クラウドソーシングとは?+Fintechとは?+Insurtechとは?

起業家が積極的に活用すべきクラウドソーシングとは?

近年インターネットサービスのビジネス活用で飛躍的に増えているのが、クラウドソーシングです。

クラウドソーシングってどんなサービス?

クラウドソーシングとは、群衆(不特定多数の人々)という意味のクラウドと、外注するという意味のアウトソーシングと組み合わせた造語で、インターネットを通じて仕事を受発注するシステムをいいます。

主な発注者は一般企業で、プラットフォームとなるマッチングサイト上で外注したい業務を公募します。

受注側は自分がこなせる業務や報酬などを参考にしながら、受注したい業務に応募し、発注者が受注者のなかから優秀だと判断した人を選んで仕事を依頼します。

従来、仕事の受発注は面談や書類などのやり取りで行われるのが一般的でした。

しかしクラウドソーシングでは、両社が一度も顔を合わせることなく、インターネットのみでやり取りすることが多いのが特徴です。

このため日本中だけでなく世界中どこにいても取り引きが可能で、受注者は会社だけでなく、自宅で好きな時間に働けるなど自由な働き方ができるメリットがあります。

クラウドソーシングで依頼される業務には、プロジェクト型やコンペ型、タスク型などがあります。

プロジェクト型は規模の大きい案件で、高いスキルが求められるプログラミングやアプリの開発、ホームページ作成などが一般的です。

コンペ型では商品のコピーやロゴ、ポップの作成など、ある程度のスキルが求められる案件が多いのが特徴です。

タスクは最も簡単な案件で、パソコンでのデータ入力作業やレビューの投稿、文書作成などの業務が一般的です。

クラウドソーシングではフリーランサーから子育て中の主婦まで、さまざまな人が業務を請け負っており、近年では高齢者も増えてきました。

国内でクラウドソーシングサービスを提供している企業はランサーズ、クラウドワークス、シュフティ、クラウディアなど多数あります。

クラウドソーシングのメリット

クラウドソーシングには必要なときだけ発注できる、自社の人材では取り組めない仕事を発注できる、コンペを利用して質の高い受注者に発注できるなどさまざまなメリットがあります。

また一般企業への発注に比べて納期が短いケースが多いので、仕事のスピードアップにもつながります。

従業員を雇用するよりも人件費を大幅に節約できるので、自社のホームページ作成やマーケティング、アプリ開発などはクラウドソーシングの活用を検討してみてはいかがでしょうか。

 

 

Fintechとは?

いま、話題のテーマのひとつである「Fintech」。

金融、会計、財務畑のみなさんであれば、ぜひ知っておくべき言葉です。雑誌やニュースなどで少しずつ聞くようになったけれど、詳しいことは知らない…という方もまだいらっしゃるのではないでしょうか。

1.Fintechとは

「Fintech」という言葉は、「Finance(金融)」と「Technology(技術)」を掛け合わせた造語です。

IT技術を活用して、既存の金融サービスをさらに便利にしたり、いままでになかったようなサービスを生み出すことを指します。

Fintechには様々な種類があります。

これまで金融機関が店頭や対面で行ってきたサービスをオンラインで展開することも指しますし、ベンチャー企業等が自社の革新的な技術を以って、既存の金融機関が成し得なかったサービスを提供をすることも指します。

既存の伝統的な金融機関が提供するFintechサービスの代表例としては、銀行サービスの非対面化である「オンラインバンキング」が挙げられます。

15時で閉まってしまい、お昼時には混み合う銀行の窓口。資金の振り込みなどは遅れることの許されにくいことでありながら、その機会が非常に得難いものとなっていました。

これを解決したのが、「オンラインバンキング」です。

インターネットで24時間振り込みを受け付けるなど、店頭以外でも銀行機能を使えるようになりました。2000年代には、オンライン専門であることを謳ったWeb銀行も誕生(ジャパンネット銀行)。

同時期には証券業界においても、オンライン証券である「マネックス証券」が誕生しました。

Fintechがカバーするのは金融であり、「銀行」「証券」「保険」といった業務が、インターネットやAIを介して、進化していきます。

現在はこれらを包括して「Fintech」と呼ぶことが多いですが、テクノロジーを使った保険サービスは「Insurtech」と呼ばれるなど、細分化が進んできています。

