営業について・営業に必要な知識とスキルの基本

 

 

 

0、営業職とは

営業は「御用聞き」「物売り」「問題解決者」の3つに分かれます。このうち、お客様と深い信頼関係を構築し、受注額もおおきくなるのは問題解決者です。あなたも問題解決者をめざしましょう。

御用聞き お客様から言われたことだけを忠実にする。自らの提案はしない。
物売り 自分が売りたいものを売る
問題解決者 お客様の問題を解決する。信頼関係が深まり、受注量も増える。

 

 

■営業はどういう仕事内容?(https://ten-navi.com/hacks/job-change-22-8776より引用)

 

「営業」とは、「顧客の課題をいかに解決するかを考える仕事」です。

ただ自社製品を売ればいいというわけではなく、相手にどんな困りごとがあるのかを把握したうえで、「うちの商品で解決できます!」と提案し、問題が解消されることを目指します。

ここでは、営業とは具体的にはどのような仕事内容なのか、また、営業と一口に言ってもさまざまなパターンがある点についても、整理して説明していきたいと思います。

売って終わりではない! 営業の仕事の流れを把握しよう

商材や営業対象などによって微妙な差はありますが、ごく基本的な「営業の流れ」を図解すると以下のようになります。

■図1:基本的な営業の流れ

 

1.顧客や顧客層の情報収集・分析をし、見込み客へのアポイントを取る。
2.面談時に、商材の紹介や提案・見積もりを提示する。
3.顧客から声がかかれば、成約。
4.商材を納品・提供。
5.成約後も定期的なアフターフォローは忘れずに、長期的に有効な関係を保つ。

この流れを基本としながら、営業スタイル、販売したい商品、販売対象によって、以下のように分類することができます。

営業職には8通りのスタイルがある

営業職をタイプ別に分類すると、一般的にはこのように分けることができます。

◆営業スタイル:新規開拓営業(テレアポ、飛び込みなど)/既存営業(ルート営業)
◆販売したい商品:モノ(有形)/サービス(無形)
◆販売対象:対個人(B to C)/対法人(B to B)

これらの組み合わせの違いによって、8通りの営業スタイルが生まれます。

例えば、

保険のルートセールス=既存/サービス/対個人
住宅メーカーの営業=新規開拓/モノ/対個人
製造会社の営業=既存/モノ/対法人

といった感じです。

組み合わせごとに、業務内容や具体的な仕事例、求められるスキルなどは違います。以下ではそれぞれのスタイルについて解説していきます。

(1) 新規開拓/モノ/対個人(例:新聞の営業、住宅設備の営業など)

「できるだけ多くの個人客への訪問を目指すため、気力体力が問われる」

今まで取引がない個人客に対し、自社製品を売り込むために、個人宅を訪問したり電話をかけたりするスタイル。いわゆる「訪問販売」に近く、ほぼ同義に扱われます。

こうした「飛び込み営業」は、初回は十中八九、断られます。

8つの営業スタイルの中で「会った人>契約が取れた件数」の割合に最も開きが出るのが、このスタイルと言えるかもしれません。

ノルマのある企業なら、達成できないプレッシャーは相当辛いものがあるでしょう。

しかし、そこでいちいち凹んでいては、新規開拓営業は務まりません。「断られて当たり前」くらいの強いメンタルは必須です。

この営業スタイルを成功させる近道は、とにかくたくさんのお宅を回り、できるだけ多くの人に会い、自社製品と自分の顔を知ってもらうことに尽きます。必要な素養は、兎にも角にも「体力」と「気力」。苦労が大きい分、契約時の達成感も相当大きなものになることは間違いありません。

(2) 新規開拓/モノ/対法人(例:オフィス用コピー機の営業など)

「取引のない企業に自社製品を勧める。カギは上層部とのアポイント」

今まで取引のない企業に対して、自社製品を売り込むために、企業を訪問したり電話をかけたりするスタイルです。(1)の相手が「個人」から「法人」に変わっただけですが、注意すべき点は少々異なります。

企業が「新しいモノ」を導入することは、個人に比べて相当の決断力やパワーを要します。

「長い付き合いのある会社から買っているから」といった理由で断られることも多いでしょう。

企業が「新しいモノ」を取り入れるには、その決定権がある人、つまりは企業の上層部のGOサインがもらえないと取引が成立しない、といった難関を突破しなければなりません。

