■資産と費用の分類について
※切手、収入印紙等は通信費という費用になるが、使いきれなかった部分に関しては資産として扱われる。換金価値が高いため。
※1年以上使用するものを固定資産という。
※購入したものを資産とするか、経費(費用)にするかで財務諸表は大きく変わるため重要。
■固定資産について
例1)事務所用に20万円のパソコンをツケで購入した。
(借)備品200,000(貸)未払金200,000
例2)社長室用に20万円のソファーをツケで購入した。
(借)備品200,000(貸)未払金200,000
例3)営業車として車を100万円で購入し、代金は当座預金から支払った。
(借)車両運搬具1,000,000(貸)当座預金1,000,000
※減価償却費について考えなければ、勘定科目を覚えるだけ。
■経費について
例1)ガス代1万円を現金で支払った。
(借)水道光熱費10,000(貸)現金10,000
水道光熱費という費用の発生/現金という資産の減少
例2)銀行で手数料300円を現金で支払った。
(借)支払手数料300(貸)現金300
例3)所属している商店街の会費1,000を現金で支払った。
(借)諸会費1,000(貸)現金1,000
例4)事務所の賃料20万円を普通預金から支払った。
(借)支払家賃200,000(貸)普通預金200,000
例5)事務所に付属している火災保険料24万円を現金で支払った。
(借)支払保険料240,000(貸)現金240,000
例6)現金で1本100円の鉛筆を10本購入した。
(借)消耗品費1,000(貸)現金1,000
※鉛筆などは令和大改訂前は資産とする方法と費用にする方法とあったが改定後は費用にする方法のみとなる。
例7)従業員が出張から帰社し、出張で利用した電車代とタクシー代の領収書合計1万円を提出してきた。当該従業員の口座へ普通預金から支払った。
(借)旅費交通費10,000(貸)普通預金10,000
例8)現金で、1枚200円の収入印紙を10枚購入した。
(借)租税公課2,000(貸)現金2,000
※収入印紙の購入は税金費用となる。収入印紙自体税金を払うことと一緒のため。税金費用の勘定科目は租税公課になる。
※ここもとりあえず勘定科目を覚えるのみ。
■商品券について
商品を売って、その代わりに商品券を渡す。商品券をもらった側は、発行元(銀行ではない第3機関)に持っていき現金と交換する。発行元は銀行ではないため、通貨代用証券とはならない。勘定科目としては受取商品券となる。
例)
①商品2万円を販売し、代金は読点の加盟する商店街の発行した商品券で受け取った。
(借)受取商品券20,000(貸)売上20,000
受取商品券という資産の増加/売上という収益の増加
②後日、当該商品券を商店街本部へ持参し、換金の請求をして現金2万円を受け取った。
(借)現金20,000(貸)受取商品券20,000
現金という資産の増加/受取商品券という資産の減少
■貸付金・借入金
例)
A社はB社に現金100,000を貸し付けた。条件:年利2%、1年後に利息と元本を一括返済。
A社側(貸付時)
(借)貸付金100,000(貸)現金100,000
貸付金という債権の増加/現金という資産の減少
↓1年後
- (借)現金102,000(貸)貸付金100,000
- (貸)受取利息2,000
B社側(貸付時)
(借)現金100,000(貸)借入金100,000
現金という資産の増加/借入金という負債の増加
↓1年後
- (借)借入金100,000(貸)現金102,000
- (借)支払利息2,000
借入金+支払利息という負債の減少/現金という資産の減少
【自社の従業員や役員に貸付する場合】
自社の役員や従業員に貸し付ける場合は勘定科目が変化する。名称がかわるだけ。
A社は自社の役員(従業員)に現金100,000を貸し付けた。条件:年利2%、1年後に利息と元本を一括返済。
A社側(貸付時)
(借)役員貸付金100,000(貸)現金100,000
貸付金という債権の増加/現金という資産の減少
↓1年後
- (借)現金102,000(貸)役員貸付金100,000
- (貸)受取利息2,000
■預かり金
会社が従業員の給料を支払う際に、年金料や所得税等を預かり金として差し引く。↓の画像でいうと
・青色下線80万円=税務署へ納税する所得税等
・青色下線100万円=年金事務所へ納める社会保険料
・赤色下線110万円=会社が負担する従業員の社会保険料。会社法により会社は従業員の社会保険料を半分負担する義務があるため。
例)
①8月28日、A社従業員の給料は合計で800万円であった。なおこのうち所得税は80万円であり、社会保険料(従業員負担分)は100万円であった。よって残額を当座預金から支払った。
- (借)給料8,000,000(貸)当座預金6,200,000
- (貸)所得税預り金800,000
- (貸)社会保険料預り金1,000,000
- 給料という費用の発生/当座預金とう資産の減少+所得税預り金、社会保険料預り金という負債の増加
②9月になり、預かった所得税80万円と、社会保険料100万円に加え、社会保険料会社負担分110万円を当座預金から支払った。(会社負担分も合わせて支払った合計額は290万円)
- (借)所得税預り金800,000(貸)当座預金2,900,000
- (借)社会保険料預り金1,000,000
- (借)法定福利費1,100,000
- 所得税預り金という負債の減少/当座預金という資産の減少
- 社会保険料預り金という負債の減少
- 法定福利費という費用の発生
■仮払金・借受金
- 中身が不明な出金:仮払金
- 中身が不明な入金:借受金
- よくあるのが、出張前にあらかじめまとまったお金を渡しておく。出張後に精算する。
例1)従業員が出張するので、本日その従業員に現金10万円を渡した。
(借)仮払金100,000(貸)現金100,000
仮払金という仮の費用の発生/現金という資産の減少
後日従業員が出張から帰社。出張にかかった費用はタクシー代1万円、電車代7万円であった。残額は返金。
- (借)現金 20,000(貸)仮払金100,000
- (借)旅費交通費80,000
例2・ICカードパターン1)
A社は業務用に使用しているICカードに現金2万円をチャージした。なおチャージしたときに仮払金勘定を用いている。
(借)仮払金20,000(貸)現金20,000
従業員が出張し、上記ICカードを用いて電車代1万円を支払った。
(借)旅費交通費10,000(貸)仮払金10,000
例3・ICカードパターン2)
A社は業務用に使用しているICカードに現金2万円をチャージした。なお、当該ICカードは出張の旅費交通費しか使わない為、チャージしたときに費用処理している。
(借)旅費交通費20,000(貸)現金20,000
例4)不明金の入金あり
本日、当社の当座預金に1万円の入金があったた、何の代金なのか不明である。大きな会社などは預金口座が何百もあるため不明な金がたくさんある。
(借)当座預金10,000(貸)借受金10,000
後日、先日の1万円の不明入金は、売掛金の回収であることがわかった。
(借)借受金10,000(貸)売掛金10,000
■保証金について
2005年1月1日、事務所の賃借にあたり、1か月分の家賃10万円、仲介手数料5万円、敷金20万円を当座預金から支払った。
- (借)支払家賃100,000(貸)当座預金350,000
- (借)支払手数料50,000
- (借)差入保証金200,000
- 支払家賃という費用の発生/当座預金という資産の減少
- 支払手数料という費用の発生
- 差入保証金という資産の増加
2010年12月31日、上記事務所の賃貸契約を解約し敷金全額が当座預金に返金された。
(借)当座預金200,000(貸)差入保証金200,000
当座預金という資産の増加/差入保証金という資産の減少