2.Fintechが生まれた背景

「Fintech」という言葉が日本で大きく取り上げられるようになったのは、ここ2?3年のことであり、2014?2015年頃になります。

なぜ急にテクノロジーに焦点があたるようになったのでしょうか。その背景には、WebやAIなどのIT技術の急速な進化と、それらを活用して新しいビジネスを創造するベンチャー企業の急速な発達があります。

アメリカでMicrosoftとAppleが誕生したのは1970年代後半。

1980年にはAT&Tが誕生、1990年代に入るとGoogleが台頭してきました。家庭用PC、OS、回線環境、インターネットブラウザ、Web広告…アメリカで爆進的にインターネットの閲覧・Webコンテンツ制作の汎用化が進みました。

これらの背景から、生まれてきたのがStartup、日本においてはベンチャー企業と呼ばれるような、テクノロジーやアイデアでこれまでになかったサービスを作り上げ、急速に大企業に匹敵するようなマーケットシェアを獲得する企業群です。

みなさんがご存知のFacebookやTwitterも、家庭用PCやスマートフォンの普及、Webサイトの実装やアプリの構築の平易化により、誕生したサービスと言えるでしょう。

オンライン技術の発達により、多くのサービスが生まれてきました。

金融においては伝統的に記帳システムや送金にIT技術が用いられてきましたが、資産や融資情報というあまりにも重要かつ個人的な情報を取り扱うという性質上、店頭や書面ベースで行われなければならない業務が多く存在しました。

しかし、クリティカルな事項の処理が多いにもかかわらず窓口対応時間が非常に短く、その上待たされるなど、ユーザエクスペリエンスの改善がなされにくいことから、ついにオンライン専門の銀行や証券会社が1990年後半が誕生することになったのです。

1990年代、米国では一つの著名なFintechスタートアップが誕生しました。paypalです。

銀行口座やクレジットカードを用いて、オンラインでの振り込みを用意に行えるという革新的なサービスでした。

paypalが有名になることで、決済のStartupが台頭してきたという象徴となり、金融においてもテクノロジーで革新が起きるのであれば、決済以外の分野においても新サービスを起こせるであろうという意識が浸透した部分があったと思います。

実際、家計簿アプリのMint、融資サービスのレンディングクラブなどが2000年に入り誕生していきました。

既存の金融機関を塗り替えるというよりも、「今までにないが、不便であった金融の課題を解決するサービス」が誕生したという形です。

3.伝統的金融機関とStartup

ビジネスの世界では「No.1 takes all」と言われるほど、マーケットシェアや知名度が大きい企業の方が有利と見られることが多いです。

広告にかける費用は少なくて済み、「No.1であるからには、サービスの質が良いからであり、ユーザ情報も多く、資金もあるのだから改善されていきやすいだろう」という顧客サイドの認識があることもあるでしょう。

金融というのは中央銀行や精算機関などの基幹システムとの連結が必要なこともあり、参入障壁が高く、大手の財務基盤やマーケットシェアが脅かされることはないと考える人が多い業界でした。

しかし、米金融大手のJPMorganのCEOが「Sillicon Valley is coming(シリコンバレーがやってくる)」と発言したことから、金融大手もStartup、中でも金融に特化したFintechに対する危機感を持っていることが伝わりました。

この話は日本にも伝わりました。そもそもベンチャー風土があまり浸透しておらず、官民ともに一定水準のサービスを提供する日本においては、そういった技術に対する知識、認識、危機感がまだ薄く、それらを知ろうと各社がFintechチームを立ち上げ始めたのが、2015年前後のことになります。

「Fintech」という言葉が大きく取り上げられ、大手金融機関やベンチャーキャピタルなどがベンチャー企業に対し資金提供をしようとする姿勢を見せ始め、日本においてもFintechのベンチャー企業が成長していこうとしています。

銀行のアカウントと連携しバランスシートを自動生成するPFM(Personal Financial Management)、企業の財務経理処理をオンライン化するクラウド会計、オンライン送金、職歴等以外のデータから行う融資審査、暗号通貨など、様々なものが生まれようとしています。

 

 

Insurtech(インシュアテック)とは?

金融と科学の融合であるFintechについてはこちらのページで紹介しました。

既存のシステムが煩雑で、ITによる展開を求められる分野に保険業界があります。保険分野×Tech(テクノロジー)を、保険(Insurance)の頭文字をとって「Insurtech(インシュアテック)」といいます。

1.Insurtechとは?