この営業スタイルに求められる最重要スキルは、「上層部とのアポをどう取りつけるか」「既存のモノより自社製品を導入することで生じるメリットをどれだけ売り込めるか」の2点にあると言えるでしょう。

また、ここで新規契約が成立した企業とは、以後、メンテナンスやプラスアルファの要望にも応えていくといった「既存深堀営業」へ移行することが多いので、会社としては非常に大きな利益を獲得することとなります。

(3) 新規開拓/サービス/対個人(例:保険の外交員、家庭用セキュリティシステムの営業など)

「サービス=実体がないものを売り込む仕事。マーケティング手腕も必要」

今まで取引のない個人に対して、自社サービスを売り込むために、個人宅を訪問したり電話をかけたりするスタイルです。

この営業スタイルの特色は、どんなサービスを提供するのかによって、対象年齢、性別、家族構成などが大きく異なる点にあります。

ということは、営業をかける地域の「マーケティング」を綿密に行うことで、効率よく営業することができるのです。

例えば、家庭用セキュリティシステムの導入を検討する可能性の高い地域は「年齢の高い富裕層が多く住む、一戸建てが立ち並ぶ住宅地」というように、ある程度絞り込むことが可能です。

上記の理由から、他の営業スタイルに比べて「マーケティング」が重要視される傾向にあると言えるでしょう。

(4) 新規開拓/サービス/対法人(例:広告会社の営業、人材派遣会社の営業など)

「顧客との長い付き合いを目指す。サービス内容の言語化能力も重要」

今まで取引のない企業に対して、自社サービスを売り込むために、企業を訪問したり電話をかけたりするスタイルです。

対法人であるため、「(2)新規開拓/モノ/対法人」同様、サービスを導入する決定権のある上層部との交渉が必要となる点がカギです。

基本的には(2)と同じような営業方法で構いませんが、商品が「サービス」という無形物であるという特性上、どれだけ分かりやすくサービス内容を「言語化」できるかが重要です。

導入後のメリットやアフターフォローを付け加えることで、定期的・長期的な付き合いのできる顧客へとなる可能性も非常に高いと言えます。

(5) 既存/モノ/対個人(例:自動車販売会社で既存顧客と継続的に接触する営業など)

「一度契約してもらった個人に対し、信頼を獲得して次へつなげる」

既に取引のある個人に対して継続的な付き合いを行い、新たなモノの販売を目指す営業スタイルです。

例えば、自動車ディーラーで、一度車を購入した個人客に、点検や車検を行ったり、店舗イベントや新車情報の通知をするなど、コンスタントな付き合いを続けます。

そこで、顧客が車を買い替えたい、となったときに、また同じ営業マンから買おう、と思わせることができれば理想的です。

ともすれば1顧客と10年単位の付き合いになることも珍しくない世界。だからこそ、営業マンの「信頼度」がかなり重要となる営業スタイルと言えるでしょう。

(6) 既存/モノ/対法人(例:食品メーカーによる小売店へのルート営業など)

「取引先企業に対し継続的な営業活動を行う。新しい商品の提案力も問われる」

既に取引のある企業に対して継続的な付き合いを行い、新たなモノの販売を目指す営業スタイルです。

例えば、食品メーカーであれば、自社製品を扱うスーパーなどに出向き、陳列棚の整理をしたり、売り出し中の商品があれば目立つところに置いてもらうよう店長や売場主任にかけあったり、新製品が出たら販売してもらえるよう紹介したり、といった仕事がメインとなります。

このスタイルの営業は、一見ラクそうに思われがちですが、同業他社が多く競争が激しいという特徴があります。

限られた店舗スペースの中で、いかに自社製品を取り扱ってもらえるか、製品の良さをうまくPRできる人に向いています。

(7) 既存/サービス/対個人(例:銀行で既存顧客と継続的に接触する営業など)

