事業者向け銀行融資の金利比較+「ファクタリング」とは?メリット・デメリットを分かりやすく解説+ファクタリングの手数料は?

徹底比較!事業者向け銀行融資の金利比較

事業資金の調達法で、最もスタンダードな方法といえば、銀行からの融資を受けることです。

各行がそれぞれに、独自の融資プランを提供していますが、今回はそのなかでも比較的借りやすいビジネスローンの「金利」について比較してみましょう。

ビジネスローンは担保が不要ですし、審査基準も通常の融資より緩めであるため審査期間が比較的短く、スピーディーに資金が調達できるというメリットがあります。

しかしその反面、通常の融資より金利が高くなっているので注意が必要です。

ビジネスローンを利用する前に、まずは日本政策金融公庫や制度融資が利用できないか、またファクタリングなど売掛債権の譲渡等で対応ができないかを検討し、それでも資金繰りの目処が付かない場合にのみ、利用するようにしましょう。

銀行のビジネスローンやノンバンクは高利の金貸しで印象が悪い、借入はしないほうがいい、という考え方もありますが、一概にはそうとも言えません。利用すべきときは利用すべきです。

ビジネスローンを利用して、倒産という最悪の状況を回避、経営再建を果たした会社があるのもまた事実なのです。

仕方なくビジネスローンを使わざるを得えない状況になった場合でも、借入の為の借入はしない(資金繰りが更に悪化します)、借入期間も短期でかつ多額の融資は避ける、本当に困ったときだけスポット(単発)で借りる、などと言った「マイルール」を作って利用する分には、特に問題は起きません。

要は、急を凌ぎたいからと藁をも掴む思いで無計画にビジネスローンを利用しないようにしましょう。ということですね。

ビジネスローンも大手銀行が扱っているものは、取引自体は安心して行えますし、審査も早いのが特徴です。

ビジネスローンは都市銀行や地方銀行などいろいろな金融機関が提供していますが、今回はメガバンク(三井住友銀行・三菱東京UFJ銀行)と大手信販会社(オリックス)が扱っているビジネスローンの金利を比較してみました。

1.三井住友銀行のビジネスローン

三井住友銀行ではビジネスセレクトローンと、クライアントサポートローンの2つの商品を提供しています。

ビジネスセレクトローンはスピーディーな審査、最大1億円までの大枠貸し付け、無担保・第三者保証人が不要の中小企業向けの融資です。

業歴2年以上で、最新決算期で債務超過していないこと、税金の未納がないことなどが利用条件です。金利は2.125%から。非常に安くなっています。

このほか事務手数料として、初めて利用する場合は7万5,600円(3,000万円以上の融資の場合は9万7,200円)、2度目以上の利用の場合は3万2,400円(3,000万円以上の融資の場合は5万4,000円)が別途必要です。

クライアントサポートローンはビジネスセレクトローンと同じ商品ですが、「中小企業の会計に関する指針」に沿うチェックリストを提出すれば、最新決算期で債務超過であっても申込みができるのが特徴です。

中小企業の会計に関する指針とは金融面での支援を目的に作られた、会計処理などの指針です。

融資を申し込む前に顧問税理士に相談し、税理士にチェックリストを作成してもらい、それを三井住友銀行に必要書類として提出します。

2.三菱東京UFJ銀行

三菱東京UFJ銀行は融活力という名称のビジネスローンを提供しています。

融資額は500万円~5,000万円まで。金利は年2.35%~9.00%です。原則として無担保・第三者保証人不要で利用できます。

申込み条件は、業歴2年以上で、2期分の決算書が提出できること、最新決算期で債務超過していないこと、税金の未納がないことです。

メガバンクのうちみずほ銀行は、事業団体などと提携したローンしか提供しておらず、ビジネスローンの取り扱いは行っていません。(2016年現在)

3.オリックスVIPローンカードBUSINESS

ここからはノンバンクになりますが、大手と同様の会社規模であるオリックスが発行しているオリックスVIPローンカードBUSINESSいついて見てみましょう。

ビジネス向けカードローンの一種で、個人事業主や法人の代表者の方が入会することができます。借入条件や審査などについて詳しく解説していきます。

オリックスVIPローンカードBUSINESSとは?

