■伝票について
●概要
仕訳は、仕訳帳に書くが、実際の実務では伝票(会計伝票)に仕訳する場合もある。つまりは仕訳は仕訳帳に記載するか、伝票に記載してもよくどっちでもよい。仕訳帳か伝票に仕訳後は必ず総勘定元帳への転記はする。実務例としては伝票→集計(1日分)→仕訳日計表→合計転記→総勘定元帳というパターンもある。
●伝票の種類
実務では、何種類もある(1種類のみの場合も多い)。簿記3級では3種類(三伝票制)。1種類だけ(振替伝票=一般会計伝票)でも伝票として機能する。必要に応じて種類が増えた。毎日何件も入出金がある場合、いちいち借方「現金」貸方「現金」と書くのが面倒のため、予め借方や貸方に現金と書いてある伝票があれば便利のため入金伝票・出金伝票がつくられた。
- 振替伝票:入出金のない取引で使う。入出金が伴わない取引に関して基本はこの振替伝票を使用する。現金の移動がない場合。現金の移動があれば入金伝票や出金伝票となる。
- 入金伝票:入金取引で使う(借方は現金)。借方は絶対に現金なのでそもそも借方の記載がない伝票の様式が多い。
- 出金伝票:出金取引で使う(貸方は現金)。貸方は絶対に現金なのでそもそも貸方の記載がない伝票の様式が多い。
例1)
①「(借)現金800(貸)受取利息800」と仕訳したいときに用いる伝票は?➡入金伝票
②「電気代1万円を現金で支払った」ときに用いる伝票は?➡出金伝票
③「電気代1万円を小切手を振り出して支払った」ときに用いる伝票は?➡振替伝票
例2)
商品10万円を掛けで仕入れた。起票する伝票の種類と金額は?
・仕訳(振替伝票のみを使用)
(借)仕入100,000(貸)買掛金100,000
※掛けであり現金が動いてないので振替伝票のみを使用。
例3)
商品10万円を現金で仕入れた。起票する伝票の種類と金額は?
・仕訳(出金伝票のみを使用)
(借)仕入100,000(貸)現金100,000
例4)伝票記載方法は2種類あり
商品10万円を仕入れ、代金2万円は現金で支払い、残額は掛けとして。起票する伝票の種類と金額は?
- 【回答1】簡単
- (借)仕入100,000(貸)買掛金80,000
- (貸)現金20,000
- ・仕訳(振替伝票と出金伝票の2つを使用)
- 振替伝票
- (借)仕入80,000(貸)買掛金80,000
- 出金伝票
- 仕入20,000
【回答2】難しい
- (借)仕入100,000(貸)買掛金10
- 0,000
- (借)買掛金20,000(貸)現金20,000
- ・仕訳(振替伝票と出金伝票の2つを使用)
- 振替伝票
- (借)仕入80,000(貸)買掛金100,000
- 出金伝票
- 買掛金20,000
例5)
商品10万円を販売し、代金のうち2万円は現金で受け取り、残額は掛けとした。起票する伝票の種類と金額は?
- (借)売掛金80,000(貸)売上100,000
- (借)現金20,000
- 振替伝票
- (借)売掛金100,000(貸)売上100,000
- 入金伝票
- 売掛金20,000