「一度契約した個人との継続的な関係構築能力、コンサルティング能力が求められる」

既に取引のある個人に対して継続的な付き合いを行い、新たなサービスの販売を目指す営業スタイルです。

例えば、銀行である程度のまとまった預貯金のある顧客に対し、資産運用や管理に関するアドバイスを行うといった営業が当てはまります。

顧客の要望をその都度ヒヤリングし、その要望にできる限り答える提案をしていく必要があるため、他の営業スタイルに比べ、よりコンサルティング的素養が求められると言えます。

(8) 既存/サービス/対法人(例:IT業界で既存顧客企業のニーズを聞き出し新たな提案をする営業など)

「取引先企業を深く理解し、広い視野でコンサルティング能力を発揮」

既に取引のある法人に対して継続的な付き合いを行い、新たなサービスの販売を目指す営業スタイルです。

例えば、IT企業が取引先法人の新たな要件をヒヤリングし、問題解決のためのシステムを提案する、といった仕事内容が当てはまります。

ここでも、(7)既存/サービス/対個人と同様に、コンサルティング的要素は必須スキルとなり、相手が個人から企業になる点で、より物事を広い視野で包括的に捉える力を要します。

また、自社サービスで対応できるキャパシティも把握しておく必要がありますので、サービスの専門的な知識も、時には現場の技術者と同等に持ち得なければなりません。

さらには、顧客企業の状況や問題点等についても深く勉強しておかなければ、適切な提案はできないでしょう。

上記の点から、これまで紹介してきた8つの営業スタイルの中では最も難易度が高い営業スタイルと言えます。また、この営業スタイルで取り扱うサービスは高額なことが多いため、年収も高い傾向にあります。

未経験者は「新規開拓/モノ/対個人」が最も入りやすい

以上、数ある営業スタイルを8つに分けて解説しましたが、未経験から最も入りやすい営業スタイルは、(1)の「新規開拓/モノ/対個人」でしょう。

年齢にもよりますが、特に20代などの若手は「まずは新規開拓営業から育てる」という企業が多く見られます。ゆえに、未経験者歓迎の求人の多くは、新規開拓営業です。

ルート営業でも未経験者OKの求人はありますが、求人数としては4:1くらいの比率で新規営業が多いのが現状です。

また、サービス(無形)商材を扱う営業は入社後に覚えることが多く、かつ複雑であること、対法人より対個人のほうが「数打てば当たる」確率が高いことを総じて考えると、未経験者にとって最も門戸が開かれている求人は「新規開拓/モノ/対個人」であると言えるのです。

 


 

2.未経験でも営業に転職できる人の4つのパターン

笑顔の女性基本的に、営業職の求人自体は他の職種に比べ多いので、よほど条件を選り好みしなければ、転職先が見つからなくて困るという事態に陥ることは少ないです。

ただ、未経験から営業職を志望する人の中にも、前職や商品知識、性格、年齢などにより「営業適正度」は変わってきます。

ここでは、どのような人が未経験でも営業に転職しやすいか、また、ストレスなく営業職を全うできるか、4つの観点から考えてみたいと思います。

専門知識がある:商品の良さを知っていれば人にも勧めやすい

企業が扱う商品やサービス、業界に関する専門知識に長けていれば、営業未経験でも採用してもらえる可能性は高くなります。特にメーカーやIT業界などは、その傾向が強いようです。

職種は違うけれど業界経験のある人や、趣味などで商品やサービスの専門知識が豊富な人などは、入社後もスムーズに営業業務に馴染めますし、企業にとってもその知識は大事な戦力と受け入れられるでしょう。

前職と営業職に共通点がある:営業に生かせる経験があれば積極アピールを

前職は営業とはかけ離れた職種だったし、業種も全然違うし…という人でも、何かしら転職先とリンクする経験があれば、営業で活躍できる素質となるかもしれません。

例えば、販売職の経験があれば、コミュニケーション力、お客様のニーズの引き出し方、セールス力が営業の仕事とリンクするはずです。

聞き上手である:顧客の課題を聞くことが営業の本質

営業は社交的で話し上手な人がなるもので、自分は正反対の性格だから向いていないと思っている人もいるかもしれませんが、実は話し上手である以上に「聞き上手」であることが、営業を行う上で非常に大事な素質なのです。

