<ポイント>
同じ仕事でも、人によってかかる時間が違います。
このように、かかる時間の異なる人たちが集まって仕事をしたとき、かかる時間はどうなるの?
仕事全体を[ 1 ]と置けば、超カンタンです!(*´∀`*)
仕事算では、仕事全体の量を[ 1 ]とおき、1日当たりの仕事量を分数で表します。
この考え方から、以下の公式が成立します。
- 公式① [ 1日当たりの仕事量 ] = [ 1 / かかる日数 ]
- 公式② [ かかる日数 ] = [ 1 ] / [ 1日当たりの仕事量 ]
- 公式③ [ 仕事量 ] = [ 1日当たりの仕事量 ]×[ 働いた日数 ]
それでは、例題で公式の使い方を確認しましょう。
<基本問題>
ある仕事を仕上げるのに企業Aだけでは120日、企業Bだけでは60日かかる。企業Aと企業Bが合同でこの仕事に取り組むとき、この仕事を仕上げるのに何日かかるか。
仕事算では、仕事全体の量を[ 1 ]とおき、1日当たりの仕事量を分数で表す。
この仕事の全体量を[ 1 ]とおくと・・・
企業Aの1日当たりの仕事量は[ 1 / 120 ]
企業Bの1日当たりの仕事量は[ 1 / 60 ]
・・・と表せる。
よって、企業Aと企業Bが一緒に仕事をした時の1日当たりの仕事量は、
- 式)[ 1 / 120 ] + [ 1 / 60 ]
= (1 + 2)/ 120・・・通分
= 3 / 120
= 1 / 40・・・約分
仕事を仕上げるのにかかる時間は、公式② [ かかる日数 ] = [ 1 ] / [ 1日当たりの仕事量 ]より
- 式)[ 1 ] / [ 1 / 40 ] = 40(日)
ある仕事をするのに、Aさんは30日、Bさんは20日、Cさんは15日かかる。この仕事をAさん、Bさん、Cさんの3人でやったところ、Bさんが何日間か休んだので、仕事を終えるのにちょうど7日かかった。Bさんが休んだのは何日か。
全体の仕事の量を[ 1 ]とおくと・・・
Aさんの1日の仕事量は[ 1 / 30 ]
Bさんの1日の仕事量は[ 1 / 20 ]
Cさんの1日の仕事量は[ 1 / 15 ]
・・・と表すことができる。
全員が7日間全て働いたと仮定すると、公式③ [ 仕事量 ] = [ 1日当たりの仕事量 ]×[ 働いた日数 ]より
- 式)([ 1 / 30 ] + [ 1 / 20 ] + [ 1 / 15 ])×7 = [ 21 / 20 ]
働くことができる。
しかし、実際働いたのは[ 1 ]なのだから
- 式)[ 21 / 20 ] – [ 1 ] = [ 1 / 20 ]
は、Bさんが休んだ仕事量である。
Bさんの1日の仕事量は[ 1 / 20 ]であるから、Bさんが休んだのは
- 式)[ 1 / 20 ] / [ 1 / 20 ] = 1(日)
2人の仕事算
Aさんがある仕事をすると8日かかる。また、Bさんが同じ仕事をすると12日かかる。AさんとBさんが一緒にこの仕事をすると、何日目で仕事が終わるか。
仕事全体の量を[ 1 ]とすると・・・
Aさんが1日にする仕事量は[ 1 / 8 ]
Bさんが1日にする仕事量は[ 1 / 12 ]
・・・と表せる。
AさんとBさんが一緒に仕事をしたときの1日当たりの仕事量は
- 式)[ 1 / 8 ] + [ 1 / 12 ]
= (3 + 2)/ 24・・・通分
= 5 / 24
仕事をした日数は
- 式)[ 1 ] / [ 5 / 24 ] = 24 / 5 = 4.8(日)
4日目の時点ではまだ仕事は終わっていない。仕事が終わるのは、5日目の途中である。
水槽算
ある空の水槽の中にA管で水を入れると10分、B管で水を入れると15分で満水になる。また、この水槽が満水のときC管で水を抜くと5分で水槽が空になる。
(1)この水槽の中にA管とB管で水を入れると、水を入れ始めてから何分で満水になるか。
問題集によっては、この問題を「水槽算」として別の分野に分けているものもある。