オリックスVIPローンカードBUSINESSは、起業家・個人事業主・中小企業経営者の方々が対象のビジネス向けカードローンです。

資金繰りや銀行からの融資までにつなぎとして利用することができます。最大の特徴は、即日融資をしてもらうことが可能な点です。

その他にも、低金利や利便性の高さなど沢山のメリットがあります。

特徴・独自のメリット

オリックスVIPローンカードBUSINESSの特徴やメリットを以下にまとめてみました。

簡単な借入条件で素早い融資が可能オリックスVIPローンカードBUSINESSでは、即日融資が可能です。即日融資とは、申込みをした日のうちに資金調達が可能ということです。通常、ビジネスローンでは早くても借り入れまでに数日かかります。

しかし、オリックスVIPローンカードBUSINESSは平日の14:30までに契約をすることが唯一の借入条件です。担保や保証人も必要ありません。

年収の1/3以上の借り入れが可能

法律によって消費者金融などからお金を借りる場合は年収の1/3以上を超えることはできません。

しかし、オリックスVIPローンカードBUSINESSは総量規制の例外貸付対象商品となっているため、年収の1/3以上の借り入れが可能です。

大手なので利便性が高い

オリックスVIPローンカードBUSINESSは大手のオリックス・クレジット株式会社が運営しています。そのため、非常に利便性が高いことが大きなメリットになります。

電話やインターネットを通して借り入れをすることができ、全国の金融機関やゆうちょ銀行などの口座に素早く振込をしてくれます。

提携しているCD・ATMが非常に多いので、必要な時にコンビニなどで資金調達をすることが可能です。

低金利

実質の年率は金融情勢などによって変動しますが、6%〜17.8%となっており、非常に低金利です。必要な時にすぐに借り入れが可能なのに、低い年率は嬉しいポイントですよね。

クレジットカードの分割払いが8%〜18%程度であるので、クレジットカードの分割手数料よりもお得な計算になります。

すばやい審査回答

今すぐ資金調達をしたいので早く会員になりたい!といったときに、何日も審査に通ったかどうかわからない状態で待たされるのは嫌ですよね。

オリックスVIPローンカードBUSINESSなら、申込みから最短で60分ほどで審査結果を教えてくれます。仮にオリックスVIPローンカードBUSINESSの審査に通らなかったとしても、すぐに審査結果を教えてくれることは申込者にとって大きなメリットです。

審査結果は平日の9時〜19時の間にメール又は電話でお知らせしてくれます。

カード自体は後日郵送で送られてきます。契約内容の確認と同意をすれば、すぐに利用を開始することができます。

会員限定の優待サービスがある

クレジットカードの会員サービスのように、オリックスVIPローンカードBUSINESSには会員限定の優待サービスもあります。

対象のビジネスホテルやリゾートホテルなどの宿泊施設に優待価格で宿泊できたり、ゴルフ場やレンタカー、その他のレジャー施設を優待価格で利用することができます。

オリックスVIPローンカードBUSINESSの申込み条件

オリックスVIPローンカードBUSINESSの申込み条件は、20〜69歳の個人事業主の方もしくは法人の代表者の方(株式会社や有限会社を経営している方)が入会することができます。

個人事業主の方は、業歴1年以上である必要があります。

今すぐ必要な人も、そうでない人もおすすめ

オリックスVIPローンカードBUSINESSは、今すぐ借り入れが必要な人にも、そうでない人にもおすすめです。

今特に借り入れをする必要が無いという場合でも、1枚ビジネス向けカードローンのカードを持っていると、いざ必要という時のために非常に安心です。

特に、オリックスVIPローンカードBUSINESSは即日融資が可能なのでチャンスの時やトラブルの時など、あらゆるビジネスの場面で役に立ちます。

このように、オリックスVIPローンカードBUSINESSは個人事業主や会社経営者の方にとって1枚持っているだけで非常に便利なビジネス向けカードローンです。

審査も早く即日融資、全国の金融機関やコンビニのATMで利用できるので、手間がかからず本業に集中することができます。大きなチャンスやいざという時のために、オリックスVIPローンカードBUSINESSは非常におすすめです。

 

ファクタリングとは?

