命題

<ポイント>

「命題」って覚えてますか?(ノ∀`;)

頭の中だけで考えると混乱してしまいますが、 「対偶」と「三段論法」を使うと、それぞれの関連性をカンタンに把握できます!(*´∀`*)

 

【逆】

命題 [ Aであるならば、Bである ] の逆は、[ Bであるならば、Aである ]です。
元の命題が真(正しいこと)であっても、その逆が真であるとは限りません。

【裏】

命題 [ Aであるならば、Bである ] の裏は、[ Aでないならば、Bでない ] です。
元の命題が真であっても、その裏が真であるとは限りません。

【対偶】

命題 [ Aであるならば、Bである ] の対偶は、[ Bでないならば、Aでない ] です。
元の命題が真であれば、その対偶も必ず真です。

【三段論法】

命題 [ Aであるならば、Bである ]、[ Bであるならば、Cである ] が共に真であるとき、[ Aであるならば、Cである ] も真です。

(1) 単純な命題問題・・・例題1

問題として与えられた命題が1つしかないときは、対偶について考えると、即答できるものが多いです。

(2) 複雑な命題問題・・・例題2

問題として与えられた命題が複数あるときは、三段論法を利用して解きます。
また、対偶と三段論法をどちらも使う複雑な問題も出題されます。

 

<基本問題>

「国語が好きな人は、算数が好きではない」という命題が正しいとき、確実に言えることは次のうちどれか。

  1. A算数が好きではない人は、国語が好きである
  2. B国語と算数が両方とも好きな人もいる
  3. C国語が好きではない人は、算数が好きである
  4. D算数が好きな人は、国語が好きではない
  5. E算数が好きな人の中には、国語が好きな人もいる
A→D.算数が好きな人は、国語が好きではない

下図は、例題の命題の逆、裏、対偶の関係図である。

元の命題が真(正しいこと)であるとき、逆、裏は真であるとは限らないが、対偶は必ず真となる。
このような単純な命題問題では、問題として与えられた命題の対偶について考えると、即答できるものが多い。

「国語が好きな人は、算数が好きではない」の対偶は、「算数が好きな人は、国語が好きではない」となるため、Dが答えとなる。

他の選択肢の真偽は下記の通りとなる。

  1. A元の命題の逆 → 真とは限らない
  2. B元の命題と矛盾 → 偽
  3. C元の命題の裏 → 真とは限らない
  4. E対偶と矛盾 → 偽

 

「健康である人は、早寝早起きである」「スポーツができる人は、健康である」の2つが分かっているとき、次のアとイの真偽について正しく述べているものはどれか。

  1. 早寝早起きである人は、健康である
  2. スポーツができる人は、早寝早起きである
  1. Aアとイのどちらも必ず正しい
  2. Bアは必ず正しいが、イは正しいとは限らない
  3. Cアは必ず正しいが、イは必ず誤り
  4. Dアは正しいとは限らないが、イは必ず正しい
  5. Eアとイのどちらも正しいとは限らない
  6. Fアは正しいとは限らないが、イは必ず誤り
  7. Gアは必ず誤りだが、イは必ず正しい
  8. Hアは必ず誤りだが、イは正しいとは限らない
A→D.アは正しいとは限らないが、イは必ず正しい

アの「早寝早起きである人は、健康である」は、問題文の「健康である人は、早寝早起きである」の逆のため、正しいとは限らない。

また、問題文の「健康である人は、早寝早起きである」「スポーツができる人は、健康である」の2つの命題を三段論法を使って図式化すると、下図のようになる。

そのため「スポーツができる人は、早寝早起きである」と言える。よって、イは必ず正しい。

これらを満たす選択肢は D である。

 


対偶

「タバコを吸わない人は、健康である」という命題が正しいとき、次のうち確実にいえるのはどれか。

A健康な人は、タバコを吸わない
B健康でない人は、タバコを吸う
Cタバコを吸う人は、健康でない
D健康でない人は、タバコを吸うとは限らない
Eタバコを吸わない人でも、健康でない人がいる
A→B健康でない人は、タバコを吸う

このような単純な命題問題では、問題として与えられた命題の対偶について考えると、即答できるものが多い。

問題として与えられた命題の対偶について考えると、選択肢Bの「健康でない人は、タバコを吸う」と一致する。
したがって、正解はBである。

他の選択肢の真偽は下記の通りとなる。

  1. A元の命題の逆 → 真とは限らない
  2. C元の命題の裏 → 真とは限らない
  3. D対偶と矛盾 → 偽
  4. E元の命題と矛盾 → 偽

三段論法

アとイの命題が正しいとき、次のうち確実にいえるのはどれか。

  1. 動物であるならば、命がある
  2. 人間であるならば、動物である
A人間であるならば、命がある
B命があるならば、人間である
C動物であるならば、人間である
D人間でないならば、命がない
E人間でないならば、動物でない
A→A人間であるならば、命がある

アとイの命題を三段論法を使って図式化すると下図のようになる。

よって、「人間であるならば、命がある」と言える。
したがって、答えはAとなる。

他の選択肢の真偽は下記の通りとなる。

  1. Bアの逆とイの逆を組合せたもの → 真とは限らない
  2. Cイの逆 → 真とは限らない
  3. Dアの裏とイの裏を組合せたもの → 真とは限らない
  4. Eイの裏 → 真とは限らない

対偶と三段論法

「肉が好きな人は、野菜が好きではない」「肉が好きではない人は、果物が好きではない」の2つが分かっているとき、次のアとイの真偽について正しく述べているものはどれか。

  1. 野菜が好きな人は、果物が好きではない
  2. 肉と野菜が両方とも好きな人もいる

Aアとイのどちらも必ず正しい
Bアは必ず正しいが、イは正しいとは限らない
Cアは必ず正しいが、イは必ず誤り
Dアは正しいとは限らないが、イは必ず正しい
Eアとイのどちらも正しいとは限らない
Fアは正しいとは限らないが、イは必ず誤り
Gアは必ず誤りだが、イは必ず正しい
Hアは必ず誤りだが、イは正しいとは限らない
A→Cアは必ず正しいが、イは必ず誤り

対偶と三段論法を組合せて解く問題である。

「肉が好きな人は、野菜が好きではない」の対偶は、「野菜が好きな人は、肉が好きではない」となる。
この対偶と、「肉が好きではない人は、果物が好きではない」の2つを三段論法を使って図式化すると、次のようになる。

したがって、「野菜が好きな人は、果物が好きではない」と言えるため、アは必ず正しい。

イは、問題文の命題「肉が好きな人は、野菜が好きではない」と矛盾する。よって、必ず誤り。

これらを満たす選択肢は C である。


集合

ある会社の中でアとイのことが分かっている。確実にいえるのはどれか。

  1. 1年目の社員はプログラマーである
  2. 2年目の社員の中にもプログラマーはいる
Aプログラマーであり1年目ではない社員は、2年目の社員である
Bプログラマーであり2年目ではない社員は、1年目の社員である
Cプログラマーは、1年目か2年目の社員である
Dプログラマーでない社員は、1年目の社員ではない
Eプログラマーでない社員は、2年目の社員である
A→Dプログラマーでない社員は、1年目の社員ではない

イに集合の概念が含まれているため、ベン図で条件を整理する。

(※ 1年目、2年目の社員以外にも、社員がいるかもしれないことに注意して下さい。)

アの対偶である、Dの「プログラマーでない社員は、1年目の社員ではない」が正解となる。
また、ベン図から他の選択肢が誤りであることを確認できる。