第3章 「消費者」について調べてみよう(そもそも消費者って、どんなふうに考えて、どんなふうに行動するのか)
1,「欲求5段階説」でお客様のニーズがつかめる?
消費者が求めるものを知るヒントの一つとして、有名な「マズローの法則」があります。
マズローの夜級5段階説(人間の欲求は5段階ある)
生理的欲求・・・食べたい、眠りたい、衣食住を満たしたい 安全の欲求・・・自分のみを守りたい、不安から逃れたい 帰属の欲求(愛情の欲求)・・・人と同じようにしたい、愛されたい 尊重の欲求・・・認められたい、尊敬されたい 自己実現の欲求・・・充実した人生を送りたい、自分を向上させたい マズローの法則からいろいろな発想を得ることができます。消費者の欲求がいま何にむかっているかをとらえ、それを満たす商品・製品やサービスをつくりだすことが大切になるのです。 <衣料品を例にすると> 生理的・・・衣生活を満たしたい→下着、普段着、防寒着 安全・・・自分の身を守りたい、安全な有機素材など 帰属・・・人と同じにしたい、会社の制服 尊重・・・尊敬されたい、高級ブランド服など 自己実現・・・充実した人生を送りたい、1店もの、おしゃれ着 |
2,「ニーズ」とはいったい何だろう(ニーズ・ウォンツ・デマンズとマーケティングの関係)
人間の欲求は3段階に分けられる。
ニーズ・・・人間が生活する上で必要な、あるモノや状況が満たされていない状態
ウォンツ・・・ニーズを満たす特定のモノやサービスが欲しいという欲求 デマンズ・・・買う意思と買える能力がある人の、特定の商品・製品・サービスに対するウォンツ マーケティングは。 ニーズを作ることはできない(ただし隠れているニーズを探し出し、呼び覚ますことはできる(ソニーのウォークマン)) ウォンツに影響を与える デマンズを具体化する →たとえば自動車に対するニーズがあって、具体的に乗用車が欲しいというウォンツが出てきたとき、それに影響を与えることはできます。さらに、実際に買おうと思った人とその人の購買能力を調べ、そのデマンズをより具体的に「○社の乗用車を買う」という方向に向けることができます。ニーズ・ウォンツ・デマンズとマーケティングの関係は、だいたいこのようなものと考えておけばよいでしょう。
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3,消費者の購買行動がわかる「AIDMAの法則」とは?(注目・興味・欲求・記憶・行動が「アイドマ」)
「AIDMAの法則」アイドマの法則で購買行動の基本がわかる
注目・・・Attention 興味・・・Interest 欲求・・・Desire 記憶・・・Memory 行動・・・Action 消費者は広告や店頭の陳列で、数あるパソコンの中から、特定の製品に「お!」と目をとめます。これが「注目」です。次にカタログを読んだり、販売員の説明を聞いたりして関心を示します。これが「興味」です。そして、性能やデザインが希望に合うと「ほしいなあ、いくらかな」と「欲求」の段階に移ります。ここですぐに買う人もいるでしょうが、パソコンのような高額商品ではもう少し別のものを見てからとなることも多いでしょう。その間、このパソコンは消費者の中で「記憶」の段階にあります。いろいろ迷った末、ついに「よし、決めた」といずれかのパソコンを選ぶと最後に買うという「行動」になるわけです。 |
アイドマの法則は販促や接客を考えるときの行動のモデルになる。広告は注目と興味について訴えかけ、情報を提供する。人的販売は注目と興味と欲求と行動に働きかけ、それぞれ順番に商品を紹介する、詳しい情報を提供する、欲しいという気持ちを持たせる、アフターサービス、支払い方法の説明をするなどの参考となる。
※比較的低額の商品などの場合は、迷うことなくその場で買ってしまうことも多いでしょう。その場合は、「記憶」の段階なしに「行動」に結びつくわけで、Mをとばして「AIDA(アイーダ)モデル」となります。
4、消費者が「買う」時の、頭の中をのぞいてみよう(消費者情報処理モデルとは?)
消費者は「買う」という目標に向かって情報を処理している。
刺激→感覚器官→目標→記憶(情報を集める、情報を蓄える、情報をまとめる)→行動 |
5、要するに消費者は、どんな理由で買うのか?(購買行動に影響を与える5つの要素)
消費者の購買行動を左右する要素とは?
収入・資産・信用力など→経済的要素 家族・友人・会社など→社会的要素 性別・年齢・職業など→人口学的要素 価値観・関心・ライフスタイルなど→文化的要素 性格・態度・習慣など→心理的要素 |