例えば、とある自動車販売会社のセールスマンは、寡黙ではあるものの、どんなときでも車のトラブルの際に駆けつけてくれる誠実さを買われ、トップに上り詰めたそうです。

営業マンにとって大切なことは、顧客の話や悩みをしっかりと聞けること、そして、その悩みを解決することだということを覚えておきましょう。

年齢が若い:若いほうが有利で、“40歳の壁”は厚い

未経験から営業職にチャレンジする上で、「若さ」は大変重要な素質です。若い転職者は、「長く活躍してくれるだろう」という期待のもとに、未経験でも採用してもらえる可能性が高いです。

たしかに営業職は、求人数もさることながら、「年齢不問」の求人も多くあります。

しかし、どの分野の転職でも言われる「40歳の壁」を過ぎるとともに、採用の可能性は格段に減るという現実は、念頭におくべきです。

どうしてもチャレンジしてみたい人は、上記で示した「営業マンへの転職に有利な素質」を自分が持っていることに加え、若者にはない多彩な人生経験や、その上に培われた忍耐力、冷静な判断力なども武器にして、自分を売り込んでみましょう。

【コラム】 ナメたらアカン! 営業は会社の経営を左右する重要業務

営業職は求人数が多いことなどから、ともすると「誰でもなれる簡単な仕事」と思われがちですが、営業の仕事は会社の経営状態を左右すると重要な業務です。

なぜなら、企業側がどんなに良い製品を作ったとしても、売らないことには企業の利益は生まれないからです。

また営業は、「すべての仕事の基礎・基盤」となる仕事とも言えます。顧客に対して、会社の代表として接する営業の仕事は、ビジネスマナーが問われます。社会人としての基本を身に付ける訓練のために、新入社員に営業を経験させる会社も多いようです。

同時に、営業として現場に出ることで顧客ニーズを肌で感じられることから、企画職でも初めは営業からスタート、というケースも少なくありません。

営業の仕事は、これだけの責任を背負っている、生半可な気持ちで続けられるほど甘い仕事ではない、という気概を持って転職活動に臨みましょう。


 

3.未経験から営業の転職先を探すコツ

鏡に向かってネクタイを締める人ここでは、未経験から営業職に転職する際に、効率良く転職先を探す方法をいくつか紹介したいと思います。

まずは転職エージェントに登録・相談を

未経験から営業の仕事を探すなら、まずは転職エージェントに登録することをお勧めします。

2章で大まかな営業の分類は説明したものの、未経験ゆえに分からない部分も多くあると思われます。

そんな時は、転職エージェントのキャリアアドバイザーに相談すれば、あなたの疑問や不安にも親身になって対応してくれる上に、志望動機や自己PRのアドバイスも仰ぐことができます。

在職しながら並行して転職活動を行いたい人にとっても、転職エージェントは強い味方。

忙しいあなたに代わって、面接のスケジュール調整なども手助けしてくれる、心強いパートナーとなってくれるでしょう。

転職サイトは「未経験者歓迎」にチェックを入れて検索

転職サイトで求人を探す際は、まずは業種で「営業」にチェックを入れ、細かな希望が固まっている人は、さらに「ルート営業(既存営業)」「法人営業」などにチェックを入れます。

そして、未経験から営業職に就きたい人は、必ず「未経験者歓迎」「未経験者OK」などの項目にチェックを入れて、求人を絞り込みましょう。

自動車の初心者マークが目印になっているサイトも多いので、すぐ目にとまるかと思います。

「何もかも不問!」の求人は要注意!?

「やる気さえあればOK!」「学歴・職歴一切不問」「一緒に大きな夢を実現しましょう!」などの文言が書かれた求人広告は、実は営業職で多く目にします。

しかし、これらの謳い文句に易々と飛びついてしまうのは、少々危険です。

もちろん、すべての会社がそうであるとは言えませんが、上記のような表現を用いて求人している企業に考えられる状況としては「とにかく人手が足りない」、なぜ人手が足りないかというと、「すぐに辞められてしまうから」、なぜ辞められてしまうかというと、「いわゆる“ブラック企業”である可能性が高いから」というケースが多いのです。

「やる気!元気!」的なアツい求人広告の企業がNGというわけではなく、もちろん優良企業もありますし、「バリバリ働きたい自分にぴったり!」という人には相性が良いケースもあるでしょう。こうした広告をすべて危険視する必要はなく、もちろん気になる企業があれば応募してみましょう。