はじめに

当ページでは、昨今注目されている資金調達方法であるファクタリングについて解説しています。

ファクタリングは、金融機関からの「借入」による資金調達ではありません。

ファクタリングとは、あなたの会社の「売掛債権」をファクタリング会社(ファクタリングを専門としている金融会社)に売却して、資金を調達する方法を言います。

実は、このファクタリングによる資金調達は、経済産業省も昔から推進している制度なのです。

なぜこれまで普及してこなかったのでしょうか?

地域の金融機関が行う貸付の約9割は、担保として不動産を設定しているとの統計が出ています。

ですが、今はこの流れが代わってきています。不動産の他、動産や売掛金も担保として認めようではないか。

不動産を持っていない中小企業にも、売掛金や動産などを正当に評価することによって積極的に融資を行うべきではないか。という流れになってきているのです。

この流れの中で、徐々にこのファクタリングに依る資金調達も普及してきました。

資金繰りの改善に大きく寄与してくれるファクタリングは、困ったときの強い味方です。中小企業の経営者であるあなたには是非とも知っておいてほしい制度です。

それでは、見ていきましょう。

目次(もくじ)

  1. 黒字倒産とは?代金を払ってくれない?
  2. でも、支払いは待ってくれない?
  3. 注目されるファクタリング
  4. 無担保・無保証・赤字決算でもOKなのがファクタリング!
  5. ファクタリングビジネスはなぜ成立するのか
    |-2社間取引とは?
    |-3社間取引とは?
    |-償還請求権とは?
    |-急いでいても、契約内容をしっかり確認、納得してから契約しましょう。
  6. ファクタリングのメリット・デメリット
    |-メリット
    |-デメリット
  7. ファクタリングもいくつかの種類がある。
    |-(1)保証ファクタリング
    |-(2)買取ファクタリング
    |-(3)国際ファクタリング
  8. 欧米でのファクタリング活用の実例
    |-ファクタリングのファクターは「仲介人」という意味
    |-現在の形になったのは20世紀から
  9. まとめ

1、黒字倒産とは?代金を払ってくれない?

中小企業の経営者が毎日何を考えているかといえば、やはり「資金繰り」です。

「売上が増えていれば、会社は安泰」という考えをする人もいますが、会社の税務財務はそう単純ではありません。

「黒字倒産」という言葉をお聞きになったことがあると思います。

黒字とは、言わずもがな「収益-支出」がプラスになることを言います。

黒字だと会社にお金(収益)が残るため、倒産するとは通常は考えられません。

では何故、黒字倒産という言葉があるのでしょうか。また、実際に黒字なのに倒産してしまうケースが後を絶たないのはなぜでしょうか?

これは、収入と支出にタイムラグ(時間差)があることに起因しています。

ビジネスをしていればお分かりになると思いますが、売上と同時に対価がすぐに支払われるとは限りません。掛取引の場合、早くても翌月末、長い場合は翌々月末に支払いが行われます。

この支払いを受ける権利を債権、会計用語では売掛金といいます。

売掛金はお金を受け取る方が使う言葉で、一方、お金を支払う方は「買掛金」という言葉を使います。

この売掛金、たいていの場合は何か月後の入金が約束されている(書面などに明示されている)ことが多いのですが、取引先の急な業績悪化などによって、支払いが遅延したり、最悪の場合は売掛金の回収ができないことも十分に考えられるのです。

2、でも、支払いは待ってくれない?

売掛金が回収できない場合、それを理由に毎月の決まった経費の支払いを待ってもらうことはできるのでしょうか?

できませんね。

オフィスの家賃、従業員の給料、外注費など、「売掛金が回収できなかったのなら、こちらも待ってあげるよ」と言ってくれるでしょうか?