保険は契約時、若しくは保険料支払い時における審査のタイミングで、さまざまな現状把握や手続きを必要とします。

生命保険なら死亡時や病気やケガ、自動車保険なら事故時と、保険まで気が回らない状況であれやこれやと確認することは、聞く方も聞かれる方も避けたいもの。そこで、保険にITを組み合わせた、Insurtechがここ数年急ピッチで発展してきました。

まず、Insurtechの代表格となるのは、自動車保険の分野です。

2.自動車保険×Insurtech

自動車保険の世界にInsuetechは革命をもたらすといわれています。まずは契約時。たとえば現在、保険加入を契約すると運転予定者は、次のような質問事項を自己申告します。

  • 運転歴はどれくらいか
  • 運転免許証の色はゴールドか、ブルーか、それ以外か。
  • 現在の点数はどれくらいか。

そこでどれだけ安全運転をしていようと、またはスピード狂の癖があろうと、自己申告しなければ保険料は大枠で設定された保険料基準のなかで一定となります。

ところが最近欧米を中心に、この保険料算定システムは大きく様変わりしています。

保険会社は保険加入希望者の運転する自動車にデバイスを取り付け、アクセルやブレーキの利用状況のほか、平均時速から走った経路まで記録、クラウドシステムで保険会社にデータが送られます。

これにより、現在より何倍も緻密に「運転技術」が蓄積され、運転技術の秀でた人は保険料が大幅に格安になる一方、未熟な運転技術を有しているにも関わらず「運転技術はあります」とうそぶいていた人は保険料が加算されるという状況になっていくといわれています。

また、運転技術が乏しく、それでいて高い自動車保険料を払えない人たちは結局保険に加入することができず、結果「保険難民」が生まれ社会問題化するのではと言われています。

民間の任意保険に加入できない人が万が一の事故時に加害者となると、支払い不能のため被害を受けた側が十分な賠償金を受け取ることができなくなります。

3.生命保険にもInsuetechの波が

このような現象は自動車保険の世界だけではありません。

近い将来、生命保険の世界にも同じように「テクノロジーの細分化」が訪れるといわれています。

自動車技術を細分化したテクノロジーが、生命保険分野に進出するとどうなるか。

たとえば腕の一部にウエラブル端末を取り付け、既往歴がある人はもちろん、血圧や心電図、体脂肪率のデータを算出して、アクチュアリー(保険商品の保険料を算出する人)に送ります。

アクチュアリー及び保険会社側はその特徴を踏まえ、現在より何倍も細分化した保険商品を設定するという流れです。

この場合も自動車保険と同じく、たとえば生活習慣が悪く、かつ支払い能力が高くはない保険加入希望者は、設定される生命保険料が高くなるか、または保険そのものへの加入が断られる事態が発生します。

そうすると万が一の病気やケガに対し、自己資金で対応するしかなくなり、生活が立ち行かなくなる人が発生してしまう可能性も。

保険業界にとって、テクノロジーを導入して発展するのはとても望ましいことですが、その結果カスタマーファーストが阻害されるとしたら望ましいことではありません。保険業界として何を優先すべきなのか、業界が一丸となって考えなくてはいけませんね。

4.既往歴で加入できない人には助け舟となる可能性も。

このInsurance、既往歴が響いて「保険に入りたくても入れない」人には願ってもない技術の導入になるかもしれません。

既往歴は人により、治癒する時間も違えば、治癒する可能性も異なります。それを一緒くたにしている現在の生命保険加入審査システムにはもちろん、「これ以上細かくは審査できない」というリソース面の事情もあるものと思います。

ここでInsuranceの登場です。

既に治癒した人はデバイスの情報などにより、客観的に治癒が認められ、通常の保険に加入することができます。Insuranceの技術導入が進めば進むほど、割高な保険料を求められることもありません。

現在、既往歴により通常の生命保険に加入できない人は、引受基準緩和型や無選択型など保険料の高い商品を選ぶ「しか」ありませんでした。

また最近は少額短期(少短)保険、いわゆるミニ保険の発展により、少しカスタマーファーストの実現となってきました。

このような状況が、Insuranceの導入により、勢いを増すとすれば、とても望ましいことですね。進捗を見守りたいところです。