その場合、面接などで実際に企業に足を運んだ際に、他の社員の様子や社内の雰囲気を良く観察することが大切です。

社員は疲れ切っていないか、挨拶は交わしているか、社内の風通しは良さそうか、などを注視し、何となくでも「良くない」空気を感じ取ったなら、その時点で「辞退」を選んでも遅くはありません。

また、残業、ノルマ、社風など、気になる点があれば、面接時に思い切って質問してみましょう。自分の希望条件と合致しなかったり、社風が合わないと感じたならば、やはり辞退するのが賢明です。

 


 

4.未経験でも受かる! 志望動機と自己PRのコツ

面接イメージでは、実際の履歴書・職務経歴書や面接時に必ず問われる「志望動機」と「自己PR」について、「未経験から営業職に転職する」ケースに特化したコツを紹介していきます。

※例文中の「御社」は面接などの口頭時に使い、履歴書などの書面では「貴社」と使い分けてください。

志望動機1:営業職に興味がある理由を明確に

志望動機は、なぜ未経験から営業職にチャレンジしたいのか、明確な理由を伝えることが必要です。

また、異業種からの転職でも、前職との共通点(顧客のターゲット層が同じなど)や、マーケティングなど営業職に生かせる経験を具体的に述べて、アピールすると良いでしょう。

<例文>アパレル店長から文具メーカー営業への転職の場合
前職では、アパレル店舗の店長として、接客のみならず、来客層や購買履歴などを基にした販売戦略の立案や売上の分析なども積極的に行ってきました。営業職は未経験ですが、顧客が20代から30代女性である点は前職と共通していますので、御社でも新規顧客拡大につなげることができると思い、応募いたしました。

志望動機2:「御社だから行きたい!」を全面にアピール

意外と見落としがちな点に、「この企業だからこそ入社したい理由」が曖昧である、ということが挙げられます。

「なぜ当社に応募したのですか?」の問いに対する答えが、「大企業の有名な商品に携わりたかった」「○○業界に興味があった」だけにとどまってしまうと、「それなら競合他社に転職すれば?」と冷ややかに感じる面接官もいるでしょう。

企業の資料やホームページに隈なく目を通し、「その企業でしかできない希望」を、これまでの自分の経験を交えて具体的にアピールすることで、あなたの熱意は伝わるはずです。

<例文>海外展開に注力している飲食大手企業への転職の場合
グローバルな視点から、特にアジアに力を入れ事業展開を行われている御社の戦略にとても魅力を感じています。また御社では、健康を促進する飲料を作っていらっしゃいますが、その際にオーガニック農法を使っています。人間の健康だけでなく、地球の健康にも気を配っている精神に強く共感しているため、ぜひ一緒に働かせていただきたいと考えております。

自己PR:営業マンの常套句「頑張ります!」以外の人間的魅力も加えて

営業職の適正を考えると、第一に「明るさ、積極性、コミュニケーション力、体力」など、とにかくポジティブな面を押し出したほうが好印象だろうと考え、どんな質問にも「頑張ります!」「精一杯努力します!」と笑顔でハキハキ答える人は多いでしょう。

しかし、営業の採用面接の場には、同様の人がこぞってやってきますので、この自己PRでは他の応募者から一歩抜きんでることはできません。例えば、「君、営業職は未経験だけど、本当にウチでやっていける?」と質問されたとき、他者との差別化を図るには、頑張る「以外」の、あなたならではの強みを加えることがポイントです。

「頑張る」という「動」の自己PRと併せて、「忍耐力」「分析力」「判断力」といった「静」の長所をアピールしたり、営業に活かせそうな前職での経験を具体的なエピソードを盛り込むことで、他者とは一味違った自己PRができるでしょう。

<例文>「営業未経験だけど大丈夫?」と聞かれたときの自己PRを含めた回答
ご指摘の通り、私はこれまで営業職に携わった経験はありません。しかし、前職では小売店の副店長として実質的に店舗運営を任されておりましたので、その時身につけた「お客様を第一に考え、何事も主体的に考え努力する姿勢」は、御社の営業職においても活かせると考えております。また、管理部門で経理を担当した際には、効率良い事務処理システムを分析・提案し、採用された経験もありますので、こうした経験も営業における顧客分析や営業戦略立案に役立てられればと思います。