残念ながら、そんな取引先ひとつもありません。

売上などの収益は遅延性がある一方で、支出は毎月決まったとおりに会社から出ていく。

そんな状態が続くと徐々に会社の首は回らなくなってきます。

最終的に資金繰りが出来なくなる。黒字倒産の憂き目に遭うか回避できるかは、「売掛金」を効率よく回収できるか否かに掛かっているのです。

3、注目されるファクタリング

ここで、資金繰りに悩む中小企業の強い味方として、現在、注目されているのが「ファクタリング」です。

ファクタリングとは、あなたが所有している売掛債権(売掛金)をファクタリング会社が買い取り、支払義務のある会社に替わって代金を支払う制度です。

ファクタリング会社は売掛金を買い取った後に、支払い義務を持つ会社から売掛金を回収することになります。

このファクタリング、実は欧米では中小企業の当たり前の資金調達方法として定着しています。

19世紀末から20世紀初頭にアメリカで急成長・拡大したファクタリングも、日本ではそれほど浸透せずに現在に至ります。

その原因は主だったものとしては、「手形取引」の発展があげられます。

ついこの間まで、会社会計の代表格である簿記の試験で、手形に間する出題がなされていたくらいです。

1990年代のバブル崩壊後に手形取引の件数は著しく減少し、代表格のなくなった現金化、資金調達の方法として、ファクタリングが次第に注目されています。

詳しくは経済産業省発行のレポートなどもご覧頂ければと思いますが、ファクタリングの実績もここ20年で急速な伸びを見せているようです。1995年で約1,600億、1999年で約4,500億円、2003年で約8,000億円。実に5倍も市場が拡大していきいるのです(参考:経済産業省レポート「売掛再建流動化」)。

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4.無担保・無保証・赤字決算でもOKなのがファクタリング!

ファクタリングはあくまでも売掛金の売買による資金調達方法であり、金融機関からの借入ではありません。無担保・無保証での資金調達が可能で、赤字企業でも利用できるのがその特徴です。

金融機関のような厳しい与信審査もありません。

逆に、ファクタリングの活用によって売掛金が無くなり、資金繰りは改善しますので、金融機関の信用度もアップします。

日本政策金融公庫や銀行などのつなぎ融資も活用できますが、融資実行までに時間がかかります。その点、ファクタリングによる資金調達は最短数日での実行も可能です。

5.ファクタリングビジネスはなぜ成立するのか

ファクタリング会社は売掛金を買い取るための手数料を収入源としています。

各ファクタリング会社によって、また、ファクタリング形式によって、手数料は大きく異なります。

大体、回収債権額の約3%~30%の間で手数料を設定しているところが多いようです。

なぜ手数料に幅があるかと言うと、その債権回収方法(2社間ファクタリングか3社間ファクタリング)によって、ファクタリング会社が受けるリスクの内容がまったく異なるからです。

2社間取引とは?

2社間ファクタリングは、売掛先を介さずに、あなたの会社とファクタリング会社の2社間のみで売掛金の売買を行います。

2社間取引の場合、売掛金の回収自体は、あなたの会社が行います。ファクタリング会社は与信審査を行い、あなたの会社と売掛先に問題がないと判断すれば、売掛金を買取り、手数料を差し引いた金額をあなたの会社に支払います。

あなたの会社は、売掛先には知られることなく売掛金を売却して早期に資金を回収できる一方で、ファクタリング会社としては、未回収リスクが高くなりますので、その分、手数料が高くなります。10~30%ほどの手数料を取る会社が多いようです。

3社間取引とは?

3社間ファクタリングは、あなたの会社とファクタリング会社と売掛先を交えて3社での取引になります。

3社間取引は、売掛金の売買を「債権譲渡」という方法を用いて行います。

債権の譲渡を有効に成立させるには、売掛先への通知と承諾が必要になります。

ですから、当然ですが、あなたの会社がファクタリングを利用していることは売掛先へ知られることになります。

3社間取引の場合は、売掛金ごとファクタリング会社に譲渡して、後のやり取りはファクタリング会社と売掛先で行うことになります。

ファクタリング会社としては、債権を自ら回収ができるので、未回収リスクは減ります。その分、手数料は安く設定しています。手数料は5%~15%ほどに設定している会社が多いようです。

償還請求権とは?