しかし、問題内容は仕事算と全く同じなので、当サイトでは仕事算の一環として扱う。
A管とB管を同時に使ったとき、1分間に増える水の量は
- 式)[ 1 / 10 ] + [ 1 / 15 ]
= (3 + 2)/ 30・・・通分
= 5 / 30
= 1 / 6・・・約分
したがって、水槽を満水にするまでにかかる時間は
- 式)[ 1 ] / [ 1 / 6 ] = 6(分)
水槽算(水を抜く)
ある空の水槽の中にA管で水を入れると10分、B管で水を入れると15分で満水になる。また、この水槽が満水のときC管で水を抜くと5分で水槽が空になる。
(2)この水槽が満水のとき、A管とB管で水を入れながらC管で水を抜くと、何分後に水槽が空になるか。
問題3-1の時点で、A管とB管を使うと空の水槽を満水にするのに6分かかることが分かっている。
- 式)[ 1 / 5 ] – [ 1 / 6 ] = [ 1 / 30 ]
の水が一分間に減る。
したがって、水槽を空にするためにかかる時間は
- 式)[ 1 ] / [ 1 / 30 ] = 30(分)
3人の仕事算
ある仕事を仕上げるのに、Aさんは12日、Bさんは24日かかる。また、Aさん、Bさん、Cさんの3人が一緒にこの仕事をすると4日かかる。この仕事を仕上げるのに、Cさん1人では何日かかるか。
仕事全体の量を[ 1 ]とすると・・・
Aさんが1日にする仕事量は[ 1 / 12 ]
Bさんが1日にする仕事量は[ 1 / 24 ]
・・・と表せる。
AさんとBさんが一緒に4日仕事をするときの仕事量は
- 式)([ 1 / 12 ] + [ 1 / 24 ])×4 = [ 1 / 2 ]
よって、Cさんは4日間で
- 式)[ 1 ] – [ 1 / 2 ] = [ 1 / 2 ]
の仕事をすることができる。
よって、Cさんの1日当たりの仕事量は
- 式)[ 1 / 2 ] / 4 = [ 1 / 8 ]
したがって、この仕事をCさん1人で仕上げると
- 式)[ 1 ] / [ 1 / 8 ] = 8(日間)
かかる。
比の応用
ある仕事を5人で始めた。初めの15日間は順調に進んだが、16日目から3人しか働くことができなくなり、予定より8日遅れて仕事が終わった。 この仕事は、何日で終わる予定だったか。ただし、5人の1日当たりの仕事量は等しいものとする。
16日目からの仕事を、予定通り5人で行うときと3人で行うときの時間の比に注目する。
[ 仕事量 ] = [ 1日当たりの仕事量 ]×[ 働いた日数 ]であるから
[ 仕事量 ]が一定であるとき、[ 1日当たりの仕事量 ]と[ 働いた日数 ]は反比例の関係になる。
予定通り5人で行うときも、3人で行うときも[ 16日以降にする仕事量 ]は一定であり
[ 1日当たりの仕事量 ]の比は[ 5 ] : [ 3 ]のため
[ 働いた日数 ]の比は[ 3 ] : [ 5 ]となる。
働いた日数の差である
- 式)[ 5 ] – [ 3 ] = [ 2 ]
これが、8日に等しいのだから残りの仕事を5人で働いたときの日数[ 3 ]は
- 式)8×([ 3 ] / [ 2 ]) = 12(日)
したがって、求める日数は
- 式)15 + 12 = 27(日)
4人の仕事算
ある仕事をするのに男性5人だと6日、女性9人だと5日かかる。この仕事を男性2人、女性2人ですると何日かかるか。
この仕事の全体量を[ 1 ]とすると、男性1人の1日当たりの仕事量は
- 式)[ 1 / (5×6) ] = [ 1 / 30 ]
また、女性1人の1日当たりの仕事量は
- 式)[ 1 / (9×5) ] = [ 1 / 45 ]
よって、男性2人、女性2人が一緒に仕事をしたときの1日当たりの仕事量は
- 式)([ 1 / 30 ] + [ 1 / 45 ])×2 = [ 1 / 9 ]
したがって、仕事を仕上げるのにかかる日数は
- 式)[ 1 ] / [ 1 / 9 ] = 9(日)