【コラム】 難しい質問には「分からない」と認める素直さも大切

時に面接官から、未経験者には到底答えることのできないような業界の専門知識などを「ウチを志望するなら当然知っているよね?」などと少々高圧的に問われるといった、いわゆる「圧迫面接」のような質問をすることがあるかもしれません。

その際、面接官は「この難局にどう対応するか」で、その人柄を見抜こうとしています。

<例文>業界の専門知識など、難しい質問をされた場合
すみません…勉強不足で、○○業界の専門的な知識については、正直に申し上げますと、分かりません(分からないことを素直に認める姿勢で)。未経験なので教科書的な答えばかりになってしまいますが、私の経験を踏まえますと…(以下、自分の経験から営業につながることを、誠意をもって伝える)。

事実、口先だけの営業マンは信用されません。営業先の相手は商品やサービス以上に、あなたの「人柄」や「信頼度」を見て契約を決めます。

そのような素養の有無を、圧迫面接から引き出そうとしている可能性もあるということを、頭に入れておきましょう。万が一にも、不快な気持ちが表情に出てしまう、分からないので黙り込んでしまう、困り果てて泣いてしまう、といった事態には絶対に陥らないようにしましょう!

どんなときにも、冷静に。分からないなら、分からないと言えば良いのです。あなたの素直で謙虚な人間性を評価してくれる企業はきっとありますし、そんな一面を評価してくれる企業に入社できたら、きっと充実した営業ライフが送れるのではないでしょうか。

5.まとめ

運転中の営業マンいかがでしたか?

営業職は「すべての仕事の基盤」と言えるほど、さまざまな要素を含む仕事であり、営業職を極めれば、どの企業でも通用する人材となり得る、ということがお分かりいただけたかと思います。

求人数の多さからか、誰でもなれる職業のように思われがちですが、「デキる営業マン」になるには、相当の努力やテクニック、クレバーさが求められることもわかったのではないでしょうか?

今回は、営業のスタイルを8つに分けて、それぞれの特色についてまとめてみました。

この記事を参考に、あなたが営業マンとして最も輝ける場所を見つけてみてください。

 

 

 

 

 

1、効率良く仕事をするには

客先への訪問や提案書・見積書の作成・営業会議の準備などやるべき仕事をうまく効率良くこなす。

  • ・仕事に優先準備をつける
  • ・一日の行動を表にまとめ、無駄な時間をなくす

 

 

2、「ホウレンソウ」(報告・連絡・相談)のポイント

 

■ホウレンソウの基本

報告・・・とりかかっている仕事の進行状況や経過、結果を伝える

連絡・・・関係者に知らせておくべき情報をこまめに伝えれる

相談・・・困りごとや解決したいことを上司や先輩などに伝えて意見を求める

 

■上手な「報告」の仕方

「素早く・事実を・結論から」を前提にする。

●報告すべきこと

  • 仕事の進歩状況(途中経過)
  • 仕事の結果
  • 関係者に伝えるべき新しい情報
  • ミスやトラブルの発生

●報告と仕方と手順

口頭での報告は、まず結論から、事実だけを正確に伝える。すべてのことを伝え終わるまでは自分の意見を差し込まない。意見は一番最後かまたは上司から求められたとき。

  • ①上司の都合を聞く(悪い知らせほど、なるべく早く)
  • ②何についての話かを伝える「○○の件についてご報告したいのですが」
  • ③結論から述べる「新製品の製造スケジュールが2週間ほど遅れています」
  • ④理由を述べる「部品の発注に不足があったためです」(事実を曲げない。じぶんの意見を差し込まない)
  • ⑤全体の経過や状況を報告「現場の主任を交代する際に引継ぎがうまくいかなったとのことですが」(複雑な事柄には報告書や資料を提出する)
  • ⑥自分の意見は最後に「現場が混乱しているという印象が受けました。改善するには○○と思います」

 