ファクタリングには、売掛先が倒産した場合の危険負担の問題が残ります。

償還請求権は、ファクタリング契約を結んだ後に、売掛金未回収の時点で売掛先が倒産した場合、ファクタリング会社があなたの会社に未回収代金を請求できる権利です。

償還請求権が付いているファクタリング契約の場合、売掛先の倒産等で売掛金を回収できなかった場合、あなたの会社がその売掛金の未回収分をファクタリング会社に支払わなければなりません。

一方、償還請求権がついていない場合は、仮に売掛先が倒産してもあなたの会社は支払いを免れます。

償還請求権がついている場合は、ファクタリング会社の危険負担の割合は減りますので、手数料は安くなります。逆に償還請求権がついていない場合は、手数料は高くなります。

急いでいても、契約内容をしっかり確認、納得してから契約しましょう。

いずれの方法による場合であっても、手数料は決して安くはありません。

2社間であっても、3社間であっても、また、償還請求権がついていようがいまいが、その内容は各ファクタリング会社によって様々です。

契約内容(ファクタリング手数料はいくらか、ファクタリング手数料以外に発生する費用にはどんなものがあるか、償還請求権はついているのか、債権譲渡登記はするのか、支払いまでの期間はどのくらいかなど)をしっかりと確認し、納得した上で契約を行うようにしましょう。

なお、ファクタリングの手数料については、こちらのページにも詳しい解説を掲載していますので、ご覧ください(参考:ファクタリングの手数料について

6.ファクタリングのメリット・デメリット

ファクタリングのメリット・デメリットもここで確認しておきましょう。メリットも多いファクタリングですが、当然デメリットもあります。

まず、メリットは次のとおりです。

メリット
  • 資金繰り・キャッシュフローが改善する
    滞留している売掛金を回収する期間が短くなりますので、キャッシュフローが改善されます。
  • 未回収リスクを軽減できる
    買取ファクタリングの場合、債権譲渡を行いますので、取引先の倒産などによる売掛金の未回収・貸倒れリスクがなくなります。手形割引の場合は、取引先が不渡りを出せばそのリスクは自分がかぶることになり、返済をしなければなりませんが、ファクタリングはそうではありません。ファクタリングは、売掛金自体を売ってしまいますので、取引先が倒産してもその損害を蒙るのはファクタリング会社です。
    (関連記事:手形割引と「ファクタリング」の違いって?)。
  • オフバランス化が図れる
    ファクタリングにより調達した資金で有利子負債を返済した場合、資産の圧縮が可能になります。貸借対照表がシンプルになり、金融機関の与信評価もアップします。
  • 売掛金管理コスト・回収コストがなくなる
    前述の通り、ファクタリングは売掛金自体を買い取ってもらいますので、その管理や回収するためのコストが軽減されます。もし、取引先が急な業績悪化で支払い遅延を起こしたり、倒産したしまった場合、自分で回収を行うのは非常に難しく、手間も掛かります。ファクタリングを利用すれば、このリスクと手間が一切なくなります。

 

デメリット

次に、デメリットについても見てみましょう。

  • 公庫や民間銀行などに比べると手数料が高い
    融資の場合はそもそも手数料ではなく利息が発生します。公庫の場合は平均で2~3%、民間銀行でもプロパーの場合は2~3%、ビジネスローンやノンバンクでも5~18%ほどです。
    ファクタリングの場合は、2社間か3社間取引かによって手数料は異なりますが、最大で売掛債権金額の30%にもなります。箇所でも記載しましたが、買取ファクタリングの場合、倒産リスクはファクタリング会社が負います。その為、支払手数料が高額になります。
  • 3社間ファクタリングの場合、契約に時間がかかる
    後述する3社間ファクタリングの場合、ファクタリング会社への支払手数料は安くなりますが、債務者である取引先とファクタリング会社との間で契約を結んでもらわなければなりません。ファクタリング会社に債権を譲渡しますので、当然、売掛先にはファクタリングを活用することが知られることになります。資金繰りが苦しいことを売掛先はもとより周辺の取引先にも知られてしまう可能性があります。

