間ごとのこまめな商品ディスプレイ変更案を考え店長に提案・実施しました。その結果、昨年は東京エリア10店舗のうちNo.1の利益率となり、本部から最優秀店舗として表彰していただきました。今後は商品の品質に定評がある貴社にて、より責任が求められる正社員という立場で、多くのお客様に喜んでお買い上げをいただけるような接客と店舗運営を追求してまいりたいと考えております。

◎よかったポイント!
アルバイトは正社員と比べ責任が軽いことが多く、そのため職歴としては軽視されがちです。ですので、アルバイトであっても自発的な提案や行動をした経験などをアピールすると、職責の重い正社員という立場でも活躍できそうと感じてもらうことができます。

営業・販売職の自己PR例と書き方のヒント

<書き方のヒント>

  • 営業販売実績を伸ばすために行った工夫
  • 売上や利益などに関する実績(数字)
    ※書けない場合は工夫したことを成果も交えて厚く書く
  • 意欲
(営業・販売職の転職/実績をアピール)

前職のアパレル会社では、店長、エリアマネージャーを計5年経験しました。売上目標達成のために必要な手段は店舗の状況により変わるため、店舗ごとに定期的に分析を行い、KPIを設定。メンバーにはKPIとして設定したプロセスを完遂することを要望しました。その結果、プロセス目標は全て達成し、売上目標も 1年目103%、2年目125%、3年目125%、4年目142%、5年目141%と全てクリア。全店舗の平均が98~105%で推移するなか、非常に高い成果を残すことができました。扱う商材は変わりますが、お客様や店舗の状況を調査し戦略を立てた経験や、多数のメンバーのマネジメント経験は、貴社でも生かせるものと思います。

◎よかったポイント!
売上目標をしっかりと達成しているため、目標達成率を中心にPRしています。売上を上げる為のプロセスの目標設定など取り組みもわかり、仕事が出来る販売マネージャーという印象をもってもらえる自己PRになっています。

(営業・販売職の転職/工夫・努力をアピール)

これまで注文住宅の営業を5年経験してまいりました。住宅は高額で検討期間も長く、お客様の信用を得ない限り契約には至りません。そのためには実直であること、また煩雑な家の購入に関するあらゆることをできる限りサポートすることが必要と考え、「家購入に関係する知識取得のため資格を取る」、「お客様の相談や質問にはすぐに、率直に応える」という2つの目標を立て、3年目に“宅地建物取引主任者”、4年目に“ファイナンシャルプランナー3級”の資格を取得しました。
お客様に必要と思われる情報を先読みしてお伝えすることで、信頼を得ることができ、安定した売上に繋がっています。また以前購入いただいたお客様からご子息の住宅購入のご相談をうけるなど、リピートやご紹介による売上も3割以上を占めています。貴社においても必要な知識を早期に身につけ、真摯にお客様に向きあうことで結果を残していきたいと考えております。

◎よかったポイント!
数字でのPRができないため、営業としての取り組み、工夫を中心にまとめられています。“宅建”と“ファイナンシャルプランナー”の資格取得からは、自発的に知識を学び、業務に生かそうという真面目な姿勢が読み取れます。またお客様のご子息の住宅購入相談のエピソードから、お客様に信頼されていたさまも想像できます。

技術職・エンジニアの自己PR例と書き方のヒント

<書き方のヒント>

  • (応募先で生かせるスキルのうち)得意なことをアピール
  • 自発的に新たなスキルを身につけようとする姿勢
  • 30代以上はリーダー経験
  • スキル・保有資格については、別項目で明記する
(システムエンジニアの転職)

Java言語を用いたWEBアプリケーション開発を4年間経験しました。業務を行う際は、常に効率化を意識しています。リーダーとして、進捗・品質の管理を担当した、直近の通販会社向けシステム開発では、開発をサポートするツールを自作、メンバーに共有したことで、納期の4週間短縮を実現でき、取引先の担当者から高い評価をいただくことができました。またスキルアップのためDBについての勉強を自主的に行っています。月に1回、社内でのDB勉強会を主催し、情報収集と共有に努めています。

◎よかったポイント!
エンジニアの職務経歴書では、まず技術・スキルを第一にチェックされますが、スキルや保有資格については、原則、専用に項目を作成して記述をします。そのため、自己PRでは得意としていている技術を生かして成果をだしたことや、業務への取組み姿勢、新たな技術・スキルを取得するための自己研さんなどについて書き、プラスアルファの魅力を伝えましょう。ここでは、“業務の効率化を意識して取り組みを行い、納期短縮という成果をだしたこと”、“DBの勉強会を開催していること”により、自発的に業務、スキルアップに取り組み、将来に渡って活躍してくれそうな人材という印象を与えることができます。

事務職の自己PR例と書き方のヒント

<書き方のヒント>

  • 事務処理能力や、コミュニケーション能力
  • 自発的に課題を見つけ改善しようとする姿勢
  • エクセル、ワードなど、PCスキルがあれば記載
(事務職の転職)

前職では営業事務として納期管理や売上の管理など、正確な対応が求められる仕事を担当してまいりました。人為的なミスを防ぐため、納期や売上は自らエクセルにて管理表を作成し、間違いがあればエラーが表示されるようにしました。そうした工夫を共有することで、周りのメンバーのミスも減り、作業効率を改善することができました。一昨年、MOS資格取得に挑戦し、エクセルのピボットやマクロなどは一通りマスターしていますが、貴社での業務で必要になるアクセス等についても、早々にマスターできるよう努めていきたいと思います。

◎よかったポイント!
事務職の場合、言われたことしかできない人に見られないことが重要です。業務上の課題や問題点を発見し、改善した経験や、周りがスムーズに仕事ができるように行っていた配慮など、自発的な行動について書けると印象の良い自己PRになります。またエクセルやパワーポイントなどのPCスキルは加点ポイントですので必ず職務経歴書のスキル欄か自己PR内に盛り込みましょう。

3.まとめ

繰り返しになりますが、職務経歴書の自己PRは、「読みやすさ」と「採用企業で生かせそうな経験(エピソード)・実績」が重要です。そのポイントを踏まえて職務経歴書の自己PRを作成したら、できるだけ客観的な目で見直してみることをおすすめします。客観的な目線でチェックを行うための方法としては、一晩置いてから冷静な目で見返す、友人や知人に見てもらうなどが有効。書き終わったときは良い内容が書けた、と思っても、後でチェックすると何かと不備が出てくるもの。加えて、他人が見れば気付く点があるかもしれません。職務経歴書は初対面の相手に提出するものです。手間を惜しまず、客観的な視点でチェックすることで、よりいっそう効果的な内容にできるでしょう。