■上手な「連絡」の仕方

連絡は上司のほかにもお客様や外部の協力会社、社内の関係者にもする可能性があります。

●連絡する際のポイント

  • ・連絡する相手にもれがないか確認する→情報が対象となるすべての人に行き渡らず、「聞いてなかった」という人が出ないように注意する
  • ・事実だけを伝える→自分の意見を伝える必要はない ○「B案に決まりました」×「私はA案派でしたが、B案に決まりました」
  • ・決定事項を伝える→報告では経過も伝えるが、連絡では決定事項のみを伝える。未決定の情報はかえって相手を混乱させる。○「営業会議は今週の火曜日の10時となりました」×「営業会議は今週後半か来週始めのどちらかになりそうです」

●連絡する手段

  • ・電話→外出先での自分の行動予定や状況を伝えるなど。急を要することもまずは電話で伝える。
  • ・メール→メールの利点は一度に大量の人に伝えられることと、受け手が再読できること。ただし、相手が必ずしも見ているとは限らないので、大事なことは電話などで口頭による確認が必要
  • ・回覧→緊急性で低いが、多くの人に確実に伝えたい場合は回覧が便利、社内イベントへの出欠確認の連絡など

 

■上手な「相談」の仕方

ミスやトラブルはすぐに上司に相談します。また仕事がうまく進まないときなども相談するべきである。

●「相談」が必要なケース

  • ・仕事の不安や心配事があるとき
  • ・仕事に行き詰まりを感じたとき
  • ・自分の意見やアイデアを提案したいとき
  • ・ミスやトラブルが起きそうなとき、起こってしまったとき

●「相談」する際のポイント

  • ・ミスやトラブルなど、悪いことはいち早く相談する
  • ・上司のアドバイスをあおぐ形にする
  • ・自分なりの考えや見通しをもってから相談する

 

 

3、営業に必要な知識と情報

■十分な知識と情報を備えているか

  • ・自社の経営方針と販売方針、今後の計画を理解しているか
  • ・自社の商品に精通しているか
  • ・自社の商品の特徴をわかりやすく説明できるか
  • ・ライバル会社の商品の知識をもっている
  • ・これから出る自社商品、他社商品の最新情報を知っている
  • ・業界、市場の動向をつかんでいる
  • ・お客様の情報を調べ、ニーズを予測して商談している

●自社の販売方針や商品知識を習得する

  • ・自社の経営方針・販売方針・今後の計画→会社というチームの一員として、目標を共有し営業活動の姿勢や取り組み方を決定する
  • ・自社の商品に関する詳細な知識→強みと弱みを知る。
  • ・自社の商品をわかりやすく説明する技術

●お客様や他社、市場の情報をつかむ

  • ・お客様に関する情報→お客様が困っていること、望んでいることは何か。将来、どんな事業展開を計画しているか。今使っている商品はどこから購入しているか
  • ・ライバル会社に関する情報→競合する商品や自社商品との違い、長所と短所。今後の展開。
  • ・業界や市場に関する情報→どこの会社がどんな商品を採用したかなどの市場の話題。業界全体の新しい取り組みや課題についての課題

 

 

4、営業にかかわる法律知識

■消費者保護に関する法律

●特定商取引法

訪問販売、電話での勧誘販売など、消費者トラブルが生じやすい特定の取引を対象に、トラブル防止のための規制を定めている。事業者による不公平な勧誘行為などを取り締まることで、消費者取引の公正を確保するための法律。

  • <訪問販売・電話勧誘販売における主な規制>
  • ・事業者名や商品の種類を消費者に伝えねばならない
  • ・再勧誘をしてはならない
  • ・必要事項が明記された書面の提示をしなければならない
  • ・契約締結のために嘘を言ってはいけない。脅してはいけない。
  • ・クーリングオフ(契約の申し込みの撤回、解除)を遵守しなければならない

●消費者契約法

消費者と事業者の情報力・交渉力の格差を前提とした、消費者の利益を守るための法律。契約の際、嘘を言ったり、確実に儲かると話したり、都合の悪いことを隠したり、無理やり自宅に押しかけたりなど、事業者に不適切な行為があった場合、消費者は契約を取り消すことができる。

 

