催促文について

相手が合意したことを実行しないときに、丁寧かつ毅然と履行を求める

<シチュエーションと目的>
・期日までに納品、代金の支払、融資の返済などが行われない時、契約履行を求める。
・その他、委託業務の遂行などを促すとき
・義務を果たしてくれない相手に対し、感情的にならず冷静に対応する

<マナーとポイント>
・誤解や行き違いもあるので、最初から相手が悪いと決めつけないようにする
・感情的にならず、契約不履行である現状を客観的に述べ、相手に誠意ある対応を求める
・相手を尊重しつつ、丁寧かつ毅然とした態度を示す
・契約ふりこによってこちらも困っていることを伝える


督促文サンプル1<商品代金の催促>

株式会社エンデバー                      ユーラシア株式会社
資材部 大田はじめ様                     後藤 紗枝門

商品代金のお支払について
前略、取り急ぎ用件のみご連絡申し上げます。
去る9月3日、貴社に納品いたしましたが安全斜線の代金を9月30日付にてご請求させていただきましたが、10月31日現在、お振り込み確認ができておりません。
支払期日の10月20日を過ぎておりますので、来る11月20日までにお振り込みくださいますようにお願い申し上げます。
なお、本状と行き違いでづでにお振り込みをいただきました節は、あしからずご容赦の程お願い申しあげます。

 

・相手の感情を害さず、約束を守ってもらうことを目指す
・(書き換え表現)商品代金をお支払いのお願い
・督促など急ぎの用件の場合は時候の挨拶を省いて前略としてもよい
・納品日や請求書発行日など具体的な数字を入れる
・本状が届くまでに入金されている場合もあるので、必ずこのような一文を入れる。


督促状サンプル2<商品代金の再督促>

三島商会株式会社        夕張産業株式会社
石野渡様            大田連

商品代金のお支払について
前略 8月22日付でご発注いただいた弊社製品ロールスター100箱につきまして、8月31日付にてご請求させていただきましたが、お振込期日9月20日を過ぎた現在、いまでにご入金の確認ができておりません。
この間、幾度となく電話および書面にて、ご入金お願い申しあげていましたが、ご回答をいただいておりません。
来る10月20日付までに必ずご送金いただきますようお願い申しあげます。
なお、本状と行き違いにすでにご送金いただきました節には、あしからずご容赦くださいますようお願い申しあげます。
まずは確認かたがた、お願いまで。            草々

・再督促は文面がきつくなりがち。後に法的手段に出ざるをえないことも念頭に置きつつ、その際、文書は証拠として扱われるので、書くべき要素は落とさず文体に気を付ける
・これまでの経緯やこちらが講じた手段を改めて書くと、確認・記録になる。
・(書き換え表現)何のご連絡もいただけませんでした。
・(書き換え表現)つきましては10月20日までに必ずお振込くださいますようお願い申しあげます。お振込いただけない場合、遺憾ではありますが、弊社としても法的手段に訴えざるをえないことになります。/つきましては来る10月20日までに必ずご送金いただきますようお願い申しあげます。万が一ご送金いただけない場合、誠に不本意ながら、相応の手段をとらせていただきます。


督促文サンプル3<販売契約の督促>

 

販売契約の件
拝啓 陽春の候、貴社におかれましてはいっそうご隆盛のこととご拝察いたします。
さて、昨年11月30日に貴社より弊社製品の販売委託契約についてご照会がありましたので、12月2日に弊社より契約書をご送付申しあげました。その後1カ月ほど経ちましたので、そろそろご返事いただきたくお願い申しあげます。
実は他社からも販売契約の照会をいただいっておりますので、1月31日までにご連絡いただけない場合は、契約のご意思がないものと判断させていただきたく存じます。何卒ご了解ください。
ご多忙のところ、無理を申しまして誠に恐縮ではございますが、早々のご返事をお待ち申し上げております。
まずは取り急ぎ、ご確認まで。               敬具

・感情的な印象を与えないように、相手の立場に理解を示すことは忘れない
・(書き換え表現)そろそろ結論を出された頃かと思い、ご連絡さしあげました。
・(書き換え表現)今回のお話は白紙にもどさせていただきたく存じます。
・契約撤回をにおわせながらも、相手の事情に理解を示しつつ、こちらの都合で無理を言っていることを詫びる


督促文サンプル4<契約履行の督促>

           契約についてのお願い
拝啓 陽春の候、貴社ますますご隆昌のことと御慶び申し上げます。
さて、昨年10月1日付にて取り交わした契約によれば、平成15年11月より、毎月1日と15日には貴社からシステムエンジニアが派遣され、弊社セキュリティシステムの点検・更新業務を行っていただくこととなっております。
しかしながら、2カ月を経過した現在、電話による聞き取り調査のみでまだ一度も実際の点検・更新業務が行われていない状況です。
弊社にはセキュリティ対策のエキスパートはおらず、電話でも日常パソコンを操作している社員が答えているのみです。次々と新手のサイバー攻撃が報道される昨今、このままでは非常に不安と感じております。万が一、重大な問題が発生した場合、社会に与える損害は甚だしいものと存じます。
つきましては、本契約を履行していただくべく、至急システムエンジニアの派遣を要請申し上げます。
以上、弊社の事情をご勘案いただき、誠意ある対応をお願い申しあげます。  敬具

・相手が不誠実な対応であっても、冷静にまずは改善を促す
・契約書に基づいた正当な要請であることを示す。
・これまでの経緯を明記する
・こちらの事情や契約不履行による損害の多大な可能性を伝え、理解を求める。
・(書き換え表現)本契約をご確認のうえ、早急に契約の履行をお願い申しあげます。


督促文サンプル5<見積書発送の督促>

三菱株式会社                   学校法人梅村学園
営業部 斎藤伸二様                南雪子様
印刷見積書について
前文失礼いたします。昨年12月2日にお電話にてご依頼申し上げました広報誌見積もりの件でございますが、いまだにご送付いただいておりません。
当校は、4月5日の入学式に配布すべく、現在、広報誌の製作を着々とすすめております。しかし、見積書が届かないと印刷に回せず、入学式に間に合わない可能性が出てまいります。
つきましては見積書を至急お送りいただきますようお願い申しあげます。
1月15日までにご送付いただけない場合は、他社から至急見積もりを取って発注しなければなりません。何卒事情をご理解の上、必ずこの日までにお送りいただけますよう、重ねてお願い申し上げます。                        草々

・急ぎの場合は文書だけでなく電話やメールを利用する
・急用の場合は、前文を省略して、すぐに要件から入っても可。結語に注意
・日付と具体的な品名を明記する
・急いで必要としている事情を述べ、相手の対応を促す
・必ず期日を指定する
・(書き換え表現)毎年お願いしていました貴社への発注を本年は断念せざるをえません。/貴社繁忙故、受注は不可能と判断し、他社を検討せざるをえません。