7.ファクタリングもいくつかの種類がある。

一概に「ファクタリング」といっても、細かくはいくつかの種類があります。

(1) 保証ファクタリング

もともとは国土交通省が創設した「下請債権保全支援事業」にもとづき、取引先からの債権をファクタリング会社が保証するサービスです。建設業界に多い形態です。

(2) 買取ファクタリング

本記事でお伝えした一般的なイメージのファクタリングスキームです。(1)より手数料が割高に設定さされています。バランスシートのスリム化を実現することができます。一般的な会社で最もよく利用されており、介護・医療業界に特化したファクタリング会社も出てきています。

(3) 国際ファクタリング

会社における債権と債務の関係は、国内だけにとどまるばかりではありません。債務者が海外企業、という場合も数多く発生します。その場合は、海外企業とのあいだに仲介力を持つファクタリング会社があいだに入り、ファクタリング案件をまとめる役割を担います。

8.欧米でのファクタリング活用の実例

ファクタリングは日本でも浸透してきたものの、まだ資金調達法としては馴染みが少ない取り引きです。

しかし欧米ではファクタリングの歴史が古いこともあり、当たり前のように行われています。

ファクタリングのファクターは「仲介人」という意味

ファクタリングの歴史は古く、16世紀にイギリスで行われるようになったといわれています。

主に、アメリカとの貿易に使われました。当時、イギリスから植民地のアメリカへと移住した人たちは、前借りした渡航費の返済や、植民地で必要な物資を購入するためにイギリスと貿易を行っていました。

このときに利用したのがイギリスのファクター(仲介人)です。

移住者はファクターにアメリカで得た毛皮や材木などをイギリスで販売する権利を与える代わりに、アメリカで不足している小麦粉や布、鉄器などを提供してもらう契約を行い代理人であるファクターを通じて商売を行っていました。

これが発生当時のファクタリングの、実例です。その頃イギリスでは毛織物産業がピークを迎えており、盛んに貿易が行われいたので、高い重要がありました。

その後、時代の流れとともに、少しずつファクターの役割が変わってきます。

単なる仲介業者として販売活動を行うだけでなく、製造業者に代金の前払いをするための信用調査も請け負うようになりました。

さらに19世紀になると、新しいファクタリングが流行するようになります。

ファクターが販売代理店だけでなく、売掛債権を担保に代金の前渡しを行うようになったのです。

現在の形になったのは20世紀から

20世紀になるとイギリスからアメリカへの繊維輸出が衰退したため、ファクターは販売代理店としての仕事を行わなくなり、資金提供と信用調査だけを行う現在のファクタリング取り引きへと変わりました。

それ以来現在に至るまで、一般的な資金調達手段として多くの中小企業が利用しています。

取引方法は日本と同じで、売掛債権をファクタリング会社に売却して現金を調達するというものです。

また、信用調査機関としての役割もありますから、ファクタリング会社が承認した取引先は安全度が高いという判断材料にもなります。

このため日本の会社が初めてアメリカに進出するときに、アメリカでの販売代金回収を安全に行うために、ファクタリングを用する日本企業も少なくありません。

このように古くは16世紀から、欧米ではさまざまな形でファクタリングが活用され、20世紀に入って現在の形に落ち着きました。

古い歴史があるためファクタリングに対して馴染みが深い取り引きです。

まとめ

以上、いかがでしたでしょうか。

まだまだ日本では聞きなれない言葉であるファクタリング。日本の法人の大半を占める中小企業の資金繰りがこのファクタリングの活用によって楽になると、日本経済全体の活力向上にも役立ってくれるのではないでしょうか。

ただ、ファクタリングは通常の融資に比べて手数料が高いので、この点については慎重に検討する必要があるでしょう。

支払いまでに時間があるのであれば、公庫などの公的機関からのつなぎ融資をまずは考え、それでもだめな場合はファクタリグの活用を考えるとよいかと思います。

ただし、急を要する場合は倒産の憂き目に遭う前に、素早い対応が求められますので、迷わずファクタリングを利用しましょう。

資金繰り改善による倒産の回避や業績向上が期待できるファクタリングには、今後も注目していきたいものですね。

下記サイトでは、ファクタリングによる資金調達が可能かどうかを無料で診断してくれます。あなたの会社に100万円以上の売掛金があって、資金繰りに困っている場合は、資金調達プロの利用も検討してみてください。10,000以上の事業者が利用しています。

 

 

ファクタリングの手数料について

ファクタリングの手数料は通常、売掛金額の1~30%になります。なぜこれほどの幅があるのでしょうか?