●電子消費者契約法

電子商取引における「消費者の操作ミスの救済」「契約の成立時期の転換」などを定めた法律。パソコン操作を誤ったりすることで生じた消費者トラブルに対し、事業者がそれを防止するための措置をとっていないと判明した場合、消費者からの申し込み自体が無効となる。たとえば、事業者は消費者が申し込みボタンを押した後にもう一度内容を確認するための画面を用意する必要がある。また申し込みボタンを押す前に、このボタンを押した後は有料である、とうことがわかるように明示しなくてはならない。契約成立時期は、事業者側の申し込み承諾の通知が「消費者に届いた時点で成立」と定められた。

 

●割賦販売法

割賦販売とは、売買代金を分割して毎年あるいは毎月(月賦販売)定期的に支払うことを約束した売買をいう。割賦販売には、ある程度代金が積み上がってから買主に目的物を引き渡す場合(前払い式、一例:百貨店の友の会)と、最初に目的物を買主に引き渡してしまう場合(後払い式 = 信用販売)がある。 前者の場合については、目的物を引き渡さない間に売主が倒産してしまうと、大勢の買主に迷惑を及ぼす。後者の場合には、売主が代金債権を担保するため、所有権留保を行ったり、違約罰を定めたりするなど、とかく経済的地位が劣り事情に疎い買主に不利過酷な条件が付されがちである。そこで、割賦販売法によって割賦販売に規制をかけることが要請された。

消費者は販売業者とクレジットカード会社と双方の契約関係があるため、トラブルになりやすい。クレジットカード会社には経済産業省への登録義務、手数料率などを示した書面の交付義務が課されている。また購入した商品にトラブルが生じた場合、消費者はクレジットカード会社からの請求を拒む権利が定められている。

 

■その他の関連法律

●個人情報保護法・・・民間業者が個人情報を扱うためのルール。消費者がその理由に不安を感じた場合、事業者に利用停止などを求めることができる

●PL法(製造物責任法)・・・消費者が製品の欠陥によって身体や財産に損害を受けたときに、製造会社などに対して損害賠償を求めることができる

●消費生活用製品安全法・・・消費生活用製品によって消費者が生命、身体にかかわる危害が発生することを防ぐための法律。特定製品や販売を規制し、また事業者には消費生活用製品の安全性の確保を自主的に行わせる。

 

 

7、営業の基本プロセスを理解しよう

 

■新規開拓での営業活動プロセス

STEP1 見込み客探し(見込み客のリストアップ、事前調査)

新規開拓は見込み客(商品を購入してくれそうなお客様)をリストアップすることから始まる。さまざまな情報や人脈の中から、できるだけ多くのアプローチ候補を集めることが大切。

STEP2 アプローチ(電話などのアポイント、初回訪問)

見込み客には電話をかけて訪問の約束をとりつけるか、直接、飛び込み営業をかける。お客様に初めてアプローチするときは、商品を売り込もうとするよりも、相手の役に立ちたいという気持ちを伝えることが大切。

STEP3 商談(お客様のニースなどをヒアリング)

契約は1度の訪問では決まらない。お客様が抱えている課題やニースを知るには、訪問回数を重ねて少しずつ信頼関係を構築していく。「うちの商品を買ってください」と切り出す前に、お客様の話を十分に聞く

STEP4 プレゼンテーション(商品の提案、見積もりの提出)

自社の商品で、お客様が抱えている課題や悩みをどのように解決できるかを示す。「購入したらどんなメリットがあるのか」「いろいろな商品がある中で本当にそれがいいのか」といったお客様が知りたがっていることをわかりやすく伝える。

STEP5 クロージング(制約、納品、代金回収)

後一歩で購入してもらえる、というところまできても最終的に契約書にサインしてもらえるまでにはさらに時間がかかる。営業マンはお客様の決断を誠実にサポートしなくてはならない。価格的な問題がある場合には上司に相談するなど、最後まで粘り強く交渉を続ける。

STEP6 アフターフォロー(メンテナンス、クレーム対応、次の機会を見つける)

購入後の商品メンテナンスや、新たな課題やニーズの聞き取りを通じて、新規顧客との関係をさらに深めていく。クレームが発生した場合には速やかな対応が必要。アフターフォローをしっかりと行うことで、新たな商機が生まれる。