「4月入社」より「10月入社」狙い?!転職市場の年間動向をウラ読み

  • 多くの企業が4月に期初を迎える。仕事の区切りが良いという事情もあってか、心機一転、新たなスタートを切るべく、4月入社を目指す転職希望者は多い。
  • しかし、転職希望者が“動きやすい”時期が、“転職に成功しやすい”時期とは限らない。単純計算すれば、求人件数が多く、転職希望者数が少ない時期のほうが、転職成功率は高くなるはず。
  • そこで、女性のための転職サイト『女の転職@type』の掲載求人件数と、求職者の実際の応募数の年間推移を調査。2012年3月~2013年2月のデータを元に、転職市場の年間動向を探ってみた。

■夏のボーナス時期と年始は、「狭き門」&「ライバル急増」で転職成功率が急降下

  • 上記は、求職者の応募数の年間推移グラフだ。求職者サイドの年間の転職活動のピークが、ここから読み取れる。
  • 3~4月は比較的動きが鈍く、ボーナス支給時期の6月に転職活動を展開する人が急増。7~8月は夏季休暇なども重なるせいか、やや低調モードに。9~10月は1月入社、1~2月は4月入社を狙って転職活動に励む層が増えるようだ。
  • 一方、企業側の採用活動はどうなっているのかというと、下記の通り。
  • グラフからは、3~4月は求人の数は少なく、7月に向けてゆるやかに増加、10月でピークを迎える。その後、年末年始は減少し、2月にまた上昇という動きだ。

  • 両者の動向を照らし合わせてみると、転職のベストタイミングが見えてくる。
  • 6月は、求職者が急増するのに対して、求人件数はそれほど多くない。つまり、需要と供給のバランスからいうと、転職成功率は低くなる。年始の1~2月も、同様の傾向が見て取れる。これらの時期の転職は、ややハードルが上がるといえそうだ。
    9~10月はというと、需要と供給が共に増えており、バランス的には問題なさそうだ。が、ここにも意外な落とし穴が。
  • 女性の転職事情に詳しい『typeの人材紹介』のキャリアアドバイザー、青柳真理子さんは「日本の企業は4月から新年度に切り替わるところが多いが、通年で採用計画を設計している企業では4~9月の上半期に比べて、10~3月の下半期の方が、採用条件のスペックが上がる傾向にある」と話す。

■下半期になるにつれ、企業の採用活動は「実績重視」にシフト

  • 「例えば、企業が年間で10人採用を予定している場合、上半期のうちは比較的“人物重視”の採用をしていても、下半期になって最後の数人を採用するころには、『業績が悪いからもっと早く結果を出せる人が欲しい』と“実績重視”の採用に変わってくる、なんてことが珍しくないんですよ」(青柳さん)
  • 求人件数が最高潮に達する9~10月は、スキル・経験に自信のある人にとっては、選択肢が増え、転職のベストタイミングになり得るかもしれないが、人気職種に就きたい人や経験の浅い人にとっては、条件の悪い時期となってしまう可能性も高い。
    では、いつが転職しどきなのか? 注目したいのは7~8月だ。
  • 求人数は増加傾向にあるにも関わらず、求職者の動きは鈍い。
  • 「ライバルとなるほかの求職者が少ない時期ですから、採用確率も上がることが見込めます。加えて、7~8月の時期は上半期に当たる企業が多く、前述した通り、採用のスペックがまだそれほど上がっていないことが期待できます。この時期に転職活動を進めて、企業が下半期に突入する10月入社を目指す。このタイミングが、狙い目といえるのではないでしょうか」(青柳さん)
  • 4月入社は期初でタイミングが良い、と思いがちだが、この時期に入社を果たすにはライバルが多く、かつ企業の採用スペックも上がっている年始に転職活動を進めなければならなくなる。自ら転職のハードルを上げてしまいかねない。
  • 直近で転職を考えている人は、10月入社狙いの夏の転職活動に、今から準備して臨んでみてはいかがだろうか。

 

 

参考サイト→女の転職@type