ファクタリングと一口にいっても、その方式や契約内容は多岐に渡ります。当然ながら、ファクタリング会社によって、サービスの内容も異なります。もちろん、手数料も会社によって様々です。

一概にどこが安い、高いとも言えません。

ですから、ファクタリングを利用する際は、複数の会社から見積もりを取る、契約内容をしっかり確認してから契約を結ぶ、などの準備と対策が必須になります。

つなぎ資金を調達してその後の資金繰りの見通しを立てるためにファクタリングを利用するのですから、手数料負担が大きすぎて、更に資金繰りが悪化してしまうなど、それこそ本末転倒です。

当ページでは、ファクタリング手数料はどのような仕組みで決められているのか、方式や契約内容はそもそもどのように異なっているのか、などを詳しく見ていきたいと思います。

今のあなたの会社の実情にあったファクタリング会社選びの参考にしてもらえたらと思います。

それでは、詳しく見ていきましょう。

ファクタリング方式による違い

買取ファクタリング

世間一般で使われている、あるいは認知されているファクタリング方式です。ファクタリング利用会社から、ファクタリング会社が売掛金をまるごと買取るシステムを言います。

後述する2社間ファクタリングか3社間ファクタリングかによって手数料は異なります。更に、債権譲渡登記(※1)の有無、償還請求権(※2)の有無によっても、手数料が異なってきます。

保証ファクタリング

債権保全をメインとしたファクタリング形式です。

国土交通省が創設した「下請債権保全支援事業」に基づく保証ファクタリングなども有名です。この保証ファクタリングは、建設業界で多く利用されています。予め利用会社がファクタリング会社に保証料を支払っておくことで、売掛金が滞納したり、焦げ付いて回収不能となった場合等に保証金が支払われます。

ファクタリング形式(契約内容)による違い

買取ファクタリングの形式は大きく2つに分けれます。2社間ファクタリングと3社間ファクタリングです。

それぞれ、その名の通り、登場人物数が異なります。出て来る登場人物は3者です。

  • あなたの会社(債権者)
  • 売掛先の会社(債務者)
  • ファクタリング会社

2社間ファクタリング

「あなたの会社」と「ファクタリング会社」の2社間のみで契約を行います。

2社間取引の場合、売掛先は関与しません。あなたの会社の売掛金を、売掛先に知らせることなく、ファクタリング会社が買い取ります。売掛金額から手数料を控除した残りの金額があなたの会社に支払われます。資金繰りに困っているあなたの会社は、予定より早く売掛金を回収できるのです。

2社間ファクタリングの場合、売掛金の回収自体はあなたの会社が行います。もし回収不能となった場合の危険負担も買主側のファクタリング会社が被ることになります。

自ら回収もできず、未回収リスクもファクタリング会社が負担することになるので、その分、手数料は高くなります。

2社間取引のメリットは、ファクタリング会社からの支払いが早いこと、また、売掛先にもファクタリングを利用したことが知られないことです。

デメリットは手数料の高さです。気軽、かつスピーディーな資金調達が可能な反面、手数料が高い。

10%~30%、その他の実費も含めると負担は決して小さくありません。

著名なファクタリング会社はほぼこの2社間ファクタリングを提供していますが、その細かな契約内容(債権譲渡登記の有無、償還請求権※の有無)は会社によって異なります。

ですから、少なくとも数社からは見積もりを取って比較検討し、契約内容もしっかり確認してから申し込むようにしましょう。

3社間ファクタリング

「あなたの会社」と「売掛先の会社」、「ファクタリング会社」の3社間で契約を行います。

こちらは、債権譲渡の通知を売掛先に行い、売掛金の回収事務も全て含めてファクタリング会社に移譲してしまう方式です。

通常は債権譲渡登記(ファクタリング会社が当該債権(ここでは売掛金)の第三者対抗要件を持ちます)を行いますから、ファクタリングを利用したことが公になります。債権譲渡通知及び債権譲渡登記を行いますから、当然ですが、売掛先にはファクタリングを利用した事実が知れわたります。

手数料に関しては、ファクタリング会社からすれば、2社間ファクタリングよりも3社間ファクタリングの方が危険負担・リスクも少ないですから、手数料は安くなります。

5~10%と設定している会社が多いようです。とは言え、こちらも会社によって契約内容その他が変わってきますので、事前に確認を行うようにしましょう。

2社間と3社間、どちらを利用すべきか?

