合同会社の解散・清算手続き

合同会社解散・清算手続きマニュアル

Q. 合同会社を解散するにはどうすればいいですか?

A. 社員全員が解散に同意することによって、自主的に合同会社を解散させることができます。

社員全員の同意が必要ですので、一部の社員が反対している場合は、同意による解散はできません。社員全員で「合同会社を解散すること」と「解散する日」を決めて同意を得ます。

解散に伴って会社の残務処理を行う人を「清算人」と言います。清算人は通常は代表社員が就任しますが、第三者が就任しても問題ありません。この清算人が代表社員に変わって法務局へ解散登記と清算人の就任登記を同時に行います。

そして、会社の残務処理が終わった後に再び法務局へ清算結了の登記を行うことで会社が完全に消滅します。

Q. 解散手続きのおおまかな流れを教えてください。

A. 合同会社の解散手続きの流れは次のようになります。

  1. 総社員で解散することと解散日の同意を得る
  2. 清算人を選任する
  3. 法務局へ解散及び清算人選任登記を行う
  4. 債権者保護手続き(官報へ解散公告の掲載、債権者に対する催告)
  5. 清算事務(債権の取立や債務の弁済)を行う
  6. 清算計算について社員の承認を得る
  7. 法務局へ清算結了の登記を行う

上記の法務局へ登記申請を行う他、税務署や都道府県税事務所、役所等の関係各庁にも解散の届出が必要です。

Q. 解散費用はいくらぐらいかかりますか?

A. 登記申請時の登録免許税と官報の解散公告費用が実費でかかります。

登録免許税は、登記区分ごとに料金が定められていて合計で41,000円かかります。

<登録免許税内訳>

  • 解散登記:3万円
  • 清算人選任登記:9,000円
  • 清算結了登記:2,000円

解散の官報公告費用は、新聞のように「1行×単価」で計算されますので、会社によって異なり3万円~4万円かかります。これらは実費ですので、どなたが行っても必ずかかる費用です。

Q. 官報の解散公告とはどのようなものですか?

A. 合同会社が解散することを債権者に対して周知するためのものです。

合同会社が解散する場合、会社の債権者に対して会社が解散することを周知しなければなりません。

これは官報公告で行うことが法定されていますので、インターネットなどその他の手段では行うことができません。また、例え債権者が1人も居なくても行う必要がありますので注意してください。

官報は国が発行している新聞・機関誌のようなもので、全国各地にある官報販売所へ電話・FAX・インターネットから申し込みを行います。

Q. どのぐらいの期間がかかりますか?

A. 最低でも2ヶ月半はかかると思ってください。

合同会社を解散した後、官報へ解散公告を掲載します。この公告期間は2ヶ月以上の期間を置く必要がありますので、解散登記から清算結了登記が完了するまでは、登記申請期間等を考慮すると最低でも2ヶ月半はかかると考えてください。

これは専門家へ依頼した場合の最短期間ですので、全ての作業をご自身で行う場合は、それ以上かかると思っておいた方が良いでしょう。

Q. 官報に公告を掲載しなかった場合、どうなりますか?

A. 法務局の登記申請は受理されます。

手続きの流れとしては、官報の公告期間が終了し、全ての残務処理が終わったら法務局へ清算結了の登記を行います。官報は登記申請の添付書類ではないため、法務局では解散公告を行ったかどうかを確認するすべがありません。

ですので、解散公告期間の2ヶ月が経過した後に清算結了の登記を行えば受理されます。しかしながら、法定要件を満たさないので手続きは法律上、有効なものではありません。法律に定められた手続きに従って、きちんと公告を行ってください。

Q.清算事務とは何ですか?

A. 会社を法的に消滅させるための手続きのことです。

解散登記が完了してもすぐに会社は消滅しません。会社を清算(整理)するための手続き=清算手続きに移行します。

この清算手続きは清算人が行います。清算人は、会社名義の財産があれば換価したり、未回収の債権があれば取り立てたり、未払いの債務があればそれを弁済するなど、会社を法的に消滅させるため様々な手続きを行います。

もちろん官報への解散公告も清算人の名前で行いますし、法務局の登記申請も清算人が行います。このような清算手続きを清算事務といいます。

Q. 清算事務が早く終わりました。すぐに清算結了を行えますか?

A. 官報公告期間が終了していなければ、すぐに清算結了は行なえません。

例え清算事務が早く終わったとしても、公告期間が経過していなければ法務局へ清算結了の登記を行うことはできません。

注意しなければならないのは、解散日から2ヶ月以上ではなく、解散の公告掲載日の翌日から2ヶ月です。公告を掲載するには官報販売所へ申し込みをしてから約2週間後の掲載となります。解散日=広告掲載日ではありませんので、注意してください。

Q. 清算結了の登記をしなければ合同会社はどうなりますか?

A. 清算会社として存続し続けます。

合同会社の清算手続きは会社自身が行う必要があります。何らかの事情により解散したまま放置していても会社が自動的に消滅することはありません。会社の債権者からすると勝手に消滅されたら困りますよね。

あまりにも長期間放置していると登記記録は閉鎖される可能性はありますが、会社が消滅するわけではありません。

清算事務に期限はありませんので、何年かかっても会社自身で清算する必要があります。なお、会社が存続している限り通常は毎年法人住民税(均等割)が課されますので注意してください。

◆上記各手続きについて、より詳細に知りたいという方は、弊所公式サイトのこちらのページも合わせてご覧ください。→合同会社解散手続き:合同会社変更手続きサポートセンター