ファクタリングの利用をするに当たって、まず考えるべきは手数料も安い3社間ファクタリングです。

3社間ファクタリングのデメリット・懸念材料に「取引先に資金繰りの悪化、ひいては業績悪化を知らせることになる」というものがありますが、これも日頃から取引先との良好な関係を気付いておくことで、影響を最小限に抑えることができます。

経営環境の変化によって、将来、ファクタリングを利用することもあるかもしれないと、取引先の社長などに伝えて、事前に理解を得ておくのも1つでしょう。

なお、介護や医療分野では、介護報酬・医療報酬など売掛先が国になりますから、3者間ファクタリングの利用で問題はないでしょう。

※1 償還請求権とは?

融資を受ける際には担保として不動産を抵当に入れるのが一般的です。しかし担保となる不動産がない場合は、売掛金債権など不動産以外の財産を担保にして融資を受ける必要があります。

債権譲渡登記とは、このような場合に売掛金の支払先など、債務者以外の第三者から債権を守るための制度のことをいいます。

債権譲渡登記のポイントは、主に4つです。

1つ目は、登記を行えば第三者に債権譲渡の確定日付の保証通知を行う必要がないことです。

これまでは、債権譲渡があったことを第三者に主張するためには、借り入れ側が債権者に通知するか、債務者の承諾が必要でした。

しかし、債権者の数や債務者が多いと、通知や承諾にかかる手間が増えますし、費用も高くなります。

このような課題を解決するための制度が、債権譲渡登記です。債権譲渡登記を行うだけで、債務者以外の第三者に債権譲渡の確定日付の通知を行ったものとみなされるので、手続きが簡単になりますし、費用を抑えることも可能です。

2つ目は、債権の譲渡人は法人だけに限られていることです。

3つ目は、譲渡する債権は金銭の支払いのみの指名債権であることです。

4つ目は、債権譲渡登記を行った際に、譲渡人か譲受人が債務者に登記事項証明書を交付して通知するか、債務者からの承諾を得た場合は、債務者についても確定日付の通知があったものとみなされ、より有利になります。

※2 償還請求権とは?

償還請求権とは、対象の売掛金が回収不能となった場合に、ファクタリング会社があなたの会社に支払いを請求する権利を言います。当然、償還請求権がある方が手数料は安くなります。ファクタリング会社のリスクが減るからです。

逆に償還請求権がない場合は、手数料は高くなります。2社間では償還請求権なし、3社間では償還請求権ありという契約が多いですが、こちらも会社によって異なります。

まとめ

以上、ファクタリングの手数料について見てきました。

資金繰りに困ったときの強い味方であるファクタリング。経済産業省も制度の推進をしており、活用すべきはすべきと言えるのですが、いかんせん手数料が高いです。

仮に1000万円の売掛金で2社間ファクタリングを利用し、30%もの手数料がかかった場合、700万円はすぐに手に入るとはいえ、300万円もの手数料が取られることになります。

それでも倒産するよりはマシで、その後の資金繰りで立て直しの可能性が十分にあるのであれば、利用する。ファクタリングに関しては、このような考え方でいると良いかと思います。

定期的・継続的に売掛金が発生する業種の場合は、取引先との関係構築を行っておくことは当然として、予め3社間ファクタリングの利用が可能なファクタリング会社とコンタクトを取っておき、いつでも依頼ができるような体制を整えておくと良いでしょう。

3社間ファクタリングは手数料が安いので、取引先との関係を気にしないで良いのであれば、3社間ファクタリングが絶対的に有利です。

ファクタリング各社それぞれの強み、契約形態なども異なりますので、あなたの会社に最適なファクタリング形式及び事業者を探すには、こういったサービスをご利用されるとよろしいかと思います。→10秒カンタン事業資金調達するなら資金調達プロ